投稿日 2023/04/01

学習サービス 「Monoxer (モノグサ) 」 。知識は活用してこそ価値を生む

#マーケティング #価値 #PDCA

出典: Google Play

今回は知識は活用してこそ価値を生むという話です。

おもしろいと思った学習サービスから学べることを掘り下げていきましょう。

✓ わかること
  • 学習サービス Monoxer (モノグサ) のユニークな仕組み
  • 「記憶」 と 「テスト」 の逆転の発想
  • 知識は活用してこそ価値を生む
  • PDCA をうまくまわす方法

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

学習サービス Monoxer


出典: Monoxer

ご紹介したいのは学習サービスの 「Monoxer (モノグサ) 」 です (公式サイトはこちら) 。

導入事例を増やしているとのことです。

AI (人工知能) を使って記憶を定着させる学習サービス 「Monoxer (モノグサ) 」 を提供するモノグサ (東京・千代田) が、導入教室を急速に増やしている。児童生徒の記憶量を可視化し、指導者が効果的にサポートできる仕組みが評価される。

記憶を定着させるユニークな仕組み


モノグサという学習サービスのキーワードは 「記憶」 です。

学習した内容を記憶するためにどういった仕組みにしているのでしょうか?

スマートフォンやタブレットを使用し、利用者が出題される問題に答えると、その正誤情報や回答結果によって AI が記憶の有無を判断。過去の回答傾向から記憶の忘却速度も算出し、利用者が最も効率的に記憶できるようカスタマイズした問題を自動で作成する。

一般的に、教科書を読んで覚える、問題を解く、映像授業を視聴するといった学習方法では、自分が本当に理解できたかどうかを明確に判断するのが難しい。テストで確認しようにも、問題の数字を変えられただけで手が止まることもあり、返却された答案を復習しても弱点を克服したかどうか確認するすべはない。つまり、理解したかどうかの判断は非常に曖昧だった。

Monoxer は理解ではなく 「記憶」 という観点で物事を考える。知識やその使い方をすべて記憶として捉え、覚えているか覚えていないかをシンプルに判断。パーソナライズされた教材を使用することで、覚えている単元は飛ばし、覚えていない単元を集中的に取り組むといった、効率的な学習ができるというわけだ。

テストをして覚えるのが理想


モノグサで興味深いのは 「記憶を定着させること」 と 「テストを受けること」 の位置づけを逆転させていることです。

 「記憶を使える状態にするには、学習の進め方を3段階に分けて考える必要がある」 と話すのは、モノグサ CEO (最高経営責任者) の竹内孝太朗氏。

3段階とは 「理解」 「定着」 「活用」 のことだ。「理解とは、分かった気持ちになっている状態。定着は、理解した記憶をいつでも正しく引き出せる状態。活用は、記憶を使うべきときに思いつく状態、と定義する。この3段階がすべてそろって初めてテストで得点が取れる」 と考える。

Monoxer の強みは 「定着」 にある。解いて覚えるというコンセプトの下、問題を解かせることではなく、記憶を思い出す作業を定着させるのが目的だ。「思い出すことを繰り返した方が、答えを眺めているより長期記憶化しやすいといわれる。覚えてテストするよりは、テストで覚えていく感覚が理想」 (竹内氏) 。記憶の定着をサポートすることで、必要なタイミングで活用しやすく、得点力アップにつながる。

記憶とテストについて、一般的な認識とモノグサの捉え方を比べてみると違いがよくわかります。

✓ 捉え方の違い
  • 一般的な認識: しっかり記憶をしてテストを受ける → テストで良い点数を取るために記憶する
  • モノグサ: テストをすることで記憶を定着させる → 記憶をするためにテストを受ける

モノグサは記憶とテストの主従関係を入れ替え、手段と目的の逆転がおもしろいです。


学べること


ではモノグサから学べることを掘り下げていきましょう。

知識は活用してこそ価値を生む


モノグサで注目したいのは 「覚えてからテストをするよりは、テストを受けて記憶していく」 というアプローチです。 覚えてから使うのではなく、使いながら覚えていくわけです。

テストは習熟度の評価をするためだけではなく、活用の場と位置づけています。

ビジネスでも同様で示唆があります。

例えばマーケティングの理論やノウハウ、事例のインプットだけで満足していないでしょうか。頭に入れることも重要ですが、知識は仕事の実務で使ってこそ価値を生み出します

単に知っている状態では不十分です。やろうと思えばできる、さらに意識しなくても自然と使える状態が理想です。

PDCA への示唆


ビジネスで有名なフレームに PDCA ありますが、モノグサの仕組みは 「PDCA をうまくまわす方法」 にもヒントがあります。

Plan, Do, Check, Act において1つ目の Plan の完成度を上げようとしすぎると2つ目の Do が遅れ、いつまでたっても実行できない弊害が起こります。

モノグサのテストをしながら覚えていくアプローチを PDCA に当てはめれば、「ある程度できた Plan は並行して Do をやりながら磨き上げていく」 ということです。モノグサからは学べるのは実行を早めに移す重要性です。


まとめ


今回は学習サービスのモノグサを取り上げ、学べることを見てきました。

最後に学びのポイントをまとめておきます。

✓ 知識は活用してこそ価値を生む
  • マーケティングの事例やノウハウを頭に入れることも重要だが、知識は仕事の実務で使ってこそ価値を生む
  • PDCA も同じ考え方をするといい。ある程度できた Plan は Do をやりながら磨いていく
  • インプットで終わらずアウトプットへ、計画や仮説を立てたら早めに実行に移そう


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。