新しい価値を提案するためには、どうすればいいでしょうか？
価値提案によって、今の市場にどんなインパクトを与えるのでしょうか？
今回は、GU のベビー服への取り組みから、今までにない切り口から新しい価値を提案しようという話です。
GU がベビー服に注力
出典: ライブドアニュース
GU がベビー服に力をいれています。
ファーストリテイリング傘下のジーユー (GU) は春夏向けベビー服で、着替えやすさを重視した商品を投入する。T シャツは首回りにゴムを使うことで頭を通しやすくし、ひとりでも着替えられる。前後どちらを正面にしてもはけるズボンも発売する。客のニーズを反映した商品作りに力を入れ、ベビー服の販売を拡大する。
一般的に首回りをスナップボタンで留める T シャツが多く、ボタンを留める手間がかかる上に、子供がひとりで着替えにくい。
そこで新たに発売する T シャツ ｢カンタン T｣ (990円) では、首回りの背中側にゴムを使い、頭を通りやすくした。身幅にゆとりがあり、腕を通すのも簡単で、親が着せやすく、子供がひとりでも着替えられる。長袖の袖口にはリブが付き、手洗いや食事のときに腕まくりが簡単にできる。
(中略)
子供が前後を間違ってはいた際に直す手間が省ける。また子供の成功体験となり、自分で着替える意欲も育む。
学べること
では GU のベビー服から学べることを掘り下げていきましょう。
良いベビー服の定義をアップデート
GU のベビー服は ｢良いベビー服とは何か｣ に一石を投じています。
これまでは親がベビー服を選ぶ時のポイントは、デザインキャラクター、素材や肌触り、耐久性でした。以下は別のリリースからですが、
｢普段、お子さんが喜んで着る服はどんな服ですか？ (複数回答可) ｣ と質問したところ、『色やデザインが気に入っている服 (76.4％) 』と回答した方の割合が最も多く、次いで『着心地の良い、肌触りのいい服 (42.4％) 』『知っているアニメや絵本などのキャラクターの服 (30.8％) 』『友達や家族とお揃いの服 (10.2％) 』と続きました。
GU は今までになかったベビー服の魅力として、
- 子どもが自分で着替えやすい服 (首周りの余裕や前後を同じにするなどの工夫がある)
- 親の手間がかからない
- ベビー服で子どもの成長体験･自立･成長を促す
という新しい価値を提案しました。
価値提案からのブランディング
お金を出して買う親がこれらを価値だと思えば、｢良いベビー服とは｣ の定義が変わります。GU の事例はベビー服への新しい視点を提示することで、勝負の土俵を変えたということです。
今まで好まれていた切り口 (例: デザイン性や着心地の良いベビー服) とは違う新しい選択肢が生まれます。マーケティングの視点から学ぶべきポイントは、お客さんに新しい価値を提案することで、カテゴリーや商品への認識を書き換える重要性です。
従来の価値観に新しい価値提案をすると、お客さんの認識を変えることできます。お客さんからいかに良い、他にはない価値イメージを持ってもらうかは商品やサービスのブランディングにもつながります。
まとめ
今回は GU のベビー服を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ 今までにない切り口からの新しい価値提案
- GU は子どもが自分で着替えやすい服を提供し、親の手間を減らすだけではなく、子どもの成長体験や自立を促す新しい価値を提案している
- 価値提案によってベビー服への新しい視点をもたらし親の購入基準が変わる。これまでの ｢良いベビー服｣ の定義が新しくなる
- マーケティングではお客さんに新しい価値を提案し、カテゴリーや商品への認識を書き換えることが大事。お客さんが他にはない価値イメージを持てば商品･サービスはブランドになる
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