投稿日 2023/01/24

八芳園のイベント施設 MuSuBu 。新規事業を成功させるポイント

出典: MuSuBu

今回のテーマは 「新しい取り組みを成功させるにはどうすればいいか」 です。

おもしろいと思ったイベント施設事業を取り上げ、学べることを掘り下げます。

✓ この記事でわかること
  • 八芳園のイベント施設 MuSuBu
  • 人気の秘密は既存事業の資産の有効活用
  • 奥にある共通点とは?
  • 新しい取り組みを成功させるポイント

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

八芳園のイベント施設 MuSuBu


出典: MuSuBu

ご紹介したいのは老舗結婚式場が運営するイベント施設です。名前は 「MuSuBu」 といいます。

全国の自治体がこぞって出展を希望するイベントスペースが高級住宅街の東京・白金台 (しろかねだい) にある。老舗結婚式場の八芳園 (東京・港) が運営する 「MuSuBu」 だ。

特産品の販売や地元食材を使ったオリジナル料理の提供はもちろん、オンライン配信もできる。自治体が自前で運営するアンテナショップとはひと味違った情報発信拠点として半年先まで予約が入るほど人気だ。

MuSuBu はイチョウ並木沿いにおしゃれなカフェやレストラン、ショップなどが立ち並ぶ 「プラチナ通り」 と呼ばれる外苑西通りに面している。ガラス張りのビルの1階は物販とカフェ、2階はイートインやイベントスペースとして利用できる。2020年8月のオープン以来、全国の自治体の多彩なイベントを週替わりで開催してきた。

立地の良さを活かしたイベント施設


MuSuBu は八芳園のメイン事業である結婚式場の資産を有効活用しています。

その1つが立地の良さです。場所は東京の高級住宅街である白金台です。敷地面積は約3万3000平方メートル、日本庭園や料亭もあります。八芳園はかつては年間の挙式数日本一になったこともある由緒あるところです。

このような場所で格式高い雰囲気のあるイベント施設に出展できるので、出展者は普段はアプローチできない人たちに買ってもらえる機会が得られます。

婚礼事業スタッフの企画力


MuSuBu は立地の良さというハード面に加えて、ソフト面でも既存事業の資産を活かしています。

結婚式場という既存事業から異動してきたスタッフが企画力を発揮し、活躍しているとのことです。

MuSuBu の運営スタッフは婚礼事業から異動したスタッフが大半だ。挙式するカップルの希望をかなえるように、出展自治体のニーズをくみ取って企画内容やオリジナルメニューを練り上げていく。

物販や飲食だけでなく、果物や野菜の生産者と MuSuBu をオンラインで結んだり、セミナーなどの様子をライブ配信したりと情報発信の仕方にも気を配る。立地の良さに加え、こうしたきめ細かいサポートが評判を呼び、既に23年2月まで予約が埋まっているという。

学べること


ではここから後半は学べることを掘り下げていきましょう。

MuSuBu の話からは新しい取り組みを成功させるためのヒントがあります。

既存事業の資産を活かす


MuSuBu ではもともとの立地の良さ、婚姻事業のスタッフの企画力を活かしたことで出展者にとって他にはない魅力的なイベント施設になっています。

既存事業である結婚式場の資産を活かしての新しい取り組みです。全くのゼロからイベント施設事業を立ち上げるよりも今あるハード資産、人やノウハウなどのソフト資産も有効に使っています。

 「らしさ」 を出す共通点


MuSuBu で注目したいのは、一見すると結婚式場とイベント施設で両者はやっていることは違いますが、奥には共通点があることです。

共通する本質は 「何かと何かの縁を結ぶこと」 です。結婚式は人と人や家族同士の縁、イベント施設は出展する自治体・企業と来場する消費者です。

新しい取り組みを成功させるポイント


学びを一般化して表現をすると、新しい取り組みには今まで自分たちがやってきたこと、持っている資産、大切にする価値観や込める想い・志を入れるといいです

軸となる共通点があることで新しい取り組みに 「自分たちらしさ」 が生まれます。「らしさ」 には様々な要素があります。ハードやソフトの資産、企業風土やミッションなどのアイデンティティまでです。

新しいことにゼロからのスタートであっても、「今ある資産を活かせられないか」 を意識してみるといいです。これが 「点と点がつながる」 ということです。


まとめ


今回は八芳園のイベント施設 MuSuBu を取り上げ、学べることを見てきました。

最後に学びのポイントをまとめておきます。

✓ 新しい取り組みを成功させるポイント
  • 新しい取り組みには今まで自分たちがやってきたこと、ハードとソフトの資産、大切にする価値観や込める想い・志を入れるといい
  • これら奥にある共通点が 「自分たちらしさ」 を生み出す
  • 新しい取り組みに 「今ある資産を活かせられないか」 を考えてみよう


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。