お客さんに向けたせっかくのコミュニケーションが、相手にスルーされてしまっていないでしょうか？
意外に思えるかもしれませんが、｢大人用の塗り絵｣ から、お客さんに覚えてもらい興味を持ってもらうマーケティングへのヒントが得られます。
今回は ｢お客さんが知らない価値を提案しよう｣ という話です。お客さんへの価値提案の秘訣をぜひ一緒に探っていきましょう。
大人の塗り絵
取り上げたいのは ｢大人の塗り絵｣ です。
大人の塗り絵は子どもがやるような簡単なものではなく、細かい作業を要する塗り絵です。その分完成度も高くなり、手間をかければかけるほど美しくなります。
塗り絵で興味深いのは自律神経を整える効果があることです。自律神経は交感神経と副交感神経のバランスが取れていると健康的に働きます。しかしストレスや疲れ、不規則な生活などで2つのバランスが崩れるとイライラや疲れが出てしまい、夜に眠れないなどの弊害が起こります。
大人用の塗り絵は軽度のストレスをかけることで、交感神経を適切に働かせることができます。また、集中力が必要であるため副交感神経も活性化されます。塗り絵は自律神経のバランスを整える効果が期待でき、ストレスの緩和や睡眠改善にもつながります。
学べること
では大人用の塗り絵から学べることを掘り下げていきましょう。
お客さんにスルーされる訴求
マーケティングコミュニケーションの問題意識であるのが、お客さんへの訴求が唐突だとお客さんから関心を持ってもらえず、スルーされてしまうことです。
塗り絵で言えば、大人にいきなり ｢塗り絵をしませんか｣ と言っても興味を持ってもらえないでしょう。塗り絵は子どもがやるものという認識があり、なぜ大人である自分が塗り絵をやる必要があるのかと思われてしまうわけです。
相手の文脈に合わせての意味づけ
そこで相手の文脈に合わせて意味づけをして、商品や行為への新しい価値を提案することが大事です。
大人用の塗り絵の場合は日頃から感じる過度なストレスを和らげ、夜に眠りやすくなるというお客さんにとって ｢うれしいこと｣ を提案しています。コミュニケーションではなぜ塗り絵をするといいのかの根拠を、身体の仕組みや塗り絵の特徴も併せてわかりやすく伝えているわけです。
受け手である生活者には、
- 自分に起こっている現実
- 現実から生じている問題や課題感
- 問題を解決できる方法
- 解決することで得られるうれしさ、より良い未来感
これらをイメージできれば塗り絵は大人でも自分ごと化され、欲しいと思ってもらえるのです。
お客さんが知らない価値の提案
マーケティングへの学びを一般化すると、マーケターの役割は ｢お客さんがまだ知らない価値｣ を提案することです。
そのためには次のプロセスで進めていくといいです。
✓ お客さんが知らない価値の提案
- 向き合うお客さんを決める
- お客さんの環境や状況、行動と心理を理解する
- 商品を再解釈し、意味づけをすることでお客さんがまだ気づいていない価値を見出す
- お客さんの文脈に合わせ、自分ごと化され欲しいと思ってもらうメッセージをつくり提案する
ポイントは ｢お客さん目線での商品の意味づけ｣ です。大人用の塗り絵がそうだったように、お客さんを大人にするなら ｢大人にとって塗り絵をすることがどんな意味があるのか｣ を再解釈します。
マーケティングの役割はお客さんがまだ知らない価値を提案することで、お客さんから商品のことを必要な存在だと認識してもらい、欲しいという気持ちに変え、買うなどの行動につなげることです。
まとめ
今回は大人用の塗り絵を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ お客さんへの新しい価値提案
- お客さんへの訴求が唐突だと関心を持ってもらえずスルーされてしまう
- 相手の文脈に合わせて意味づけをし、商品への新しい価値を提案することが大切
- マーケティングの役割は、お客さんがまだ知らない価値を提案し、商品を自分にとって必要な存在として認識してもらい ｢これが欲しい｣ という態度変容と行動変容を起こすこと
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