投稿日 2021/10/11

プロポーズ応援プランに学ぶ、ビジネス機会発見からブランド化と収益化の方法


今回は、ビジネスの機会発見からブランドをつくり、収益化につなげる方法です。

この記事でわかること


  • ホテルや飲食店のプロポーズ応援サービス
  • サービスの狙い (考察3つ)
  • ① ライフイベント支援からのブランド構築
  • ② 顧客接点の時間的拡大
  • ③ 機会発見からの収益化
  • 学べること

この記事を読んでいただきたいと思うのは、商品・サービスの新しいアイデアや企画を考えたり作る役割にある方です。

プロポーズ応援サービスという事例から、ビジネスチャンスを見つけブランド構築や収益化につなげる方法を解説していきます。

他には、プロポーズ応援サービスに興味を持った方にも何か少しでも参考になればと思います。ぜひ最後まで読んでみてください。


プロポーズ応援プラン



この話は日経新聞の Web 記事を読んで知りました。

記事から一部を抜粋して引用しますね。

首都圏のホテルや飲食店が、プロポーズを新たな商機として様々なプランを打ち出している。コロナ禍で大がかりな結婚式や披露宴の自粛が続く中、想定以上の予約件数を集める。プロポーズで利用したカップルは挙式やその後の利用も見込めるとして、各地で集客を強化している。


 「婚約おめでとうございます!」。ホテルニューオータニ幕張 (千葉市) 内の教会前。扉が開いて出てきた男女を、大勢のスタッフがシャボン玉の演出で祝福する。

女性は 「わ~、びっくりした。ありがとうございます」 と驚きの表情を浮かべ、プロポーズに成功した男性はスタッフ一人ひとりにお辞儀。拍手の中、2人は手をつなぎ、照れ笑いしながら宿泊室へ向かった。

 (引用: 日経 2021.8.26)

記事にもあったホテルニューオータニのプロポーズプランはこちらです。


サービスの狙い


では、ホテルや飲食店などが新しく手がける 「プロポーズ応援プラン」 の狙いについて掘り下げてみます。

3つあります。


プロポーズ応援プランの狙い
  • ライフイベント支援からのブランド構築
  • 顧客接点の時間的拡大
  • 機会発見からの収益化


では順番に見ていきましょう。


ライフイベント支援からのブランド構築


1つ目の狙いはブランディングです。


そもそもブランドとは


マーケティングの文脈でのブランドとは何かですが、ブランドとは 「顧客からの好ましい感情が伴った商品やサービス」 です。商品・サービスを会社に置き換えれば企業もブランドになります。例えば Apple です。

好ましい感情とは、好き・共感・満足・誇り・憧れ・応援する気持ちです。こうした感情移入が深いほど強いブランドになります。

ブランドになっているほどお客に積極的に選んでもらえます。「これでいいかな」 のような消去法ではなく、「これがいい」 となるわけです。

ブランドとはお客さんの頭の中にできる価値イメージで、ブランドができるのは、つまり好ましい感情が生まれるのは、商品やサービスへの体験からです。


プロポーズ体験からのブランド化


ここで 「プロポーズ応援プラン」 に話を戻します。ホテルや飲食店でスタッフ総出で祝ってくれるプロポーズプランはカップルにとって一生の忘れられない体験です。幸せという感情がホテルや飲食店に結びつき、ブランドになります。

先ほどの日経の記事からの引用です。

ニューオータニの担当者は 「教会やレストランの利用を少しでも増やそうと始めたが、ずっと予約が埋まっており、想定以上の人気。ここで結婚を決めたカップルがコロナ後の挙式を決める例も増えており、十年単位のお付き合いになりそうだ」 と喜ぶ。

恋人に永遠の愛を伝えたいという思いは、コロナ下でも大きな 「自粛」 や 「延期」 とはなっていないようだ。

 (引用: 日経 2021.8.26)

以上がプロポーズ応援プランの1つ目の狙いで、ライフイベント支援からのブランド構築です。プロポーズ以降の結婚式や披露宴、結婚後の記念の日や普段からも利用してもらえ、末永い顧客になってもらえます。


顧客接点の時間的拡大


ホテルや飲食店のこれまでの結婚に関する提供サービスは、結婚式や披露宴でした。

プロポーズ応援プランは、結婚式よりも時間軸でもっと前の段階でサービス提供機会を見出し実現しました。

プロポーズという場に顧客接点 (サービス提供の接点) をつくり、かつ思い出に残るような体験をしてもらうことを新しいビジネスにしたわけです。マーケティングの観点で言えば、顧客接点の量を増やし、接点でのサービス体験という質も深いものにしました。

プロポーズ応援プランは、これまでよりも顧客接点の量と質の両方で拡大させました。


機会発見からの収益化


ここまで見てきたように、プロポーズ応援プランは結婚式や披露宴よりも時間軸の前でビジネスチャンスを発見したということです。

さらに3つ目の狙いとして注目したいのは、見出した機会発見を収益につなげています。

日経の記事によれば、プロポーズ応援プランの具体例として紹介されていたニューオータニの例では価格は4万円からとのことです。客単価は結婚式や披露宴には及びませんが、1つ目の狙いで見たように長い目で見てのブランド化も期待できるので、LTV (顧客生涯価値) の視点では4万円以上の収益を生み出します。

プロポーズというビジネスの機会を発見しただけではなく、機会発見からしっかりと収益化もできています。


学べること


では最後に、今回取り上げたホテルや飲食店のプロポーズ応援プランから、汎用化してビジネスに学べることを整理しておきましょう。

自社が能動的に選ばれるというブランド化、そして収益につなげるために、次のような問いかけから考えてみるといいです。


学べること (自分たちへの問いかけ)
  • 時間軸を引き伸ばし、自社の商品・サービスの利用やコミュニケーションの顧客接点を今よりも増やせられないか
  • 新しい顧客接点でどんな体験をしてもらえれば、好ましい感情を持ってもらえるか (ブランド構築)
  • 見出したビジネスの機会発見から、収益にどうつなげるか
  • LTV で末永い関係の顧客になってもらうにはどうすればいいか



まとめ


今回はホテルや飲食店が新しく展開しているプロポーズ応援プランを取り上げ、学べることを見てきました。

最後にまとめです。


プロポーズ応援プラン
  • ホテルや飲食店がプロポーズを新たな商機として様々なプランを展開
  • コロナ禍で大がかりな結婚式や披露宴の自粛が続く中、想定以上の予約件数を集めている
  • プロポーズで利用したカップルは挙式やその後の利用も期待できる


プロポーズ応援プランの狙い
  • ライフイベント支援からのブランド構築。一生の体験になり幸せという感情がホテルや飲食店に伴いブランドになる
  • 顧客接点の時間的拡大。結婚式よりも時間軸でもっと前にサービス提供機会を見出した
  • 機会発見からの収益化。長い目で見て LTV の観点で収益を生み出す


学べること (自分たちへの問いかけ)
  • 時間軸を引き伸ばし顧客接点を今よりも増やせられないか
  • 新しい顧客接点でどんな体験なら好ましい感情を持ってもらえるか
  • その機会発見から収益にどうつなげるか
  • LTV で末永い関係の顧客になってもらうにはどうすればいいか



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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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最も力を入れているのはニュースレターです。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。