ネコと一緒に過ごしやすい家やホテル、興味が湧くでしょうか？
これらの事例には、マーケティングの課題を解決するヒントが隠されています。今回は商品と価値イメージを結びつけるのがマーケティングという話です。
自社商品をいかにお客さんに選ばれるものにするか、お客さんの心をつかむマーケティングの秘訣をぜひ一緒に探っていきましょう。
ネコに優しい家やホテル
ネコと過ごしやすい家、ネコと一緒に泊まれるホテルの事例をご紹介します。
ネコも快適に暮らせる家
出典: PR TIMES
パナソニックが、ネコが快適に暮らせる住居を提案しています。
パナソニックホールディングス (HD) はネコやイヌ向けの建材商品を拡充する。
(中略)
ネコに特化した住宅設計を手掛ける建築士のいしまるあきこ氏がブランド監修し、ネコが快適に生活できる視点を多く取り入れた。くぐり戸付きのドアは、のれん部分を取り外しできるようにした。のれん部をくぐるのを怖がるネコは多く、隙間を通るのに慣れさせた後にのれんを設置できる。
20 ~ 60センチほどの幅があるキャットウォークは猫が滑りにくい加工を施し ｢足腰への負担を軽減できる｣ (パナソニック HD 傘下で住宅設備を扱うパナソニックハウジングソリューションズ) という。
ネコと一緒に過ごせるホテル
出典: TRAICY
こちらはネコと一緒に過ごせるホテルの話です。
ハイアットリージェンシー大阪 (大阪市) はネコと一緒に泊まれる客室の販売を始めた。ネコの飼育数が増え、ネコと旅行したいという愛猫家が増えているとみて、一緒にくつろげる客室を企画した。
｢環境の変化に敏感なネコが退屈せず遊べる空間を目指した｣ (湯本真也マーケティングコミュニケーションズマネージャー) という客室は40平方メートルのツインルーム。高さ2メートルを超える大型のキャットタワーのほか、窓際には大阪市街を望みながら日なたぼっこができるハンモックを設置した。ネコ用の食器やトイレ、ベッドも用意し、飼い主の荷物の負担を軽減した。
ルームサービスでは ｢鹿肉のポトフ｣ などのネコ向けの食事を用意する。飼い主とともにくつろぎながら部屋で食事をすることができる。
学べること
ではネコと過ごしやすい家、ネコと一緒に泊まれるホテルの事例から、学べることを掘り下げていきましょう。
パーセプションチェンジ
マーケティングへの学びとして一般化すると、ご紹介した2つの事例は ｢パーセプションチェンジ｣ に学びがあります。
パーセプションとは ｢認識｣ を意味し、今回の文脈に当てはめると価値イメージです。
今回の事例で言えば、ネコにとっても過ごしやすい家やホテルが提案されれば、ネコが好きな人でネコと一緒にいたいと思う人には ｢良い家｣ や ｢良いホテル｣ とは何かという家やホテルへの価値観が変わります。
新しい価値観によって、選ぶなら人間 (自分) だけではなくネコがくつろいだり遊んだりするのにも最適化された家やホテルが良いと思えるわけです。これが価値イメージが変わるというパーセプションチェンジです。
商品と価値イメージの結びつき
マーケティングで大事なのは、｢◯◯ と言えば △△ (自社商品) だ｣ と商品名をすぐに思い出してもらえることです。
｢◯◯ と言えば｣ の ◯◯ には、商品ジャンル (カテゴリー) が入ります。例えば ｢シャンプーと言えば…｣ や ｢良いランニングシューズと言えば…｣ 、｢動画サブスクと言えば…｣ です。
商品と価値イメージが結びつくことで ｢◯◯ (カテゴリー名) と言えば…｣ の後に自社商品を上げてもらえます。お客さんに商品が自分向けだと思ってもらえているからこそ、他ではなく自分たちの商品が選ばれます。
マーケティングの役割は ｢お客さんから選ばれる理由｣ をつくることにあります。お客さんを理解し、狙うお客さんの文脈に沿って商品の意味づけや再解釈をし、価値イメージを提案することで新しい選ばれる理由が生まれるのです。
まとめ
今回はネコと暮らせる家やホテルの事例から、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ マーケティングの役割
- マーケティングの役割は ｢お客さんから選ばれる理由｣ をつくること
- 商品と価値イメージが結びつくことで自社商品が選ばれやすくなる
- お客さんの文脈に沿って商品の意味づけや再解釈をし、価値イメージの提案から新しい選ばれる理由を生み出そう
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