今回のテーマは戦略と指標です。
✓ この記事でわかること
- アップル引越センターの評価制度の見直し
- 新しい評価制度の狙い
- 戦略と指標の切っても切れない関係とは?
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
評価制度の見直し
アップル引越センターの社長へのインタビュー記事を読みました。
インタビュアーが質問した 「人手不足は厳しいなか、どう確保しますか」 に、社長は次のように答えていました。
「引っ越し業界は離職率が高い。採用が厳しいなか、やめさせないことが大切だ。評価制度を見直したい。
例えば、トラックをバックさせる時に誘導員をつける、巻き込み確認をするといった当たり前のことをやっているということを評価したい。当たり前のことをしていないから事故が起きる。
当たり前のことをしたら評価され、モチベーションもあがるという流れにしていきたい」
何を評価するか
社長のコメントは 「指標をどう設定するか」 に示唆があります。
アップル引越センターは評価制度を見直すことで、「当たり前のことをやると会社としてちゃんと評価する」 という方針にしたいわけです。
当たり前のこととは、引越トラックをバックさせる時にはもう1人が後ろで誘導する、巻き込み確認をするなどです。やっている人は意識しなくても自然とやっていることでしょう。
一方で、やらなくてもお客さんからクレームが来ることはなく、自分が損をするわけでもないので、1回でも怠ると次第にやらなくなってしまうようなことです。
しかし会社全体で当たり前かつ大切なことを手抜きするのが常態化すると思わぬ事故につながったり、お客さんへの不備、従業員のモチベーション低下や離職を引き起こしてしまいます。
そこで評価制度を見直し 「当たり前のことをやる人を、会社としてしっかりと評価をする」 という方針にしていくわけです。これは会社から従業員へのメッセージでもあります。
戦略と指標
今回の話からの学びは 「戦略や方針を決めたら、評価指標も定めよう」 です。
指標をつくり測ることで、実行した戦略が機能しているかがわかります。
評価指標は戦略を現場や組織のメンバーに浸透させる役割もあります。指標によって評価されることは良くも悪くも人の関心を集め、行動を方向づけます。
戦略と指標が一致していれば、指標は戦略を進める促進剤になります。
マーケティングでも同様です。マーケティングの目的があり、目的達成のために戦略がつくられます。マーケティング戦略や方針が機能しているかを見たり、戦略実行を促すのがマーケティング指標の役目です。
戦略と指標は切っても切れない関係にあり、戦略をつくったら評価指標までセットにして持っておくといいです。
まとめ
今回はアップル引越センターが評価制度を見直すという話から、戦略やマーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ 戦略と指標
- 評価指標は良くも悪くも人の関心を集め、行動を方向づける
- 戦略を測る指標は、メンバーや現場に戦略の意味合いを浸透させる役割を果たし、実行と達成への促進剤になる
- 戦略をつくったら評価指標まで落とし込もう
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