投稿日 2023/01/12

ファーストキッチンが顔認証決済を導入。顧客理解からのビジネスモデルの進化


今回のキーワードは2つで、ビジネスモデルと顧客理解です。

おもしろいと思ったファーストキッチンの取り組みをご紹介し、マーケティングに学べることを掘り下げます。

✓ この記事でわかること
  • ファーストキッチンが顔認証決済を導入
  • ビジネスモデルの進化
  • すべての起点は顧客理解

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

ファーストキッチン


今回取り上げたいのは、ファーストキッチンの取り組みです。

実験的に顔認証決済を導入していくとのことです。

顔認証決済を導入



以下は、日経新聞の記事からの引用です。

ウェンディーズ・ジャパン傘下で 「ウェンディーズ・ファーストキッチン」 などを手がけるファーストキッチン (東京・新宿) が顔認証決済の実証実験を進めている。

2021年12月に3店舗で始めたが、足元では13店舗で取り扱う。決済を通じて集めた顧客データを生かし、将来的には商品開発やリピート利用につなげたい考えだ。

実証実験の中身


まずは、一部の店舗に限定して実験的にやっていくようです。

実証実験の中身を続けて見てみましょう。

実証実験で取り組むのは顧客の顔をカメラで認識することで支払いが完了する仕組みだ。顧客は事前にオンラインサイトで顔写真、電話番号、クレジットカード情報などを登録する必要がある。決済手段はクレジットカードかファーストキッチンのプリペイドカードの2種類だ。

店頭のセルフレジにある認識カメラに顔をかざすと、顔認証決済専用のメニュー一覧が表示される。メニューを選んだ後に表示される決済手段の選択肢のうち、顔認証決済を選び、再度顔認証で支払いが完了する。

顧客データの収集


ファーストキッチンの顔認証決済が興味深いのは、お金を支払う決済システムとしてだけではなく、同時にお客さんのデータを集めているところです。

有人レジでは顧客の性別や年代などの属性データを店員が推測して入力しているが、セルフレジでは顧客属性のデータがとれなかった。

顧客が顔認証決済を利用する場合には会社側は顔認証決済を通じて顧客の顔を含む上半身のデータを取得し、来店者の性別や年代などのデータを推定して取得する。

収集するデータをどう活用しているかと言うと、

同社の紫関修社長兼最高経営責任者 (CEO) は 「向こう3 ~ 5年のうちに顧客にお薦めのカスタマイズを提供する仕組みを整えたい」 と語る。いつも顧客が注文する傾向をデータとして蓄積することにより、ピクルス抜きやアレルギー対応など顧客に応じたお薦めメニューを提示する仕組みの実現を視野に入れる。

どういった顧客層がどのような商品を好むかを把握することで新たな商品の開発にもつなげる方針だ。同様の性別や年代の顧客が注文しがちなメニューをお薦め表示するといった取り組みも視野に入れ、客単価の向上を狙う。

新型コロナウイルス下でビジネス客の客足回復が遅れているが、顧客に合わせたクーポン配信の仕組みが整えば客足の回復も見込める。紫関社長兼 CEO は 「顔認証決済限定のクーポンの配信などで、利用率を高めていきたい」 と語る。新型コロナ下で顧客と従業員との接触機会を減らしながら、顧客の平均レジ待ち時間の短縮につなげる効果も見込む。

学べること


ではここからの後半は、今回の事例から学べることを掘り下げていきます。

2つのポイントで見ていきます。

✓ 学べること
  • ビジネスモデルの進化
  • 顧客理解の重要性

ビジネスモデルの進化


1つ目に深掘りしたいのは、ビジネスモデルです。

一般的にファストフードのビジネスは効率を重視し、そのためにはマニュアルを作るなどの対応をしますよね。どのお客さんも一律に扱い、個々での対応は非効率になるのでやっていません。その分だけ商品を安く早く提供しています。

顔認証決済はこのビジネスモデルを進化させるポテンシャルを秘めています。

ファーストキッチンでの顔認証決済によって、1人ひとりに合ったおすすめ商品を提供したり、お客さんの要望を自動的に汲み取りオーダーメイドで商品を出せるようになるはずです。

顔認証によって決済を自動化する効率性を高めつつ、お客さんごとのカスタマイズまでできるわけです。

お客さんの理解があってこそ


顔認証決済でオーダーメイドを効率よくできるのは、顧客データをとっているからこそです。

お客さんのデータから 「誰が何を買ったか」 がわかるようになります。

従来は店員が対応するレジでは 「誰が」 はわかりませんでした。個々の店員は目の前のお客さんを見てはいて、人によってはお客さんを覚えているかもしれません。しかし、全ての店舗から 「誰が何を買ったか」 までは集められません (一部のアプリからの注文決済はできます) 。

顧客のデータを取り、的確な情報に変え、商品開発やマーケティング、時にはビジネスモデルも進化させる。起点になっているのは顧客理解なのです。


まとめ


今回はファーストキッチンの顔認証決済を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。

最後にまとめです。

✓ 顧客理解の重要性
  • どんなビジネスも 「お客さんの理解」 から始まる
  • 人の手で集めるには限界があるので機械も使い、顧客のデータを取る
  • データを的確な情報に変えての顧客理解から、商品開発やマーケティング、時にはビジネスモデルも進化させよう


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。