投稿日 2023/01/13

はごろもフーズのマーケティング。商品が選ばれるための丁寧な理由づくり


今回は、おもしろいと思った 「はごろもフーズ」 の取り組みをご紹介し、マーケティングに学べることを掘り下げます。

✓ この記事でわかること
  • はごろもフーズの丁寧なマーケティング
  • 新しい 「食べるシーン」 の提案
  • マーケティングの本質から学べること

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

はごろもフーズの取り組み


はごろもフーズは、ツナの缶詰やパスタを主力とする食品大手ですが、はごろもフーズの後藤佐恵子社長のインタビュー記事を読みました。

価値訴求の方法


以下は記事からの引用です。

―― ツナの付加価値向上のため、どんなことに取り組みますか。

 「ツナの持つ価値を消費者に伝え日常的な購入を促すキャンペーンを始める。朝にたんぱく質をとるという意味の『朝たん』をキーワードに CM など販促活動を進める。ツナには良質なたんぱく質が豊富に含まれている。たんぱく質が不足しがちな若年女性やアスリートの補食に適するほか、高齢者のフレイル (身体能力の低下) 予防にもつながるとアピールする」 

―― 若者への価値訴求の具体策は。

 「使用するシーンの提案が重要だ。ツナは缶詰やパウチに入っているため持ち運びがしやすく、調理後のゴミも少ないため新型コロナウイルス禍で若者を中心にブームとなったキャンプでの調理に適している。雑誌などへの『キャンプ飯』のメニュー提案やキャンプ場でのサンプリングを通じて新たな客層を取り込んでいきたい。『パパッとライス』など当社の様々な商品をつかったメニュー提案を行うことで既存商品の売り上げ増も見込める」 

食べるシーンの提案


はごろもフーズのアプローチが興味深いのは、自社商品を買ってもらうのに 「下地づくり」 から丁寧にやっていることにあります。

先ほどの引用したインタビューにあったように下地づくりとは、

  • 朝たん (朝食にたんぱく質) を取ろうと呼びかけ → 朝食で自社ツナ缶を食べてもらう
  • キャンプ飯 → キャンプにツナ缶を持っていき、アウトドアで食べてもらう

自社商品の前に、食べてもらう具体的なシーンを提案しています。

これまではツナ缶があまり食べられなかった利用シーンを紹介し、「その時に、はごろもフーズのツナ缶はいかがですか」 とアピールしているわけです。


マーケティングとは


では、はごろもフーズの事例から学べることを一般化して、掘り下げていきます。

マーケティングの本質


あらためてマーケティングとは何かを言語化すると、マーケティングとは 「お客さんから選ばれる理由をつくる活動全般」 です。

自分たちの商品やサービスが偶然に選ばれるのをただ待っているのではなく、見込み客や既存客への働きかけから、選ばれる確率を意図的に高めるのがマーケティングの役割です。

選ばれる理由をつくろう


この文脈で 「はごろもフーズ」 がやっていることを見ると、選ばれる理由を段階的につくっています

まずは利用シーンや用途の具体例を示し (朝たん, キャンプ飯) 、その次に自社商品の提案という順番です。逆に言えば、いきなり商品の訴求をしてもお客さんには唐突感があると、商品は自分ごと化されずスルーされてしまいます。

一足飛びに商品の良さを伝えたい気持ちがあるのは、マーケターは誰でも同じです。しかしそこはぐっと抑え、自分たちが選ばれるための下地づくりから丁寧にやっていくといいです。


まとめ


今回は、はごろもフーズの取り組みをご紹介し、マーケティングに学べることを見てきました。

最後に学びのポイントをまとめておきます。

✓ 選ばれる理由のつくり方
  • マーケティングとは、お客さんから選ばれる理由をつくる活動全般
  • 自社商品・サービスが偶然に選ばれるのを待つのではなく、お客さんへの働きかけから選ばれる確率を意図的に高める
  • いきなりの商品の訴求に唐突感を生まないようにするために、まずは利用シーンや用途の具体例を示し、次に自社商品の提案という順番とする
  • 選ばれるための下地づくりから丁寧にやっていこう


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。