他の業界に目を向けると、あなたの業界ではまだ誰もやっていないアプローチが普通に行われていることに気づくかもしれません。
異業種の視点や事例から学ぶことで、自分の業界に新たな風を吹き込むチャンスが広がります。今回はクレープを作るロボットから得られるインスピレーションや学びを、ぜひ一緒に探っていきましょう。
クレープロボット Q
出典: モリロボ
ご紹介したいのはクレープ生地焼き用のロボットです。名前は ｢クレープロボット Q｣ といいます。
厨房向けロボットを製造するスタートアップのモリロボ (浜松市) が、クレープ生地焼きロボットで外食業界の需要を開拓する。従来より小型の製品を2023年4月に発売し、ホテルやファミリーレストランに売り込む。開発には自動車製造などの知見を生かした。海外向けには仕様を現地のニーズに合わせて展開する。
(中略)
モリロボが販売している ｢クレープロボット Q｣ (税別220万円) は飲食店や移動店舗などでの利用を想定し開発した。大きさは幅52センチ、奥行き61.5センチ、高さ52センチ。食品工場に大型で高価な製造機械がある一方、外食の現場には適した機器がなかった点に注目した。生地の大きさや焼く時間、温度を自由に設定できる。
学べること
ではクレープロボット Q から学べることを掘り下げて行きましょう。
外の世界から見出したチャンス
クレープロボット Q の開発のきっかけは、それまで自身が長年いた自動車業界と比べたことからでした。
森社長はスズキの技術者として約15年働いた。ある時、自動車製造の機械化･自動化が進む一方で外食の現場がそうでないことに気づいた。
外食業界の生産性向上に役立ちたいと考え、2017年に退職し起業した。学生のころクレープ店でアルバイトをした経緯もあり、クレープロボの開発に乗り出した。
自動車製造の機械化･自動化というレンズを通して見ると、外食産業の現場はまだまだ手作業や人力に頼っている部分が多いように映りました。外食産業にいる人には当たり前のことでも、外の世界にいる立場から見るともっと効率化や品質向上の余地があると思えたわけです。
業界の常識に染まっていなく、｢とらわれ｣ や ｢しがらみ｣ がない状態だったからこそ課題がわかったのです。
異業種の成功事例は宝の山
クレープロボット Q の事例は他の業界の構造的な問題を捉えて、その問題を業界ではまだ誰もやっていない方法で解決することで新しいビジネスをつくりました。
このアプローチを一般化すると、ビジネスへの着想は異業種の成功事例をヒントにしようということです。
異業種の成功事例を応用することはビジネスにおいて有効な手段です。新規ビジネスのような規模の大きな話だけではなく、マーケティング施策や営業･販売方法などの実務レベルでも活用できます。
他の業界で当たり前のことでも、今自分たちがいる業界ではまだ実践されていないことを横展開して応用すれば、やや大げさに表現すればイノベーションを起こせます。
新しいアイデアは異なる既存のものを組み合わせることで生まれます。異業種の成功事例は宝の山なのです。
まとめ
今回はクレープロボット Q を取り上げ学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ 異業種の成功事例を応用しよう
- クレープロボット Q の開発は、自動車産業と比べた外食産業の効率化や品質向上の余地を見出したことから始まった
- 他の業界で当たり前のことでも自分たちの業界でされていなければ、横展開して応用することでイノベーションにつながる
- 新しいアイデアは異なる既存のものを組み合わせることで生まれる。異業種の事例は宝の山。外の世界の成功事例をヒントにしてみよう
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