今回は、ドラッカーの本からマーケティングとは何かを掘り下げます。
✓ この記事でわかること
- ドラッカーの 「現代の経営」
- ビジネスで最初に考える問い
- お客さんが価値だと思うものは何か
- フォーカスすべきは 「誰か」 と 「何を」
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
顧客は誰か
ご紹介したいのは、現代の経営[上](P F ドラッカー, 上田惇生) という本です。
この本には、あらゆるビジネスに当てはまる 「問いかけ」 が書かれています。
それは 「顧客は誰か」 です。
本書から該当箇所を引用します。
われわれの事業は何かを知るための第一歩は、「顧客は誰か」 という問いを発することである。「現実の顧客は誰か」 「潜在的な顧客は誰か」 「顧客はどこにいるか」 「顧客はいかに買うか」 「顧客にいかに到達するか」 を問うことである。
マーケティングでも同様で、マーケティングの戦略や活動をしていく時に最初に問うべきなのは 「自分たちのお客さんは誰か」 です。
お客さんが得ているもの
「顧客は誰か」 と、もう1つ重要なのが 「お客さんに何を提供するか」 です。
表面的には自社が提供する商品やサービスが 「何を」 に当たります。
ドラッカーはここをさらに掘り下げて、次のように指摘しています。
企業が何かを決定するのは顧客である。財やサービスへの支払いを行うことによって、経済的な資源を富に変え、ものを商品に変えるのは顧客だけである。
企業が自ら生み出していると考えるものが重要なのではない。特に企業の将来や成功にとって重要ではない。顧客が買っていると考えるもの、価値と考えるものが重要である。企業が何であり何を生み出すかを規定し、企業が成功するか否かを決めるのは、それらのものである。
顧客が企業の土台として企業の存在を支える。顧客だけが雇用を創出する。社会が企業に資源を託しているのは、その顧客に財とサービスを供給させるためである。
引用の中にあった 「企業が生み出しているもの」 は商品やサービスのことです。
ドラッカーはこれは重要ではないと言っていて、大事なのは 「顧客が買っていると考えるもの」 と 「価値だと考えるもの」 であると書いています。
商品がもたらす価値
売り手にとっては、商品やサービスが 「お客さんに売っているもの」 です。
一方の買う側のお客さんの認識は、必ずしもそうではありません。
確かに商品を買っていますが、本当に望んでいるのは、「商品を使うこと・持っていることで得られる価値」 なのです。機能的な価値に加え、うれしい・楽しい・誇らしいなどの感情的な意味的価値です。
お客さんにとって商品とは価値を得るための 「手段」 です。ドラッカーの言う 「顧客が買っていると考えるもの」 や 「価値だと考えるもの」は、手段の先にあります。
価値が他の商品では得られないもので便益が高いほど、お客さんはお金を払ってでも欲しいと思うものになるわけです。
「誰に」 と 「何を」 (まとめ)
マーケティングで大切なのは、「誰に」 「何の価値を」 の2つに答えを出すことです。
ドラッカーの言葉で表現すれば、
- 顧客は誰か
- 顧客が価値と考えるものは何か
この2つの問いは、マーケティングにおいて常に持っておくべきものです。
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