アーモンドミルクラーメン、聞いたことはありますか?
今回はこのユニークなラーメンを例に、価値提案の方法を解説します。
新しい価値の提案によって新規顧客の獲得だけではなく、さらには既存顧客にも効果があります。マーケティングの奥深さを一緒に学んでいきましょう。
✓ わかること
- グリコと野口太郎ラーメンのコラボで生まれたアーモンドミルクラーメン
- 狙いは新しい利用用途の拡大
- お客さんに魅力がある価値提案の方法
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
アーモンドミルクラーメン
出典: PR TIMES
ご紹介したいのは 「アーモンドミルクラーメン」 です。
江崎グリコがラーメン店の野口太郎ラーメンと連携し期間限定で提供しました (2023年1月23日から2月22日まで) 。
グリコが販売する飲料のアーモンドミルク 「アーモンド効果」 をスープに使い、麺、具材にもアーモンドを入れたラーメンを共同で開発した。
グリコの木村幸生執行役員は 「 (アーモンドミルクの) 料理への利用を広めていくことが、市場をさらに伸ばしていくファクターだ」 と話す。
学べること
ではアーモンドミルクラーメンから、マーケティングに学べることを掘り下げていきましょう。
新しい利用用途の提案
注目したいのは先ほどの引用した記事の中にあったコメントです。
グリコの執行役員の方がおっしゃっていた 「 (アーモンドミルクの) 料理への利用を広めていくことが、市場をさらに伸ばしていくファクターだ」 のところです。
グリコにとってアーモンドミルクラーメンを出す意味合いは、自社商品の 「アーモンド効果」 の利用用途や利用シーンを新たに開拓する施策です。
アーモンド効果を飲料としてそのまま飲む以外に 「ラーメンのスープにも使える」 という提案です。さらにこれを機に、ラーメン以外の料理にもアーモンド効果を使ってもらうことを狙ってます。
新しい利用シーンを提案することでやってみる価値がありそうだと思ってもらえれば、「今まで飲料としてアーモンド効果を買っていなかった人」 が新規のお客さんになります。既存のお客さんの用途も飲料用に加えて調理用に使ってもらえれば1人当たりの購入量が増加します。
お客さんに受け入れられる提案
とはいえ提案する新しい用途が今までの使い方と違いすぎると、お客さんには唐突感があり受け入れられにくいです。もしグリコが単独でアーモンド効果をラーメンスープに使う提案をしたなら、本当においしいのかと身構えてしまうのではないでしょうか。
そこで今回の事例のようにコラボが活きてきます。唐突にアーモンドミルクをラーメンのスープに使ってくださいだと 「?」 となりますが、有名ラーメン店と共同で開発し、いわば味にお墨付きがあるので新しい用途提案も自然に映ります。
期間限定の効果もありちょっと試してみたいと思えます。アーモンド効果を知らなかった人の認知獲得、食べてみたい・スープに使ってみたいという興味喚起、購入意向につながるのです。
お客さんが気づいていない価値を伝えよう
新しい用途提案には相手に唐突感を出しすぎないようにすることがポイントです。提案する新しい利用シーンをどうすれば自分ごと化してもらえるかです。
お客さんの立場になって相手の文脈に寄り添い、商品や利用シーンを提案しお客さんがまだ気づいていない価値 (今回ならアーモンド効果をラーメンに使うことで、おいしくて栄養もあるラーメンを食べられること) を伝えによう。これが今回お伝えしたいメッセージです。
まとめ
今回はアーモンドミルクラーメンを取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ お客さんへの新しい価値提案の方法
- 今までにない利用用途を提案することで新規顧客の獲得、既存顧客の1人当たり購入量の増加につながる
- お客さんの立場になって相手の文脈に寄り添うことで相手にとって自然な形で商品や利用シーンを提案し、お客さんがまだ気づいていない価値を伝えよう
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