出典: PR TIMES
今回のテーマは、顧客理解です。
おもしろいと思った D2C スニーカーブランドの取り組みをご紹介し、マーケティングに学べることを掘り下げます。
✓ この記事でわかること
- D2C スニーカーがポップアップショップを展開
- 店内の自販機の 「裏目的」 とは?
- 二種類の新規顧客
- 学べること
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
D2C スニーカー 「GO WITH WHITE」
こちらの記事を読みました。
スニーカー D2C がポップアップに挑戦 - 購入者の9割がサブスク加入|日経クロストレンド
ポップアップショップを展開
出典: PR TIMES
以下は記事のリード文です。
白スニーカーの D2C ブランド 「GO WITH WHITE」 。2021年5月の立ち上げ以来、EC をメインに展開してきたが、初のポップアップショップを期間限定で出店した。
「当初はリアルで販売する必要はない」 と考えていた同ブランドが、リアル店舗設置を選んだ狙いとその成果を聞いた。
GO WITH WHITE が2022年4月29日から5月7日の期間で、ブランド初となるポップアップショップを渋谷でオープンしました。9日間で約2000人が来店し、目標販売数の2倍以上を売り上げたとのことです。
店内自販機の役割
興味深かったのは店内に置いた自動販売機でした。
出典: 日経クロストレンド
来店したお客さんは、自販機からステッカーなどのノベルティグッズがもらえました。
中でもユニークなのは、店内に自販機を設置し、ノベルティーを配布したことだ。
来店客は、自販機のパネルに記載された2次元コード (QR コード) を読み取り、GOWW の LINE 公式アカウントを友だち登録すると、店頭スタッフから自販機専用コインを渡される。
これを自販機に入れると、GOWW のステッカーやシューケアグッズなど全6種類のグッズから選んで好きなものを1つもらえる。ランダムボタンを押すと、自身のサイズに合った GOWW が当たるチャンスもある。
来店客には、ステッカーやシューズケアのグッズが自販機からもらえるというお得感があったわけですが、注目したいのは、自販機にはもう1つの裏目的と言える狙いがあったことです。
自販機がポップアップショップでどんなお客さんを獲得できたかの 「データを取る役割」 も果たしました。
一見すると、来店客を楽しませる企画のようだが、役割はそれだけではない。
真の狙いは、ポップアップショップ経由の新規顧客の把握だ。自販機に記載した2次元コードはポップアップショップ専用のもの。そのため、それが読み込まれ友だち登録された数が、ポップアップショップで得られた新規顧客と判断できる。
「自販機の2次元コードからどれだけ LINE の友だちが増えたかが分かるので、今回のポップアップショップでどれほどつながりがつくれたかがデータとして得られる。(普段展開している) EC と店舗の効果をしっかり分けて分析できる仕組み」 と林氏 (D2C 支援事業の SUPER STUDIO の CEO 林紘祐氏) は説明する。
学べること
今回の事例から着想を広げて掘り下げたいのは、「自分たちのお客さんは誰か」 を理解する重要性です。
新しいお客さんは増えたのか
白スニーカーの D2C ブランド 「GO WITH WHITE」 がポップアップショップを出したのは、それまでの EC 販売では届かなかった見込み客との顧客接点をつくり、新たに販売機会を増やすためです。
だからこそ、ポップアップショップによって新しいお客さんをどれだけ獲得できたのか、増やせた新規顧客はどういう人たちなのかが重要になります。そこで GO WITH WHITE は店内にノベリティグッズを配布する自販機を設置し、自販機に顧客データを収集する役割を持たせました。
二種類の新規顧客
データを取ることで、新規のお客さんとはどういう人たちかが見えてきます。
大きくは2つで、
- EC サイトでのユーザーや会員とは全く違う属性の人たち
- もともとの会員は同じような人たち
前者はそれまでのターゲットユーザーとはそもそも異なり、ターゲット外から新しく獲得できたお客さんです。後者なら、ターゲットユーザーの中から新たに増やせたことになるので、「ターゲット内の自社シェア」 を高められたということです。
学びのまとめ
顧客理解が重要だと書きましたが、お客さんのことを理解して終わりではありません。まだ道半ばです。
顧客理解にもとづいて、お客さんが求めるニーズを満たす商品や打ち手に転換することが必要になります。「売り物」 と 「売り方」 に顧客理解を反映させるわけです。
一口に新規のお客さんと言っても先ほど2つに分けたように、ターゲット外の全くの新規顧客なのか、それともターゲット内から増えたかによって、両者は求めるニーズが違う可能性があります。
「自分たちのお客さんは誰か」 と 「何がお客さんにとって価値になるのか」 。この2つは常に持っておきたい問いかけです。
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