投稿日 2024/04/20

新しさだけがマーケティングではない。これまでの活動を継続的に改善する重要性

#マーケティング #顧客起点 #提供価値

マーケティングにおいて、新しい手法や新しいアイデアを追い求めるのは、本当に大事なことなのでしょうか?もし実は間違っていたとしたら… 。

今回は、マーケティングで 「新しさに固執すること」 の落とし穴について掘り下げます。

効果的なマーケティング活動をいかにして継続的に改善し、売上を安定させるかを考察します。

マーケターは 「新しいこと」 にこだわるのをやめよう


マーケティングは、変化する市場環境の中で、お客さんを定め、商品をつくり、商品の魅力や企業のことをお客さんに適切に伝え、売上を最大化する活動です。

こうした活動の中でともするとマーケターには、「常に新しい手法やアイデアを考え、新しいことをやり続けなければいけない」 というプレッシャーがかかります。

確かに、市場は常に変化し、お客さんもそれによって変わり続けるので、新しいアプローチが求められるでしょう。しかし、必ずしも 「新しいこと」 に固執する必要はありません。

重要なのは、効果的なマーケティングを継続的に改善し、それを通じて売上を安定的に増やすことです。全く新しい施策をやらなくても、既存の成功している施策をを改善していくことで、成果を出せることもあります。

新しい手法を試すことは重要ですが、それ自体は目的ではなく手段なのです。


誰にとって新しいのか


売り手と買い手の認識のギャップ


マーケティング担当者が 「古い」 と感じるものでも、消費者や顧客は必ずしも飽きているわけではありません (その逆の売り手はまだ新しいと思っていても消費者は飽き始めているというのもありますが) 。

時には、お客さんの認知がまだ十分ではないために、実際のところはお客さんにとってはまだまだ潜在的な新しさや魅力がある場合もあるでしょう。マーケターの認識と消費者・顧客の実感には多かれ少なかれ乖離があるものです。

お客さんのニーズ、奥にある本当の望み、隠れた不満、何に価値を見出すかの価値観までを正確に理解すること、そして、こうした顧客理解にもとづいて 「新しさ」 が本当に意味があるのかがマーケティングにおいては重要なのです。

顧客起点での新しさの捉え方


何か新しいことをする際には、マーケティングの観点で大事なのは、その新しさを売り手の視点で捉えるのではなく、お客さんの立場に立って考えることです。

新しいことが売り手やマーケターにとって新しいのではなく、お客さんにとって新しいかどうかが重要です。そして何よりも、その新しさがお客さんにとって価値があるかどうかです。新しいアイデアや商品が市場に登場する際、その目新しさがお客さんにとってどのような意味を持ち、どんな価値提供になるかが大事です。

新しいことをする意義は、単に市場に変化をもたらすためではなく、お客さんに新たな体験や価値を提供することにあるからです。

顧客ニーズに応じた展開が大事


顧客ニーズや市場動向を把握し、それにもとづいて戦略や施策を適応することがマーケティングでは大事です。

お客さんが何を求めているのか、どのようなメッセージが相手に響くのかを見極め、それに合わせたコミュニケーションを展開することが、成功へのカギを握ります。

マーケティングにおいて 「新しいことをやり続けること」 へのとらわれから抜け出し、「効果的な施策を継続的に改善し、顧客ニーズに応じた戦略と施策を行うこと」 に目を向けるといいでしょう。これにより、マーケティングは事業の成長をより確実に支えることができます。


まとめ


今回はマーケティングにとっての 「新しさ」 について考察しました。

最後にポイントをまとめておきます。

  • マーケティングでは新しい手法やアイデアをやり続けることは必ずしも必要ない。新しさに固執するのではなく、効果的なマーケティング活動を継続的に改善し、売上を安定的に増やすことも大事

  • マーケティング担当者が 「古い」 と感じるものでも、消費者や顧客は飽きていないこともある。売り手の認識と消費者・顧客の実感にはギャップがあり、同じではない

  • 新しさを売り手の視点で捉えるのではなく、お客さんの立場に立って判断する。新しいアイデアや商品を市場に登場させる場合には、その新しさがお客さんにとってどのような意味を持ち、どんな価値を提供するかが大事


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。