投稿日 2023/06/19

ファンダメンタルズマーケティング。3C からお客さん目線を入れた競争優位のつくり方

#マーケティング #3C #顧客視点


自社商品は本当にお客さんの求める価値を提供できているでしょうか?競争相手に比べて商品の優位性は明確になっていますか?

マーケティングには色々な手法がありますが、今回は 「ファンダメンタルズマーケティング」 に焦点を当て、3C (Company, Competitor, Customer) の視点からの競争優位性の見出し方を解説します。

ファンダメンタルズマーケティング


今回はファンダメンタルズマーケティングを見ていきます。

ファンダメンタルズとテクニカル


ファンダメンタルズマーケティングには対になるアプローチとして、テクニカルマーケティングがあります。

  • ファンダメンタルズマーケティング: 商品そのもの、ユーザー (例: ペルソナや顧客インサイト) を分析してマーケティングコミュニケーションを設計する
  • テクニカルマーケティング: Web 広告出稿後のクリック数、遷移率、購入率、キーワードなど数値分析できるデータを分析しコミュニケーションを設計する

それぞれを補足をすると次のようになります。MarkeZine の記事からの引用です。

それぞれの領域を具体的に説明すると、ファンダメンタルズは 「商品、競合、ユーザーの情報から仮説と戦略を立てる工程」 で、テクニカルは 「ファンダメンタルズで立てられた仮説と戦略を実行し、検証しながらチューニングする領域」 だ。

流れとしては、商品 / 競合 / ユーザーについて情報収集し、コンセプトワークとして 「誰に」 「何を = どんな USP (Unique Selling Proposition) を」 伝えるかを決めてクリエイティブを作成するところまでがファンダメンタルズ。

その後、広告を運用しながら得られたフィードバックをクリエイティブに返したり、細かい運用の調整をしたりする部分がテクニカルマーケティングとなる。

3C からのファンダメンタルズマーケティング


ファンダメンタルズマーケティングは 3C を取り入れると整理しやすいです。

ファンダメンタルズマーケティングは 「USP の抽出」 から始まる。

そのために、商品 / 自社 (Company) 、競合 (Competitor) 、ユーザー / 顧客 (Customer) の "3C" を分析するが、3C 分析では、Company と Customer 、Customer と Competitor 、Company と Competitor と3つの C が重なる部分を見ることがポイントだ。
出典: MarkeZine

3C に当てはめる順番がポイントです。

① ユーザー × 商品
  • まずはお客さんを決める
  • お客さんが求めるニーズを理解する
  • ニーズを満たす商品を用意する

3C を使う意味はユーザーと商品だけを考えて終わりにしない点にあります。次から見ていく競合の要素を入れていきます。

② ユーザー × 競合
  • お客さん目線での競合を設定する
  • お客さんの頭の中の選択肢が競合になる
  • 競合のレイヤーは複数ある。プロダクト (他社メーカー) 、メソッド (レンタカー, タクシー, 電車) 、インサイト (面倒に感じる, お金がかかる) 

③ 商品 × 競合
  • 競合に対して自社商品の優位性を見出す
  • 新規性, 独自性, お客さんにとってのベネフィット

以上のように 3C の視点を順番に見ていき、お客さんに訴求する価値提案をつくっていきます。


お客さん目線での競争優位性のつくり方


3C を当てはめてのマーケティングの方法は、お客さん目線から自分たちの競争優位をつくるというものです。

流れを俯瞰すると次のようになります。

✓ 顧客目線からの競争優位性のつくり方
  • 重視するお客さんを決める (ターゲット顧客の設定) 
  • ニーズ、奥にある隠れた望みや不満 (顧客インサイト) 、価値観まで深くお客さんを理解する
  • お客さんが求めるであろう商品やカテゴリーにおいて、お客さんの頭の中にある選択肢を見極める
  • 他の選択肢 (競合) と比べて自分たちの優位性をつくる
  • お客さんから他ではなく自分たちが選ばれるように価値を提案する

以上がお客さん目線で競合を設定し、競争優位をつくる方法です。


まとめ


今回はファンダメンタルズマーケティングに 3C の視点を取り入れ、マーケティングに学べることを見てきました。

最後に学びのポイントをまとめておきます。

✓ お客さん目線での競争優位のつくり方
  • 重視するお客さんを決める
  • ニーズ、奥にある隠れた望みや不満 (顧客インサイト) 、価値観まで深くお客さんを理解する
  • カテゴリーでのお客さんの頭の中にある選択肢を見極める
  • 競合となる他の選択肢と比べて自分たちの優位性をつくる
  • 他ではなく自分たちが選ばれるような意味づけをした価値を提案する


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。