出典: PR TIMES
今回のテーマは 「ライトユーザーや新規ユーザーのロイヤルティをどうやって高めるか」 です。
おもしろいと思ったダンスレッスンアプリから、顧客ロイヤルティを上げる方法を掘り下げていきましょう。
✓ わかること
- プロダンサーと AI のダンスレッスンアプリ 「iNSYNC. (インシンク) 」
- ダンス初級者の 「不」 、ユーザーへの提供価値
- 上級者情報の初級者への還元
- 顧客ロイヤルティを上げる方法
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
iNSYNC. (インシンク)
出典: PR TIMES
AI を使ったオンラインダンスレッスンのアプリ
インシンクは AI とプロダンサーがダンスの習熟度や改善点を教えてくれ、練習方法や上達レベルが一目でわかるダンスレッスンアプリです。
アプリ開発を手掛けるスタートアップのワンアーカー (東京・渋谷) は、オンラインダンスレッスンサービス 「iNSYNC. (インシンク) 」 を開発した。
スマートフォンのカメラで踊っている自分の様子を撮影すると、人工知能 (AI) で動きを数値化して分析する。プロのダンサーなどからアドバイスも受けられ、個人や学校などへの導入をめざしている。
インシンクの紹介動画はこちらです。
サービスの中身
出典: TechBiz
インシンクのサービスの中身を詳しく見てみましょう。
動きの数値化では 「ボディートラッキング」 と呼ばれる機能を使っている。頭や手、腰など体の16カ所を座標として捉えて動きを分析する。アプリにはプロのダンサーが踊った動画も収録されており、ユーザーとプロのダンスを並べて再生して比べることができる。
自分の動きがプロの動きと比べてどの程度合っているか AI が判断し、数値化して示す。ユーザーは、お手本との比較を参考にしながら練習することで自分が苦手なパートの上達につながる。
プロのダンス講師から直接フィードバックをもらえる機能も導入する。実際に踊っている動画を講師らに送り、課題点などを動画で解説してもらう。料金は1回5000円。2022年9 ~ 10月に試験導入し、100人近くが利用したという。
ユーザーへの提供価値
インシンクはアプリ内で自分とプロダンサーを並べてダンスの再生ができるようになっています。
ただなんとなく見比べるのではなくボディートラッキングで計測した頭や手、腰など体の16カ所が具体的にどうプロダンサーと違うのかがパッと見てわかります。さらにプロのダンス講師から直接フィードバックをもらえる機能も導入されるとのことで、より効率的にダンスに取り組めます。
自分の動きや上達が可視化されることでモチベーションが維持でき、ダンスをうまくなりたい思いを叶えてくれる価値があります。
学べること
ではインシンクから学べることを掘り下げていきましょう。
初級者の不
ダンス初級者にとっては自分の踊り方がうまくないと感じていても、では具体的にどこが良くないのか、何をどうすればプロダンサーのように自分も踊れるのかがわかりません。
結局やれるのは、うまい人のダンスを見てマネをして踊ることにひたすら時間を使うだけです。
ダンスをもっとうまくなりたいという情熱が続く人には乗り越えられますが、そうではない人は途中で挫折してしまいます。せっかくダンスに興味を持ったのに辞めてしまうのはもったいない話です。
この状況を問題だと捉え解決するのがインシンクなのです。
上級者の情報を初級者に還元
インシンクがやっているのは、プロダンサーというダンス上級者がやっていること・技術・ダンスへの姿勢や考え方をダンス初級者に共有していることです。今までは上級者の中にしか存在し出まわらなかった情報が初級者にも還元されているわけです。
AI も活用しながら細かく具体的に共有されることで、ダンス初級者にも自分のダンスの現状、ダンスの改善点、どうすれば練習すればいいのか、集中的に取り組んだ後の上達レベルが一目でわかります。
顧客ロイヤルティを上げる方法
インシンクの本質を 「上級者情報の初級者への還元」 と捉えれば、マーケティングにも応用できます。
商品やサービスのユーザーは様々な人がいます。愛着を持ったロイヤルユーザーや使用頻度の高いヘビーユーザーから、ライトユーザーや新しくユーザーになったばかりの人と多様です。
一般的に新規ユーザーやライトユーザーはまだ商品・サービスを使い慣れていなかったり、十分に良さを引き出せず価値を実感できていない状態にあります。
インシンクから学べるのは、ロイヤルユーザーが見出している商品価値、ヘビーユーザーの使い方をライトユーザーや新規ユーザーに共有することで、商品の利用を促し愛着を持ってもらう重要性です。
そのためにはロイヤルユーザーやヘビーユーザーのことを理解し、ライトユーザーに伝えればさらに魅力だと思ってくれる情報 (使い方, ノウハウ, 得ている価値) を抽出します。
上級者にしか持っていない情報をライトユーザーに還元することで、商品への魅力が高まり愛着が増していけば末永いお客さんになってもらえます。「上級者情報の初級者への還元」 を仕組みにできないかを考えてみるといいです。
まとめ
今回はダンスレッスンアプリの 「iNSYNC. (インシンク) 」 を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ ライトユーザーのロイヤルティを上げる方法
- ロイヤルユーザーやヘビーユーザーの理解から情報 (使い方, ノウハウ, 得ている価値) を抽出し、初級者へ還元してみよう
- ロイヤルユーザーの使い方や見出している商品価値をライトユーザーや新規ユーザーに共有することで、商品の利用を促し愛着を持ってもらえる
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