投稿日 2023/04/22

顧客の心をつかめ! 「リステリン トータルケア 緑茶」 のマーケに学ぶ新規顧客獲得の秘訣

#マーケティング #新規顧客獲得 #価値提案

出典: PR TIMES

どうすれば新しいお客さんを獲得できるでしょうか?

今回は、ジョンソン・エンド・ジョンソンが発売したマウスウォッシュの新商品 「リステリン トータルケア 緑茶」 の成功事例をもとに、新規顧客獲得の秘訣を紐解いていきます。

この記事を読めば、あなたのビジネスにも活かせるマーケティングが見えてくるはずです。その秘密とは何か、一緒に探っていきましょう。

✓ わかること
  •  「リステリン トータルケア 緑茶」 の売上が好調
  • カギは未顧客と環境を理解しての新しい提案
  • 新しいお客さんを獲得する方法

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

リステリン トータルケア 緑茶


出典: PR TIMES

売上が好調


目標を越え好調な売上とのことです。

ジョンソン・エンド・ジョンソン (J&J) コンシューマーカンパニーが2022年8月に発売したマウスウォッシュ 「リステリン トータルケア 緑茶」 が好調だ。

刺激を抑えながら、日本人の 「緑茶」 への関心の高さを踏まえて日本向け製品を開発した。売上高は非開示だが、目標の1.3倍ほどで推移しており、新商品としては出足好調な売れ行きという。

未顧客の理解


開発の背景で注目したいのは、マウスウォッシュを 「使っていない人」 や 「以前は使っていたが買わなくなった人」 を理解したことです。

出典: PR TIMES

マウスウォッシュを使用したことがない人や途中で使用を中止した人を対象にした同社の調査では、回答者の5割が刺激の強さや味を原因に挙げた。「使いやすくて殺菌力があるものを開発し、より多くのかたにリステリンを受け入れてもらうためにどうしたらよいのかを考えた」 と開発を担当したブランドマネジメント部シニアブランドマネージャーの亀田真穂氏は話す。

新型コロナ流行の影響もあり、インターネット上で 「緑茶」 というキーワードが 「健康」 「殺菌」 などのワードと合わせて検索されることに着目した。「緑茶の殺菌効果への関心が高まっていることから、ミント系ではなく『緑茶』味にすることにした」 (同社) 。

学べること


では 「リステリン トータルケア 緑茶」 から学べることを掘り下げていきましょう。

新しいお客さんをどうやって獲得するかに学びがあります。

新しいお客さんの獲得


今までと同じことをやっても未顧客の人が買ってくれることはありません。未顧客の人たちには買わない理由があり、少なくとも買いたいと思わない何かがあるからです。

 「リステリン トータルケア 緑茶」 の開発では、マウスウォッシュを使用したことがない人や途中で使用を中止した人を対象にした調査を行いました。わかったのは回答者の5割がマウスウォッシュの刺激の強さや味を原因で買っていなかったり使うのをやめたということです。

こうした未顧客理解を踏まえ、買っていない人に欲しいと思ってもらうために今までにはない新しい提案をすることがカギになります。

世の中のトレンド変化の理解


新しい提案のためにはお客さんの置かれた環境を理解することも大事です。

 「リステリン トータルケア 緑茶」 の開発背景には、世の中の緑茶に対するイメージの変化がありました。検索キーワードで 「緑茶」 が 「健康」 や 「殺菌」 と組み合わせて使われているのが増えているという事象です。

世の中のトレンド変化が自分たちにとって何を意味するかを捉え、ビジネス機会に変えたわけです。

新しい価値の提案


 「リステリン トータルケア 緑茶」 は、これまでマウスウォッシュを使っていなかったり、かつて使っていた人への 「マウスウォッシュの新しい価値提案」 です。

マウスウォッシュでは主流のミント系の味ではなく緑茶味にしました。刺激を少なくし、健康や殺菌のイメージとつなげた今までになかったマウスウォッシュです。

新しい価値提案のもとになっているのは 「未顧客と世の中のトレンド変化の理解」 です。未顧客理解と環境変化の把握をかけ合わせています。

生活者と環境の新しい現状を把握したことで、「リステリン トータルケア 緑茶」 は想定するターゲット顧客の文脈に寄り添う商品になりました。新しいお客さんにとっては欲しいと思えるマウスウォッシュです。


まとめ


今回は 「リステリン トータルケア 緑茶」 を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。

最後に学びのポイントをまとめておきます。

✓ 新しいお客さんを獲得する方法
  • 未顧客の人たちにとっては 「買いたいと思わない何か」 がある
  • よって、買っていない人に欲しいと思ってもらうためには新しい提案が必要。そのために未顧客を理解し世の中のトレンド変化も把握する
  • ターゲット顧客の文脈に寄り添った新しい価値提案をしよう


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。