提供している商品やサービスは、お客さんの何を解決していますか?
顕在化しているニーズだけではなく、潜在ニーズや、未来のニーズに応えているでしょうか?
お客さんがまだはっきりとは自覚していないニーズを掘り当て、未解決の問題を解決することで、お客さんが本当に求めている 「価値」 をもたらすことができます。
今回は 「ニーズ」 をキーワードに掘り下げ、どうやってお客さんの期待を超えていくのかを紐解きます。
BtoB の営業力を高める5つのポイント
元キーエンスで、現在はカクシン CEO の田尻望 (たじりのぞむ) さんが 「営業力を高める5つの BtoB マーケ戦略」 を次のように示しています (参考記事はこちら) 。
- 提供するのは 「商品」 ではない。「問題解決」 だ
- 応えるべきは 「顕在ニーズ」 だけではない。「潜在ニーズ」 に着目
- 商品開発は目の前のニーズに応えれば OK ではない。「終わりの無いニーズ」 に価値がある
- 企業が提供すべきは 「導入事例」 ではなく、「成功事例」
- 新商品ができたら、全営業を投下すべきではない。「トップセールス」 に集中
注目したいのは、2つ目の 「顕在ニーズだけではなく潜在ニーズ」 、3つ目の 「終わりのないニーズに価値がある」 です。
今ある顕在化したニーズだけではなく、潜在ニーズ、さらには未来のニーズを発見し、解決することで価値をもたらす重要性です。顕在ニーズというすでに表出化した求めるものだけにとどまらず、奥や先にある望みを見出せるかです。
顕在ニーズの先にあるもの
顕在ニーズと潜在ニーズ
顕在ニーズとは、お客さんがすでに自覚し、具体的に求めているものです。例えば、作業効率化を図るための新しいツールや、手間を省くためのサービスなどがこれに該当します。
一方の潜在ニーズは、お客さん自身がまだ認識していない、深層心理にある欲求です。例えば、お客さんが気づいていない効率化の余地や、その解決策となる可能性のある新しいツールやサービスなどです。
未来のニーズ
ところでプロダクト開発では、「Product Market Fit (PMF) 」 という考え方があります。
PMF とは 「適切な市場を選択し、その市場でお客さんから受け入れられ、必要とされるプロダクトになっていること」 を意味します。
PMF をさらに一歩進めて、未来のニーズに応えていく 「Product "Future" Market Fit (PFMF) 」 が重要です。未来のニーズという、現時点ではお客さんの中でまだ明確になっていない課題感や解決策を先回りして提案するのです。
お客さんが本当に求めているもの
サプライズ感と新しい体験価値
お客さんが自分の求めることにすでに気づいている場合、ニーズに対応する商品への驚きは大きくはありません。サプライズ感はなく 「Wow!」 という感動は少ないでしょう。
それに対して、お客さんがまだ問題だとは思っていないことに気づきを与え、そこではじめて顕在化した課題への解決策としての商品を提示すると、新しい体験価値が生まれます。お客さんに対するワクワク感を示すことができます。
未解決の問題解決と提供価値
自分たちがお客さんに提供しているのは 「プロダクト (商品やサービス) 」 ですが、お客さんが本当に求めているのは商品・サービスを使うことでの 「問題解決」 であり、お金を払ってでもほしいと思う 「価値」 です。マーケティング視点ではこの捉え方が大事です。
顕在ニーズというすでに表に出ている欲求だけにとどまらず、奥にある潜在ニーズ、少し先の未来にあるニーズを見出し、応えて価値をもたらすことで、お客さんからの期待を超えられるのです。
まとめ
今回は 「ニーズ」 について掘り下げました。
最後にポイントをまとめておきます。
- 顕在ニーズはお客さんが自覚し具体的にすでに求めるもの。潜在ニーズはお客さん自身がまだ認識していない、深層心理にある欲求
- 未来のニーズにも目を向けるとい。Product "Future" Market Fit を実現するために、現時点ではまだ明確になっていない課題感や解決策を先回りして提案する
- お客さんが本当に求めているのは、商品・サービスを使うことで得られる 「問題解決」 や 「価値」 。潜在ニーズや未来のニーズを見出すことで、お客さんからの期待を超えた価値を提供しよう
マーケティングレターのご紹介
マーケティングのニュースレターを配信しています。
気になる商品や新サービスを取り上げ、開発背景やヒット理由を掘り下げることでマーケティングや戦略を学べるレターです。
マーケティングのことがおもしろいと思えて、すぐに活かせる学びを毎週お届けします。
レターの文字数はこのブログの 3 ~ 4 倍くらいで、その分だけ深く掘り下げています。ブログの内容をいいなと思っていただいた方にはレターもきっとおもしろく読めると思います (過去のレターもこちらから見られます) 。
こちらから無料登録をしていただくとマーケティングレターが週1回で届きます。もし違うなと感じたらすぐ解約いただいて OK です。ぜひレターも登録して読んでみてください!