投稿日 2022/09/20

風と光を融合させた 「サーキュライト」 。アイデア商品がヒットする分岐点とは?

出典: GetNavi web

今回は、「良いアイデアは使われてこそ価値がある」 という話です。

おもしろいと思ったアイデア商品を取り上げ、商品開発やマーケティングに学べることを掘り下げます。

✓ この記事でわかること
  • 風と光が融合する 「サーキュライト」 が好調
  • 開発の背景、強み
  • アイデア商品がヒットする分岐点

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

サーキュライト


ご紹介したいのは 「サーキュライト」 です。

風と光が融合


サーキュレーター (循環送風機) と照明が一体になったユニークな商品です。


サーキュライトの売上は好調なようで、

ドウシシャの 「サーキュライト」 が売れている。天井に取り付ける照明とサーキュレーターを一体化した製品で、手軽に設置できる 「EZ シリーズ」 は5月の発売からわずか1カ月で初回出荷分が売り切れる好調ぶりだった。

電力不足の夏、室内の温度ムラを抑えて空調効率を上げるサーキュレーターへの需要はますます高まっている。

 (中略) 

夏場に需要が高まりがちだが、実はおすすめは冬場の利用だ。電気代は総じて冬の方が高くなる。天井の暖かい空気を下向きに送れば暖房効率が高まる。

サーキュライトは夏以外にも、冬にも活躍してくれそうです。

出典: ドラブロ

サーキュライトの公式サイトには、「夏は天井から扇風機のようにさわやかな風をそよがせ、冬は逆回転で冷気を吸い上げて、暖かい空気を足下へ」 と書かれています。

開発の背景


サーキュライトの開発経緯を見てみましょう。開発には困難が伴ったとのことです。

開発は予想外の難産だった。

日本の家屋は天井が低い。取り付けた時に圧を感じないよう、薄く仕上げるのに時間を要した。さらに女性でも扱いやすいよう、重さを従来のシーリングファンの半分以下に抑えることを追求。試作を重ね、発売までに約5年を要した。通常、企画から1年ほどで製品化する同社としては異例の長さだ。

強み


サーキュライトは取り付けやすく、また、サイズを薄くしたことで室内での圧迫感をなくしています。

最大の特徴は電球ソケットに差し込むだけで使えること。面倒な配線がいらない点が受け、口コミで人気を広げた。扇風機の置き場に困るトイレや脱衣所など、狭い場所にも設置できるのが強みだ。

5月に発売した EZ シリーズはわずか1.6キログラム。部品の一部をスチールから樹脂にするなど工夫を重ね、より軽く、よりコンパクトにした。ソケットの種類を問わず天井に穴を開けて支える必要がなくなり、顧客層は拡大。30 ~ 40歳代の家族のほか、一人暮らしの若年層からの購入が増えた。

学べること


ではここからは、サーキュライトに学べることを掘り下げていきます。

良いアイデアは使われてこそ


どんなに商品のアイデアが斬新で良いものでも、使われなければ意味はありません。

サーキュレーターとライトが1つになっていれば、確かに便利です。しかしパッと見て良いと思っても、取り付けが難しかったり、大きなサイズで設置場所が限られる、天井からの威圧感があっては、せっかくのアイデアも効果は半減します。

サーキュライトの売上が好調なのは、設置や扱う時に発生しそうな問題をあらかじめ解消しているからです。

  • 電球ソケットに差し込むだけで OK。天井に穴をあけたり、配線も不要
  • 軽いので女性でも天井に設置できる
  • 幅の大きさを薄くし (従来のシーリングファンの半分以下) 、天井からの圧迫感をなくした

お客さんが商品を買った後にどう使うかを配慮した設計になっています。リビングやダイニング以外にも、サーキュレーターを置くスペースがない脱衣所やトイレ、台所にも使えそうですよね。

お客が使う場面からはじめよう


では最後に、サーキュライトから学べることを整理してみましょう。

一言で表現すれば、学びは 「お客さんが使う場面を具体的に想定して、商品の価値が最大限に発揮される商品開発やマーケティングをしよう」 です。

売り手にとっては、売ることがゴールになりますが、買い手はそうではありません。買った時がスタートです。

買った後の設置や普段からの利用において、どれだけ手間や不便さをなくしておけるかが、アイデア商品がヒットする分岐点です。ここをしっかりと対応したから、サーキュライトは人気商品になったわけです。


まとめ


今回は風と光が融合した 「サーキュライト」 を取り上げ、商品開発やマーケティングに学べることを見てきました。

最後にまとめです。

✓ アイデア商品がヒットする分岐点
  • どんなに商品のアイデアが良いものでも、使われなければ意味はない
  • お客さんが買った後の普段からの利用において、どれだけ手間や不便さをなくしておけるかが大事
  • お客が使う場面を具体的に想定し、商品の価値が最大限に発揮される商品開発やマーケティングをしよう


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多田 翼 (運営者)

書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。