出典: PR TIMES
子ども食堂を営む居酒屋が、ユニークな取り組みで共創の輪を広げています。
この記事では、子ども食堂がどのようにお客さんの興味を引き付け、参加意欲を高める仕組みをつくっているのか、そして得られる学びとして、どのようにビジネスに活かせるかをご紹介します。
共創マーケティングの秘密を紐解いていくので、ぜひ最後までお読みください!
✓ わかること
- 居酒屋の店内にある 「子ども食堂」 とは?
- お客さんが進んで参加したくなる仕組み
- [学べること] お客さんと共創する商品開発やマーケティング
居酒屋の子ども食堂
子ども食堂を常設する 「焼き鳥とあて巻き 居酒屋大悟」 (出典: PR TIMES)
ご紹介したいのは 「焼き鳥とあて巻き 居酒屋大悟」 という居酒屋が店内で営んでいる 「子ども食堂」 です。
大人のお客さんが子どものために余分にチケットを払う仕組みです。子どもなら誰でも無料または安価で食事ができ、期間限定ではなく常設されています。
東京都国分寺市に、居酒屋が営む 「子ども食堂」 がある。居酒屋と席もメニューも同じ、隔たりを感じさせないハイブリッド店だ。顧客らが支援の輪に加わりたくなる仕掛けを用意し、日々の営業に無理なく社会貢献活動を組み込んでいる。
「焼鳥とあて巻き居酒屋大悟」 に入ると、壁一面にメッセージカードが貼ってある。「鉄火巻き、納豆巻き、やきとり、美味 (おい) しかった!」 。食堂に来た子どもたちが書いたものだ。
子ども食堂とは、子どもが1人でも行けて無料または安価で食事がとれる場所。月に何度か開く食堂が多いが、ここは常設型で、来店客の善意によって支えられている。
居酒屋に来たさいに活動に興味をもった顧客が 「子ども食事券」 を1枚300円で購入する。名前と 「たくさん食べてね」 などと一言添えて店に置く。子どもはその券で無料で食事をする。経済的支援が必要な家庭だけでなく、どんな家庭の子も受け入れる。顧客も 「自分の購入した食事券がこんな風に役立っているなんて」 とうれしそうだ。
月に30 ~ 40枚の食事券が売れていく。それ以上の子どもが来ても食べられるよう食事券とは別の財源も確保している。
学べること
では、子ども食堂から学べることを掘り下げていきましょう。
お客さんが自らやりたくなる仕組み
子ども食堂にはお客さんと一緒になっての共創での商品開発やマーケティング、コミュニティ運営に学びがあります。
子ども食堂では大人のお客さんが運営の一部を担っています。料理を作るのはお店側ですが、予算を出しているのはお客さんです。
注目したいのはお客さんが自ら進んで参加しているところです。やりたいと思え参加しやすい状況をつくっています。具体的には、
✓ お客さんが自らやりたくなる仕組み
- 子ども食堂のことに興味を持っもらう (例: 壁一面の子どもからのメッセージ)
- 1枚300円で気軽に参加できる金額設定
- 子どもへの言葉を添えられる
- 利用した子どもからのお礼のメッセージが返ってくる
共創を生む方法
子ども食堂も含めて居酒屋を1つのコミュニティと見た時に、コミュニティ内でサービスを提供する人とされる人で、あえて役割の線引きを明確にしないことによって参加する 「余白」 が生まれます。
余白がお客さんの参加を促し、参加することでお客さんは単なるゲストではなくお店の運営を担っているという自分ごと化が起こります。活動の輪が広がり、売り手と買い手での共創につながっていきます。
子ども食堂から学べる共創のポイントを一般化すると次のようになります。
✓ 共創を生む方法 (今回お伝えしたいこと)
- 参加する余白
- 興味を持ってもらえる情報提供
- 内側の気持ちからやりたくなるインセンティブ (動機づけ) 設計
- 気軽に参加できると思え、実行しやすい低いハードル
- 自分がやったことへのフィードバック (例: 達成度がわかる, 感謝される, 意味が理解できる) があり、また次もやりたくなる
以上のような仕組みから共創の好循環が起こせるかがポイントです。
まとめ
今回は居酒屋の子ども食堂を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ 売り手と買い手で共創する商品開発やマーケティング
- あえて未完成にし、買い手も参加できる余白をつくっておく
- 参加への興味が湧く情報提供
- 金銭的な報酬よりも、内側の気持ちからやりたくなる動機づけ
- 気軽に参加でき実行しやすいハードルの低さ
- フィードバック (例: 達成度, 感謝, 意味が理解できる) があり、次もやりたくなる仕組みにする
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