出典: PR TINES
今回のテーマは、マーケターの役割です。
おもしろいと思ったボディケアブランドの事例を取り上げ、マーケティングに学べることを掘り下げます。
✓ わかること
- 敏感肌向けのニュートロジーナの売上が好調
- 社内の反対と、マーケターの見立て
- マーケターは市場やお客さんの代弁者であれ
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
敏感肌向けのニュートロジーナ
出典: PR TINES
売上が好調
売上は前年の同シーズンに比べて2倍とのことです。
ジョンソン・エンド・ジョンソン (J&J) コンシューマーカンパニーが8月に発売した敏感肌向けボディー用ローション 「ニュートロジーナ ノルウェー フォーミュラ インテンスリペア CICA (シカ) ボディ エマルジョン」 が好評だ。
敏感肌向け製品へのニーズが高いことを踏まえて日本向け製品を開発した。需要が高まる秋冬を前に既に2倍の売り上げを達成した。
社内の反対と説得
ニュートロジーナの敏感肌向けボディー用ローションは、発売前の想定よりも良い状況ですが、企画段階では社内では反対の声があったようです。
具体的には、先ほどの記事から見てみましょう。
「ニュートロジーナ」 は1930年に米国で誕生したブランド。70カ国以上で販売され、日本市場ではボディーケア製品をメインで取り扱う。青いボトルの 「乾燥肌用」 と赤いボトルの 「超乾燥肌用」 の2シリーズがあった。
同社が実施した調査では、赤みやかゆみが出るなど 「敏感肌向け」 の製品の使用者の半数が保湿力に満足していないことがわかった。さらに敏感肌向け製品の市場規模は年々伸びていた。
「既存シリーズの『保湿力』を維持しつつ敏感肌でも使えるボディローションを開発する必要があると提案した」 とマーケティング本部スキンヘルス アソシエイト ブランドマネジャーの平田晶さんは振り返る。
開発する上で大変だったのは社内の説得だ。既存の 「乾燥肌」 向けラインの売り上げを伸ばした後に 「敏感肌用」 に着手すればよいのではないかという意見が出たからだ。ブランドのコアバリューとして 「全ての肌悩みを医療品質の製品を手軽に使えることで解決する」 を打ち出しており、平田さんは 「敏感肌は増加傾向なのにここに着眼しないのはもったいない」 と説得。半年後にゴーサインが出た。
学べること
ではここからは、ニュートロジーナの事例から学べることを掘り下げていきましょう。
市場をわかっているのは誰か
敏感肌向けのニュートロジーナが出る前の社内の意見は、「従来の乾燥肌用を伸ばしてから、敏感肌の製品に手を着ければ良いのでは」 というものでした。
敏感肌向けを出すこと自体には反対はしていませんが、タイミングが早すぎるのではないかという意見です。
それに対してマーケターの見立ては違いました。チャンスは今で、調査などからの感触として、おそらく出すのが遅いくらいだと感じていたはずです。
マーケターの社内での役割
今回の話は、マーケターが社内でどうあるべきかに学びがあります。
結論から言うと、「マーケターは市場や生活者、お客さんの代弁者であれ」 です。
社内の意見がお客さんや市場の理解にもとづいていなければ、マーケターには社内に市場のことをしっかりと伝える役割があります。時には一時的に意見の対立が起こっても、マーケターは真っ向から戦ってでも、お客さんや生活者の今やこれからを社内に共有すべきです。
もちろん相手を論破することを目的にするのではなく、「社内の認識」 と 「市場の実態」 のギャップを埋めることを目指します。
社内で最も市場やお客さんをトータルで理解し、社内に市場の声を届けるのがマーケターなのです。
まとめ
今回はニュートロジーナの敏感肌用のボディローションを取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ マーケターの社内での役割
- 市場やお客さんの社内認識と、市場の実態にギャップがあれば、マーケターは解消しなければいけない
- 一時的に意見の対立が起こっても、マーケターはお客さんや生活者の今やこれからを社内に共有すべき
- マーケターは市場や生活者、お客さんの代弁者であれ
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