投稿日 2023/04/30

日本郵便の高齢者見守りサービス。独自資産と強みを活かすマーケティングの秘訣

#マーケティング #強み #価値提案


今回は、日本郵便が展開する高齢者見守りサービスを取り上げます。

独自性や強みを活かしたこの日本郵便のサービスには、マーケティングや戦略の視点で学びが得られます。ビジネスに活かせるヒントを一緒に見つけていきましょう。

✓ わかること
  • 日本郵便の高齢者見守りサービス
  • 独自資産と強みを活かした事業
  • バリュープロポジションを実現させた事例
  • マーケティングの役割

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

日本郵便の高齢者見守りサービス


ご紹介したいのは日本郵便がやっている高齢者見守りサービスです。

Alexa を搭載


サービスの特徴はアマゾンの AI である 「Alexa (アレクサ) 」 を使っていることです。

日本郵便が米アマゾン・ドット・コムの音声人工知能 (AI) 「アレクサ」 を搭載したスマートスピーカーを活用した高齢者の見守り事業に力を入れている。2022年1月から各自治体を通じて提供を始め、導入数は11自治体に。全国各地にある郵便局のネットワークを生かし、サービスを広げていく方針だ。

サービスの中身


日本郵便が提供する高齢者向けサービスでは、アマゾンの画面付きスマートスピーカー 「Echo Show」 を対象者の自宅に設置し、音声対話を通じて体調や服薬状況の確認を行います。災害情報や自治体の告知も伝えられます。

日本郵便は独自に開発した管理システムを自治体に提供しています。

高齢者の生活リズムに合わせた音声での聞き取りが可能となり、利用者の状況を自治体が一覧で確認できます。スマートスピーカーの使い方が難しいと感じる高齢者には、郵便局員が訪問し、使い方の指導や服薬指導のサポートも行います。

サービス費用には、スマートスピーカー本体価格、システム使用料、通信費などが含まれます。上記の日経によれば、自治体がこれらの費用を負担して希望する高齢者に提供するケースが多いとのことです。


学べること


では日本郵便が高齢者見守りサービスから学べることを掘り下げていきましょう。

日本郵便の強みを活かした取り組み


日本郵便が高齢者見守りサービスの立ち上げに成功した理由は、日本郵便が持つ独自の資源や強みを活かしたからです。

具体的には以下の要素が挙げられます。

✓ 日本郵便の独自資源や強みを活かした取り組み
  • 自治体との連携: 日本郵政が独自のシステムを開発し、自治体に提供し連携
  • 資産を活かす事業拡大: 郵便局というリアルな拠点や郵便局員を活用
  • 過去の知見: タブレットを使った高齢者見守りがうまくいかなかった過去の経験から、スマートスピーカーの音声機能を使用
  • 信用性: 日本郵便は民間企業だが公共に近い存在であり地域からの信用がある

バリュープロポジション


日本郵便の事例から学べるマーケティングのポイントは 「価値提供」 です。

高齢者見守りサービスでは 「バリュープロポジション」 という以下の3つの条件を満たしています。

✓ バリュープロポジション
  • お客さんから求められること
  • 自分たちができること
  • 他社ができないこと

バリュープロポジションとは、企業が提供する商品やサービスが持つ独自の資産や強みをお客さんのニーズに合わせて価値として提供することです。

価値提案によって、お客さんにその商品やサービスを選択する理由やメリットを理解してもらい、購入や利用へとつなげるのです。

学びの一般化


では学べることを一般化して整理してみましょう。

日本郵便の事例では、自治体との連携や自社の拠点・資産、過去の知見、信用性を活かして高齢者見守りサービスを展開しました。

自分たちが持つ独自の資源や強みを活かすことで差異化が実現します。今回の事例では、「お客さんから求められること」 「自分たちができること」 「他社ができないこと」 の3つの条件を満たしたバリュープロポジションが成立していました。

差異化ではバリュープロポジションを意識し、お客さんに魅力的に思ってもらえるかが大事です。お客さんにとっての価値を提供し、商品やサービスの選択肢として選ばれる状態にもっていくことがマーケティングの役割です。


まとめ


今回は日本郵便の高齢者見守りサービスから、マーケティングに学べることを見てきました。

最後に学びのポイントをまとめておきます。

✓ 強みを活かした独自の価値提案
  • マーケティングの役割はお客さんにとっての価値を伝え、自社商品やサービスが選ばれる状態をつくること
  • お客さんから求められること、自分たちができること、他社ができないことの3つの条件を満たし (バリュープロポジション) 、お客さんに魅力的な価値を提案しよう


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。