2015/12/31

2015年を振り返る




2015年も大晦日、残すところあと1日です。今年最後のエントリーでは、自分のできごとについて、1年を振り返ってみます。


次女が誕生


秋に二人目の女の子が生まれました。

一人目と同じく、立ち会い出産をしました。長女の時に比べるとお産もスムーズでした。陣痛から病院へ向かい、その後の分娩台までの時間も長女の時と比べると半分くらいでした。生まれてからも元気で、その後も日々成長しています。

すぐ後に触れますが、妊娠初期に一時期は流産の可能性もあり、無事に生まれてきてくれて本当によかったと思っています。


娘との二人暮らし


次女の誕生に前後しますが、妊娠初期に早期破水が起こりました。

病院に直行し、診断の結果、そのまま緊急入院となりました。妊娠17週目というタイミングでした。もしこのまま破水が続くようであれば、胎内で赤ちゃんは生きられないだろうと担当の医者から告げられました。

破水が小康状態になったとしても、通常よりも明らかに早いタイミングで早期出産になる可能性がありました。その場合、低くない可能性で何らかの障害を持って生まれることも伝えられました。

妊娠22週目未満であれば、今後の母体も考えると堕ろすことも選択肢の1つとのことでした。

私自身は、その選択はなく、またたとえ障害を持って生まれても自分の子には変わらないので、なんとか生んでほしいと考えました。

母体には絶対安静が必要とのことで、妻が長期で入院を続けることになりました。その間、1才の長女との二人暮らしをすることになります。

周囲からは二人でやっていけるのかという声もありました。しかし、自分の中では逆に火が付き、ただ一人だけ妊娠継続と出産を言い続けたことで、長女と二人で暮らすことに腹をくくれました。

娘の保育園の送り迎えに加え、家事全般もやることになりました。娘は寂しがり、普段よりも甘えたりすることが多くなりました。

それでも、なんとか二人で暮らせたのは周囲のおかげでした。家族、保育園や同僚のサポートにあらためて感謝です。無事に次女が生まれたことは、今年1年の最もうれしい出来事でした。

長女にとって、おそらく彼女の人生の中で、最も父親と長く一緒に過ごした時間になりました。

長女はまだ2才になる前後の時期だったので、この間の記憶がどこまで彼女の中に残ってくれるかです。あの二人暮らしの日々は残らないのかなと思うと、少し残念ではあります。


毎日のランニングとウォーキングが習慣に


2015年7月にランニングを始めました。毎日続けられ習慣になりました。ランニングとウォーキングでどういう変化があったかは、こちらのエントリーで分析しています。

ランニング開始4ヶ月のトラッキングデータを使った統計分析


資産運用


2015年の資産運用のトピックは3つです。

1. 資産配分の目標見直し

資産配分 (アセットアロケーション) の3年トレンドから、今後の方針を確認しました。この先の 1-2 年はリスク資産への投資を少し増やすことを考えています。以下は関連エントリーです。

金融資産の3年トレンドから考える2016年の投資方針

2. 子どもの将来資金は投資信託で運用

誕生祝い・お年玉・公的な児童手当などから余った分は、投資信託にスポット投資をすることにしました。それとは別に毎月一定額を自動積立として投資しています。こちらが関連エントリーです。

子ども用の貯金には、投資信託での自動積立+スポット積立

3. NISA 運用を開始

2015年10月末に申込み手続きを始め、11月末に NISA 口座を開設しました。NISA を資産運用の中でどう位置づけるのかも、決めました。

NISA はじめました。開設プロセスと NISA 活用方針 (2015年末時点)


仕事はとても充実できた1年


2015年の今年、プロモーション (昇進) することができました。転職して2年という期間なので、順調と言えば順調です。

プロモーション自体はもちろん喜ぶべきことなのですが、1年を振り返った時にそれ以上に充実感があるのは、プロモーションをきっかけにより仕事が楽しくなったことです。

プロモーション前後で、表面上は自分の責任範囲は特に変わってはいません。ただ、自分の中で、より責任感が生まれ、仕事が今まで以上におもしろくなりました。

その理由を考えてみると、プロモーションに恥じないようにしたいと思い、何より後押ししてくれた上司に対して泥を塗ることはできないという気持ちから、仕事により責任感が持てたからです。

良い循環になったのは、仕事で何を実現したいかも明確になり、それに向けて集中でき、充実した仕事できました。


最後に


2015年の今年最後のエントリーでは、自分自身のことの1年間を振り返ってみました。

実は、このようなエントリーはこれが初めてです。今までは私自身のことを振り返っても、それは読み手にとって知りたい情報ではないと考えていたからです。

別の考え方をするようになったのは、他のブログ等で振り返りのエントリーをいくつか目にしたからでした。書いている人への理解がより具体的になり、共感できることや自分とは違う面に触れることで、自分のことを見直すきっかけになりました。

この体験を通して、自分からも何か一つでも役に立つことがあるのではないかと思い、振り返りエントリーを最後にアップしました。

2015/12/29

2015年 ブログへのアクセス状況まとめ




このブログの1年間のアクセス解析です。

ソースは Google Analytics、集計の対象期間は 2015年1月1日 〜 2015年12月28日です。比較対照として、2014年と2013年の同期間を使っています。


ユーザー数やページビューなどの基本指標


訪問ユーザー数のトレンドです。数字が三つ並んでいるのは、15年 ← 14年 ← 13年 という順番で表示しています。

2015/12/27

NISA はじめました。開設プロセスと NISA 活用方針 (2015年末時点)




NISA (ニーサ) を開設しました。開設した証券会社は楽天証券です。

楽天証券で NISA を始めたのは、他に使っている SBI 証券などの証券会社の中で、楽天が最もよく利用しているからです。


NISA 開設のプロセス


事前にこちらで準備するものは、新規での NISA 口座開設だったので 「住民票の写し」 です。最寄りの区役所の出張所で、自動発行機から入手しました。

楽天証券での NISA 開設のプロセスは以下の通りでした。資料請求から NISA 取引ができるようになるまで、所要期間は約1ヶ月でした。参考として日付を () 内につけています。

  • NISA 資料を請求
  • 資料請求を受付完了のメールが楽天証券から来る (2015/10/24)
  • 資料が楽天証券から発送される
  • 申込書と住民票の写しを送付 (2015/10/30)
  • 申込書等を楽天証券にて受領 (2015/11/2)
  • 税務署にて開設審査
  • 楽天証券から NISA 口座開設完了のお知らせ (2015/11/24)
  • NISA 取引開始

時間のかかるプロセスは、申込書送付 〜 税務署の審査 〜 開設完了 で、3週間ほどかかりました。


NISA のメリット


NISA の魅力は非課税です。

株式等の値上がり益、配当金や分配金に本来は税金がかかります。値上がり益等に対して 20% が税金で (厳密には 20.315%)、この分が NISA であれば 0% になります。

例えば、値上がり益として10万円だった場合、NISA でなければ8万円が利益になります (2万円が税金)。NISA であれば10万円です。NISA は値上がり益や配当金の 100% が自分に還ってきます。

同じ株や投資信託に投資しても、NISA でなければ税金がかかるので、ここに NISA のメリットがあります。

なお、NISA には年間での上限投資額があり、2015年までは100万円、2016年から120万の予定です。


非課税のメリットをどう活かすか


NISA の非課税メリットを活かすために、NISA の使い方は大きくは2つだと思います。

  • 値上がり益を期待し、個別株に NISA 枠から投資する。株価が上がったタイミングで売却
  • 配当金/分配金の多い銘柄や投信信託を買い長期保有。保有期間中の配当金や分配金を非課税にし NISA メリットを享受

前者は数ヶ月〜数年くらいの短期的/中期的な運用になるでしょう。後者は数年以上の長期スパンで考えるものです。

私自身の NISA の使い方は、個別株への投資は NISA ではしません。NISA でというよりも、資産運用にあたって、個別株への投資はやらない方針です。

理由は、個別株の運用はリスクが自分にとって大きいのと、何よりも適切な個別株を選定する能力が自分になく、またそのために時間を使いたくないからです。これは NISA にかぎらずです。

後者の配当金や分配金については、以下の理由から、こちらも自分の NISA の使い方にはならないと考えています。

配当金や分配金は、その時点での会社や投資信託が得た利益の一部を、投資家に現金として還元するものです。一方、もしその還元分を投資家ではなく、自社への投資 (設備投資など) 、投資信託であれば保有銘柄に再投資すれば、将来により大きな投資結果になる可能性があります (もちろんその逆もあります) 。

私自身は、配当金という投資家への都度の還元ではなく、後者の再投資をしている投資信託がよいと考えています。現在、投資している投資信託はどれも分配金は発生していません。

こうした理由から、NISA 活用の2つ目として書いた、長期で保有する期間中に配当金と分配金への非課税メリットも、自分の使い方とは異なるのです。


NISA 活用の方針 (2015年末時点)


では、NISA の活用方針としてどう考えているかというと、毎月の自動積立投信に NISA を使います。

NISA ではないの従来の運用は、基本的には保有を続けていました。NISA については、あらかじめ値上がり幅を決めておき (例: +10%) 、それを超えれば売却します。自動積立をする投資信託の、売却益に対する非課税が NISA メリットになります。

売却後も、毎月の自動積立は継続されるので、また1から積立が始まります。これまでの積立 → 保有に比べると、積極的な資産運用です。

なお、資産価値が減少し、投資分よりも下がった場合は、売却ではなくそのまま保有することを考えています。

この NISA 活用の方針は、ベストとは言えないのが正直なところです。あくまで 2015年末時点のものです。まずは2016年をこのやり方でやってみて、変えたほうがよいと思えば、変えていくつもりです。

最後に、NISA での積立投信をご紹介しておきます。リンク先はモーニングスターの情報ページです。() 内は毎月の NISA 投資分に占める割合です。


2015/12/26

Bluetooth のコードからの解放がもたらした価値




2015年に買ったもので、利用価値が高く満足度の高かったものが Bluetooth のイヤホンとスピーカーでした。


ランニングに重宝している Bluetooth イヤホン


毎日ランニングで Bluetooth イヤホンを使っています。走りながら Podcast を聞くためです。

Bluetooth イヤホンを買う前はコード付きイヤホンを使っていました。しかし、イヤホンのコードが、普段使っているよりもランニング中は特にわずらわしく感じました。

そこで買ったのが Bluetooth イヤホンでした。soundPEATS (サウンドピーツ) Bluetooth ワイヤレスイヤホン ヘッドホン Q9A です。

2015/12/23

Instagram の提供価値 (2015年時点) - なぜあの人はインスタを使うのか




マーケティングにはバリュープロポジションという考え方があります。日本語にすると提供価値です。


バリュープロポジションとは


価値を実感するのは顧客です。提供する側にとって重要な問いは、商品やサービスはターゲット顧客にとってどのような価値を提供しているかです。

バリュープロポジションの要素は3つあります。この3つが全て成立していることがポイントです。

2015/12/19

書評: 論点思考 (内田和成)




論点思考 という本をご紹介します。



そもそも問題設定は正しいか


本書の問題提起は、問題解決の前提としてそもそもの問題設定は正しいか、という視点です。以下は本書からの引用です。

問題解決はビジネスで成果をあげる際にとても重要なものだが、暗黙の前提として 「正しい問題」 を解いていることを想定している。

しかし、考えてみてほしい。あなたがいま解いている問題、あるいは、これから解こうとしている問題は正しいのか、他に解くべき問題があるのではないかと。

ここを一度考えてみようというのが本書の狙いの一つでもある。

2015/12/16

おもちゃ病院の提供価値




自宅の近所に、「おもちゃ病院」 があります。


おもちゃ病院とは


日本おもちゃ病院協会というボランティア団体が運用している、壊れたおもちゃを修理してくれる病院です。

おもちゃを修理してくれる先生 (ドクター) は、主に中高年のシニア男性です。ボランティアで活動をしています。以下は日本おもちゃ病院協会のウェブページから、活動内容について引用です。

おもちゃドクターの会員は、長年の経験や専門技術を活かすことで誇りを持って地域おもちゃ病院でボランティア活動を行っています。

お子さん達からの 「おじさん!ありがとう!」 の声が嬉しいのです。笑顔がこぼれます。

2015/12/12

「カフェオーナーになることが夢」 に向かって歩き出した女性へのアドバイス




知人からキャリア転向の話を聞く機会がありました。知人は、20台後半の女性です。2ヶ月後の2016年2月に今の会社を退職し、4月から1年間、専門学校に通うとのことでした。


夢はカフェオーナーになること


「学生のときから抱いているカフェオーナーになるという夢に向かって、前に進むことにした」 という決意でした。

食の専門学校で、調理技術だけではなく経営についても学べるようです。週3日で専門学校に通い、学校のない曜日は飲食店で働く予定とのことです。

彼女が今務めている会社も、食に関連する企業です。現在の仕事は嫌いではないものの、「本当に好きなことを仕事にしたくて、今の仕事を続けても夢とは違った方向だし、これ以上、自ら興味を持って成長はできないと思った」 と教えてくれました。


カフェオーナーになって何を実現するか


この話を聞いたときに、伝えたことが2つありました。

2015/12/09

2才の娘のクリスマスプレゼントには、ジグソーパズルではなくブロックをあげたい理由




2才3ヶ月の娘がいます (2015年12月現在) 。


ジグソーパズルの遊び方


娘のお気に入りのおもちゃに、ジグソーパズル、ブロック、積み木があります。親と一緒につくったり、時には自分一人で熱中して遊んでいることもあります。

パズルは30ピースです。特に動物の写真のパズルが好きなようで、パズルを組み立てながら、「これは らいおん」 などと、できあがってくる動物の名前を得意そうに教えてくれます。

30ピースのパズルは、始めの頃はなかなか自分一人では完成できませんでした。何回も遊んでいるうちに、どのピースがどこに当てはめるかを覚えてきたようです。今では、親の手伝いも必要なく、自分一人でできるようになりました。

ちょうどクリスマスも近いので、プレゼントにはもう少し難しいパズルがいいかなと思っていました。30ピースの次は、50ピースがあります。


パズルよりもブロックをあげたい


ですが、娘がパズルで遊んでいるのをあらためて観察していて考えを変えました。ジグソーパズルではなく、別の遊ぶものです。パズルよりも、ブロックがいいと思っています。

その理由は、ジグソーパズルは 「唯一の正解」 があるおもちゃだからです。それもあらかじめ他人が決めた正解です。

30ピースのパズルであれば、30個それぞれのピースの位置や、はめる向きが決まっています。各ピースを当てはめていった後の完成図も答えは1つです。1つでもピースの位置や向きが違うと、パズル全体として完成しないわけです。

パズルを覚え、30ピースでも3分くらいでスムーズに完成させられるようになると、娘のパズル遊びが何かルーチン的な作業のような感じがします。


ブロックがいい理由


一方のブロックで娘が遊んでいるのを見ていると、毎回違うものができあがります。

例えば、一所懸命ブロックで大きなものを組み立てているかと思ったら、娘が言うには誕生日ケーキをつくったとのことでした。その後に誕生日の歌も歌ってくれました。

他には、人形の前に黄色のブロックを並べていたこともあります。何をしているのかを聞くと、お人形にみかんをあげているとのことでした。ブロックを食べ物に見立てることは、特に親から教えられたわけではなく、自分で思いついてのことです。

子どものブロックや積み木の遊びには、大人からすると予想外なものがあり、毎回楽しませてくれます。ブロックには、組み合わせが何通りもあります。唯一の正解となるような遊びはなく、子どもの何かをつくりたいという気持ちを自由に表現できるのがブロックです。

ジグソーパズルにはあらかじめ決められた正解があり、ブロックには唯一の答えはありません。自分の娘への教育方針として良いのはブロックです。今年の娘のクリスマスプレゼントにはパズルではなく、ブロックがいいかなと思っています。

2015/12/06

書評: 中くらいの幸せはお金で買える (藤原和博)




中くらいの幸せはお金で買える という本をご紹介します。



著者は藤原和博氏です。2003年より5年間、東京都内で義務教育初の民間校長として、杉並区立和田中学校校長を務めたことでも有名です。

ここ最近の自分の関心領域の1つが 「どうお金を使うか / 何にお金を使うか」 ということもあり、本書は興味深く読めました。


1万円から100万円単位のお金の使い方が下手


著者の問題意識を端的に表すのが、以下の引用部分です。

2015/12/02

株式投資も自己投資も本質的には同じ




30歳からはじめるお金の育て方入門 - 貯めながら殖やす新しい習慣 の著者は、自らを草食投資隊とする渋澤健氏・中野晴啓氏・藤野英人氏の3人です。



本書が興味書く読めたのは、「投資」 についてあらためて考えることができたからでした。そもそもなぜ投資をするのかの哲学的な内容が、本書を読み、最も印象に残ったことです。


株式投資とは


投資とは、将来に価値を生むであろうことに対して、自分の 「大切なもの」 を投じることです。

2015/11/29

漠然とした言葉が出てきたとき、さらに深く考える癖がついているかどうか




ビジネスマンのための 「数字力」 養成講座 という本には、次のことが書かれていました。

漠然としたことばが出てきたとき、さらに深く考える癖がついているかどうかが、頭がよくなるかどうかを大きく左右します。

数字で捉える


この本の全体的な内容にも通じますが、ものごとを数字で捉える、表現するかどうかは、日頃から意識したいことです。

2015/11/26

ランニング開始4ヶ月のトラッキングデータを使った統計分析




今から4ヶ月ほど前の2015年7月に、ランニングを始めました。


ランニング開始前後の歩数変化


ランニングを始める前と後の一日の歩数を比較するため、歩数を日ごとでグラフにしたものが以下です。グラフの色は、緑がランニング開始前、青が開始後です。ランニングを始めたのは2015年7月11日です。

2015/11/22

マーケティングに欠かせない 「顧客視点」 をあらためて考えてみる




マーケティングで大切なことは 「顧客視点」 で考えることです。

顧客視点には、いくつかの段階があります。少なくとも二段階あり、同じ顧客視点でも今の自分はどちらで考えようとしているのか、常に自問するようにしています。

今回のエントリーは、2つの異なる顧客視点を考えます。

2015/11/18

仮説だけで事前に報告書を書いてみよう




何かの報告書、例えば調査であったり、出張報告書は、事後で書かれるものです。

調査報告書とは、ある調査の目的があり、調査結果を関係者に報告し共有するためにあります。報告書の作成者は、調査を実施し、そのまとめとして報告書作成に取りかかります。


仮説だけで報告書をつくる


今回のエントリーでは、あえて逆の発想をしてみます。

報告書を事後で作成する一般的なケースに対して、報告書をあえて 「事前に」 つくることを考えてみます。調査を企画する段階で調査結果を仮説として予測し、仮説ベースで報告書概要を書いてしまうのです。

そもそもとして、調査を実施するということは、あらかじめ持っている仮説を検証するのが目的です。その仮説をもとに調査報告書としてまとめておくわけです。

調査をする前に仮説だけで報告書を書いておくことは、3つメリットがあります。以下では、それぞれのメリットについて書いています。


メリット 1: 仮説が明確になる


1つ目のメリットは、報告書を書くプロセスを経て、仮説が整理されることです。書く前は曖昧であった仮説も、報告書のストーリーを考える中で、具体的に何が明確で何が曖昧なのかがわかってきます。

さらに、仮説の曖昧な部分が見えてくるだけではなく、曖昧な部分をどうすれば明確になるかが事前報告書を書く中でわかります。調査の前に報告書を書くためには、半ば強制的に仮説をクリアにせざるを得ないのです。


メリット 2: 調査結果の質が上がる


2つ目のメリットは、調査結果のクオリティが上がることです。事前に仮説ベースで報告書をつくってしまっているので、調査結果の分析や考察において何をすればよいかが見えています。

当然、事前に書く仮説報告書の内容 (仮説) が、調査結果と異なる場合も起こります。

なぜ仮説と違ったのかを考える中で、仮説を考える際のどの前提が違っていたのか、より深い検証と考察ができます。事前に仮説だけで報告書を書いておくプロセスで、仮説が明確になっているからこそです。

こうしたことを調査結果をまとめる中で何度も行なうことになります。その過程を経て、調査結果の分析や考察、結論がブラッシュアップされます。

大切なのは、仮説が間違っていてもいいので、何かしらの仮説を調査前に持っておくことです。仮説がない中で調査を実施すると、どこまで調査し検証するのかが調査中や調査後の分析時にあやふやになってしまいます。ゴールを見失ってしまうのです。


メリット 3: 報告書の質が上がる


3つ目のメリットは、事後の報告書の質も上がることです。

ゼロから報告書を書き上げるよりも、事前に仮説をもとにつくった報告書があるので、それをアップデートする中で報告書自体も磨かれるのです。


まとめ


これら3つのメリットは、要するに何かと言えば 「仮説をつくる → 検証する」 というサイクルを細かく何度もまわせることです。

調査前に仮説ベースで報告書を書けば、報告書という形にできるくらい仮説をクリアにできます。

調査が始まり、進んでいく過程で事前報告書の仮説と結果を照らし合わせ、仮説検証がしやすくなります。新しく見えてきた仮説を、さらに調査し検証することもできるでしょう。

調査後の報告書を書いていく中でも、当初の仮説と新たにわかったファクトのずれを考えれば、ここでも検証プロセスをまわすことができます。

仮説を考え検証することは、1周では終わりません。細かいサイクルを何度もまわします。これを繰り返し、よりブラッシュアップされるのです。

2015/11/14

コンパクトな Bluetooth 音楽スピーカーの価値

自宅で音楽を聴くのに、Bluetooth スピーカーを新しく使い始めました。買ったのは EC Technology 5W ポータブルミニ Bluetooth 4.0 スピーカーです。



音質が十分に満足でき、デザインも気に入っています。コンパクトなサイズで、大きさは缶コーヒーの 3分の2 くらいです。

このスピーカーをパソコンやスマホに Bluetooth 接続し、YouTube、Google Play Music のクラウドにある音楽、あるいは Google Play Music でスマホ内にダウンロードしてある音楽を聴いています。


コードからの解放


Bluetooth スピーカー使用することで何より変わったのは、コードから解放されたことです。

これまでは、パソコン等に使うスピーカーは、コードをイヤホンジャックに接続していました。コードをパソコンやスマホにつなぐことは、言葉にすると簡単です。しかしコード接続が面倒に感じ、次第にスピーカーからの音楽再生をしなくなっていました。

もう1つの理由として、スピーカーのサイズの問題がありました。スピーカーをデスクまわりに置くには場所を取り、邪魔だと感じることがありました。

スピーカーを例えば窓脇に置くと、コードが届く範囲にパソコンやスマホを近づける必要があります。これがまた面倒だったという状況でした。イヤホンはパソコンにつなげて音楽は聴くのに、スピーカーのコードをつなげなくなったのはこれが理由でした。

コンパクトな Bluetooth スピーカーは、この状況を変えてくれました。

コードではなく Bluetooth 経由で音楽データが転送されること、持ち運びに容易なこと、置くのに場所を取らないこと。これらによって、スピーカーの置き場所が自由になりました。

コードをつなぐ手間に比べ、Bluetooth を接続する手間のほうが簡単なため、気軽に音楽を聞ける環境ができました。


スピーカー面が上部にあり使いやすい


使っていてバッテリーも持つ印象です。スペックとしては連続再生時間が 10 時間です。

それと、気に入っているのはスピーカー面が上部にあることです。



スピーカーをどの向きに置いても、音が出る面は常に上からです。置く際に向きを気にしなくてよいのも、手軽に使える1つの要素です。

2015/11/11

プロのビジネスパーソンは、仕事を 「つくって、動かし、貢献する」




ビジネスにおいて、プロとして仕事ができているかどうかは、ある判断基準を持っています。

つくって、動かし、貢献する。

これができているかどうかを、常に意識するようにしています。以下、それぞれについて解説します。

2015/11/08

自分も相手も大切にする 「アサーティブなコミュニケーション」 のために心がけたいこと




ある雑誌のコラムに、コミュニケーション術の紹介が載っていました。

アサーティブジャパン代表の森田汐生氏による 「自分を好きになるコミュニケーション術」 です。アサーティブとは、コミュニケーションにおいて自分だけではなく、相手も大切に考えることです。

アサーティブを実践するために心がけたい3つのポイントが印象的だったので、ご紹介します。


1. 私たちには自己表現する権利がある


アサーティブなコミュニケーションの出発点は、自分が感じることや考えることを要望することは、基本的な権利として誰もが持っていることです。

「自分は経験が少ないから」 「自分はまだ新人だから」 などと、言いたいことを引っ込めてしまうことは誰にでもあります。

自分も相手も大切にするアサーティブなコミュニケーションでは、自分の感情や要望を言葉にして表現することは、自分が持っている権利だと捉えます。

その上で、実際に伝えるかどうか、自己表現をするかどうかは自分で決められる権利と考えます。


2. 自己表現の権利は相手にもある


例えば、思い切って自分の要望を相手に頼んでみても、相手は必ずしも Yes と言ってくれるわけではありません。相手には 「断る権利がある」 ことを忘れてはいけません。

「私が言ったのだから、向こうはやって当然」 とはならないのです。

自分と相手は価値観や考え方、バックグラウンドが異なります。自分はこうだから相手もこうであると考えると、一方的な関係になってしまいます。

そうではなく、「自分はこう思うけど、あなたはどう思う?」 と素直に意見を出し合うのです。意見が食い違うのであれば、一方が押し付けたり我慢することはしません。

お互いがベストな解決策を一緒に探っていこうというスタンスが大事です。


3. 話し合う場面では相手も自分も対等であろうとする


年齢や立場の上下によって、自分が相手よりも上に立ったり下に立つことがあります。

アサーティブでは、自分の立場が社会的や組織で上や下であっても、人間としては対等であると考えます。

必要以上に自分を卑下する必要はありません。例えば、「つまらない意見かもしれませんが」 で話し始めるのではなく、「重要な話なので聞いてください」 と自信を持って伝えます。

自分の立場が上 (上司や年齢が上の場合) であっても、相手には相手の考え方や気持ちがあることを尊重します。相手の言い分に真摯に耳を傾け、話し合いに望む姿勢が大事です。

自分が持つ自己表現の権利と相手の自己表現の権利の双方を尊重し、その上で対等であることを忘れないようにします。上から目線でもなく、卑下することもなく、自信を持って伝えるのです。

意見が食い違うことは当然としてあります。「では、どうすればいいだろうか」 と未来に向かって一緒に話し合う姿勢が、アサーティブでは大切です。

2015/11/05

金融資産の3年トレンドから考える2016年の投資方針




毎月の始めに、自分の持っている金融資産の状況を確認しています。

全ての数字をシートに記入し、今の時点で自分の資産がどうなっているかをざっくりと把握できます。月初めに毎月行なうので、過去の前月末の状態がトレンド化されます。毎月のシートの更新は、時間にして10分くらいの簡単な集計です。


保有する金融資産のカテゴリー


自分が保有する金融資産を、5つのカテゴリーに分けて管理しています。2015年10月時点でのそれぞれの内訳は、次の通りです。

  • キャッシュ:財布や家にある現金、銀行口座の預金、証券会社の MRF
  • 日本株式:主に日本株式に投資するアクティブ投資信託、個別株
  • 外国株式:先進国と新興国のインデックス投資信託
  • 外国債券:海外債券の投資信託、FX
  • 年金:国民年金と厚生年金、個人型確定拠出年金 (401k)


金融資産額の3年トレンド


2015年10月の最新の数字を反映しました。毎月の更新は3年以上続けていて、ここ3年の金融資産額の推移は以下のようになりました。2013年、2014年、2015年の10月末時点での金融資産額です。

2015/11/03

本当の顧客は 「顧客の奥にいる顧客」




2才の娘の予防注射のため、かかりつけの小児科に行ってきました。


大泣きだった予防注射


注射前の診察では機嫌よく先生に診てもらいました。しかし、これから注射をするのがなんとなくわかると、前に痛かったのを思い出すのか怖がり始めました。

2015/10/31

子ども用の貯金には、投資信託での自動積立 + スポット積立




2015年10月下旬、2人目の子どもが生まれました。

子どもの誕生に祝い金をもらいました。祝い金から、出産に伴う入院費や内祝い等の支払い分を差し引くと、いくらかのまとまったお金が残ります。

余ったお金は、投資信託への積立にまわしています。この投資信託は子ども専用分として運用していて、自分が使っている投資信託とは分けています。


子ども用の貯金を投資信託で


親が子どものお金を貯金する場合、一般的には、銀行の普通または定期預金口座に預けることです。私の場合は預金口座ではなく、信頼できると判断した投資信託に子どもの貯金用としてお金を入れています。

もちろん預金口座に比べ、増える/減るという不確実さ (リスク) があります。このリスクは取れると判断し投資信託を使っています。

具体的には、以下のような積立をしています。

  • 毎月一定額を自動積立。例: 子ども1人につき毎月1万円
  • 4ヶ月ごとの児童手当が支払われたらスポット投資
  • 誕生日や入学等のお祝い金、お年玉をもらえたら、使って残った分をスポット投資


子ども用に使っている投資信託


子ども用の貯金 (資産形成) に使っている投資信託はひふみプラス、証券会社は楽天証券です。

ひふみプラスについて補足です。

姉妹ファンドである 「ひふみ投信」 は自分の資産運用のために投資をしています。

子ども用にひふみプラスを使っている理由は、自分と子どもの分を区別したいのと、ひふみプラスのほうが購入を柔軟にできるからです。ひふみ投信へのスポット投資する場合は、銀行口座からひふみ投信の指定する銀行口座 (三菱東京 UFJ) への振り込みをすることでできます。この振り込み手続きがやや面倒に感じたためです。

なお、ひふみ投信には子どものためのくるみ口座があります。これも考えたのですが、口座開設が別途必要だったので、すでにあった楽天証券からできるひふみプラスにしました。

当分の間は、子ども専用の貯金としてひふみプラスに入金を続けるつもりです。引き出し (投資信託の解約) をするケースは以下です。

  • 教育費としてまとまったお金が必要になった時。例: 高校や大学入学金、受験費用、留学費用
  • その他まとまった支出が発生した時。例: 病気や怪我による手術/入院費用、損害賠償


ジュニア NISA は使い方に合わない


子どもへの貯金として、他に候補としてあるとすれば2016年4月からはじまるジュニア NISA です。

2015年10月現在では、これまで書いたような目的でジュニア NISA は使わない方針です。現時点ではまだ開始されていないのと、決定的な理由は18才まで払出不可だからです。つまり、子どもの年齢が18才になるまでは現金化できないのです (2016年開始時点) 。

途中での払出しもできるようですが (災害時等を除く) 、その場合、生じた利益に対して遡及して課税されるとのこと。NISA の非課税メリットが享受できないです。

18才まで払い戻しができないというジュニア NISA の趣旨は理解できます。ただ、上記の引き出しイメージで挙げたように、自分の使い方に合わないです。

2015/10/28

分析で比較する時、その 「分け方」 に意図がありますか?




分析の本質は、比較することであると考えています。


比較をするために分ける


何かと何かを分けて比較することで、はじめて多い/少ないなどの違いがわかります。例えば、同じものを前月や前年と時系列で比べることであったり、男女や年代ごとに分けての比較をします。

比較するために 「分ける」 ことが分析のキモであり、「何のために、どのように分けるか」 の工夫が重要な意味を持ちます。分け方にこそ、分析者の力量が問われます。


単に思いつきで分けていないか


分けることに注意が必要なのは、単なる知的興味からの思いつきでの分解にならないようにしたいことです。

より適切に分けるためには、もう一歩踏み込んで考えるべきです。つまり、特にビジネスでの分析では、何がわかれば実行可能でかつ意味のある結論を導き出せるかを、常に意識することです。

分けることの背後には、分けることで要因ごとに理解でき、そこから仮説や意思決定ができるという、ビジネス上意味のある結論を導き出そうとする明確な意図があるべきです。

分析の目的は、興味があるから分析するのではありません。ビジネスとしての判断を助け、効果的な打ち手を生むことを期待するから分析するはずです。


目的や意図を持って分ける


どんなに高度な分析をしても、その結果が有効な打ち手につながらなかったとしたら、ビジネスへのインパクトは小さくなってしまいます。

ビジネスにおいて役に立つ分析や使える分析結果とは、実際の効果が生まれるところまで掘り進めた分析のことです。「使える」 ところまで追求しないと、せっかくの分析結果も絵に描いた餅になりかねません。

例えばユーザー分析において、性別年代で分ける、ヘビーユーザーとライトユーザーに分ける、スマホなら利用 OS で分ける。これらの分ける視点は、ある程度の分析経験があれば思いつくものです。

このような各種の 「分ける」 ことについて大切なのが、分けて比較分析した結果や得られるであろう示唆はアクションにつながるのかです。単なる知的好奇心ではなく、目的や意図を持った分け方になっているかは、常に心がけたいことです。

2015/10/24

soundPEATS Q9A Bluetooth イヤホンが、ランニングにはぴったりでした




3ヶ月前に (2015年7月) 、ランニングを始めました。始めた経緯や開始直後の身体の変化などはこちらです。

ランニングを始めたことで変わった身体のトラッキングデータ

毎日、20分くらい走っています。距離で 5km ほどになります。

ランニング中は、ポッドキャストでラジオ番組を聞いています。Android を使っているので、Podcast アプリは Podcast Addict を使っています (有料版を利用) 。いくつか試し、このアプリが一番使いやすかったです。iOS を使っていた当時は、Apple 純正のポッドキャストアプリではなく Instacast を使っていました。


ランニング中のイヤホンが不便


ポッドキャストを聞きながらのランニングで不便だなと感じてたのはイヤホン (コード有) でした。具体的には、以下です。

2015/10/22

コツコツ型の資産運用のはじめ方




少し前にある方から資産運用の相談を受けました。

相談時の状況は、金融資産のほぼ 100% が現金、普通または定期預金として銀行口座にありました。株式等のリスク資産は持っていませんでした。その方はアラサー女性です。

今回のエントリーでは、その時にアドバイスした 「資産運用のはじめ方」 をご紹介します。

2015/10/18

デメリットを補って余りある公共図書館の提供価値




本を読むのが好きです。普段は通勤電車がもっぱらの読書時間です。


毎週図書館を利用


2015年現在、ここ3年くらいは本は買うよりも、図書館で借りて読むほうが多くなっています。

週末の土日のどちらかは毎週、図書館に行っています。図書館は、自分の生活で欠かせない存在です。

私は東京都内に住んでおり、利用している図書館は区立図書館です。区内には10以上の図書館があります。利用しているのはそのうちの1つです。

区内の図書館は連携していています。予約がネットからでき、最寄りの図書館に予約した本がなくても (貸出中 or その図書館には置かれていない) 、他の図書館にあれば取り寄せてもらえます。行く図書館は最寄りの1つだけですが、実質は区内の全ての図書館を利用できるようになっています。


図書館のメリットとデメリット


1人の読者の立場で考えたとき、図書館から本を借りて読むのと本を買って読むのとでは、それぞれにメリットとデメリットがあります。

2015/10/16

もうすぐ生まれる子どもの名前の決め方




二人目の子どもが、あと1ヶ月以内で生まれる予定です (2015年10月現在) 。

女の子のようで、性別判定もほぼ間違いなさそうです。そろそろ名前を決めたいタイミングです。

今は候補の名前をいくつか絞り出せた状況です。名前の候補を絞っていく中で、判断基準があることに気づきました。今回のエントリーでは、子どもの名前を決める判断基準をご紹介します。

2015/10/13

資産運用として使っている投資信託と、株式や債券に投資し資産運用をする理由 (2015年現在)




毎月一定の金額を資産運用にまわしています。投資信託を利用し、自動積立を設定しています。

今回のエントリーでは、毎月の自動積立先である投資信託のご紹介と、なぜ資産運用をしているかの理由をご紹介します (2015年10月時点) 。

2015/10/10

専門外の自分が人工知能 「ディープラーニング」 に注目する理由 (2015年現在)




2015年現在、人工知能 (AI) で最も注目されているのはディープラーニング (Deep learning / 深層学習) です。


ディープラーニングを使った Google の 「ネコ認識」 研究


ディープラーニングとは何かを理解するには、グーグルが2012年に発表した 「ネコ認識」 の研究がわかりやすいです。

グーグルの公式発表 (2012年6月)
Official Google Blog: Using large-scale brain simulations for machine learning and A.I.

発表論文 (PDF)
Building High-level Features Using Large Scale Unsupervised Learning - unsupervised_icml2012.pdf

研究で実施されたことを簡単に書くと、次の通りです。

2015/10/07

書評: ビジネスに役立つ 「商売の日本史」 講義 (藤野英人)




過去の歴史を学ぶ意義はどこにあるのでしょうか。過去の人間の営みを知り、現代に役立つ教訓や知恵を得ることです。

今回ご紹介したい本は ビジネスに役立つ 「商売の日本史」 講義 です。



本書の特徴


この本は、日本史を、商売やお金の動き、つまり経済という切り口で書かれているのが特徴です。日本の学校教育での歴史は、主に政治観点で教えられます。政治の視点から歴史を解釈することも大切です。

しかし、政治という切り口だけでは、政治的な出来事が起こった背景が十分に理解できない場合もあることが、本書を読んでわかります。

政治と経済は密接に結びついており、政治的な動きのバックグラウンドには、経済の変化が起こっています。あるいは、時の権力者 (例: 幕府) による経済施策が人々の生活に強い影響を与え、それが政治の変化 (例: 幕府の力が弱まりやがて倒幕へ) につながります。


日本の歴史は外向きと内向きが繰り返された


本書のベースとなっているのは、著者である藤野英人氏の大胆な仮説です。

「日本のお金は『外向き』と『内向き』の間を時代ごとにスイングする」 という仮説です。

本書では、内向きを 「ヤマヒコ」 、外向きを 「ウミヒコ」 と表現します。ヤマヒコとウミヒコは、古事記や日本書紀に登場する兄弟の神さまです。2人は対照的な性格をしています。



ヤマヒコ政権 (内向き) の特徴


ヤマヒコは国内志向です。経済は内需が栄えます。

典型的なのは鎖国を敷いた江戸幕府です。他には鎌倉時代や戦後の自民党政治にもヤマヒコの要素を見ることができます。昭和においては、道路などのインフラ整備が国家政策として推進されました。田中角栄の日本列島改造論がまさにそうです。


ウミヒコ政権 (外向き) の特徴


ウミヒコは、海外志向です。貿易に力を注ぐ傾向があります。

例えば、日宋貿易で権力を得た平清盛、日明貿易の室町時代、織田信長や豊臣秀吉などの戦国時代です。本書によれば、開国後の明治以降から戦前までもウミヒコの特徴があったと言います。


ヤマヒコとウミヒコが影響されたもの


日本が、ヤマヒコまたはウミヒコとなることに強い影響を及ぼした1つに、その時代の中国大陸の政権がありました。大陸に権力の強い政権や漢民族政権であればウミヒコ政権 (外向き) に、一方で弱い政権や非漢民族政権であればヤマヒコ政権 (内向き) になったようです。

政権がどの地域に基盤を置いたかにも影響を与えました。外向きや中国大陸との関係が強いウミヒコでは西側地域に、内向きのヤマヒコでは東京などの東側地域が中心となります。


時代ごとにヤマヒコとウミヒコが繰り返した


日本史を大きな流れで見ると、時代ごとでヤマヒコの性格が強い日本、ウミヒコの性格が強い日本が現れます。おもしろいと思ったのは、それぞれの特徴が交互にスイングするかのように、現代に至るまで歴史を重ねてきたことです。

ヤマヒコとウミヒコの時代・特徴を本書から引用すると、以下のようになります。




歴史から学ぶ現代への教訓


本書のもう1つの特徴は、各時代の出来事について、経済視点からの教訓を筆者が示してくれることです。「歴史に学ぶ経済法則」 として20個の教訓が書かれています。

歴史を学ぶことの意義は、過去の人間の営みを知り、現代に役立つ教訓や知恵を得られることです。本書では、現代への特にビジネスへの示唆が多くあります。本書のタイトルには 「ビジネスに役立つ」 とあります。


お金の流れの方向を見極めよ


印象深かったものを1つご紹介します。著者が示す経済法則として 「お金の流れの方向を見極めよ」 です。

武士として初めて律令の最高位である太政大臣となった平清盛の話です。

平清盛は現代にも通じることを先駆的に行ないました。瀬戸内海を支配し、物流とそこでのマネーサプライを握ったのです。

清盛は貿易のための港を整備しました。当時の中国大陸を支配していた宋との日宋貿易から、多額の富を生み出しました。

瀬戸内海というお金とモノと人が集まるプラットフォームを構築したのが平清盛だったのです。平家は、貿易から様々なものを輸入しました。宋銭、陶磁器、薬品、香料、書籍などです。

現代への示唆として、よりお金の多く集まる分野で経済は発展することです。どこに、どういう意図でお金が向かっているのか。企業レベルでも、個人レベルでもこの視点は大切です。

中世に琵琶法師が語り継いだ 「平家物語」 で、源平の戦いでは平清盛は悪役として語られました。しかし、「経済」 という視点で見ると、平清盛は違った一面を見せてくれます。

平清盛は、瀬戸内海での貿易活動を活性化させることで、「お金の流れをつくり、それを支配する」 ことを先駆的に行った稀有な人物だったのです。



2015/10/03

人間としての信頼、仕事からの信頼




サッカーの内田選手の著書 僕は自分が見たことしか信じない に、印象的なことが書かれていました。人から信頼を得るために、どのように考えるかです。

サッカーに限らずチームスポーツにおいて、最も大事なことは周りから信頼を得ることだと思う。そのために僕が心がけていることは、練習をまじめにやる。文句や愚痴を言わない。普段からありのままの自分でいること。これは意識してやるようにしている。

でも、プロの世界ではこれだけじゃ足りないんだ。人間としては信頼を得られるかもしれないけれど、選手としては信頼を得るためには、やはり試合で結果を出して、実力を認めさせなければいけない。どこの国でも、どこのチームでも、そうしなければ本当の意味で信頼を得ることはできない。

2015/09/29

「我が身を正すこと」 はリーダーシップの出発点




「荀子 (じゅんし) 」 という古典には、次のような言葉があります。

原 (みなもと) 清ければ則ち流れ清く、原 (みなもと) 濁れば則ち流れ濁る

現代語訳は、源が清ければ下流は清く澄んでいるし、源が濁れば下流も濁る。意味は、「根本を正すことが肝要であり、上が正しくなれば下は自ずと正しくなる」 です。


リーダーこそ 「我が身を正せ」


荀子のこの言葉は、リーダーシップの教えであると解釈できます。「上に立つ者はまず我が身を正せ」 ということです。

2015/09/25

雨の日の通勤に、防水スニーカーが期待以上の働き




平日の朝、雨が降っていると少し気持ちが下がることがあります。


雨の日の憂鬱


雨そのものが憂鬱にさせると言うよりも、雨の中を通勤するときに靴が濡れてしまい、中の靴下まで塗れてしまうであろうことが、そうした気持ちになる原因です。

靴下が濡れた状態でその日の午前中を過ごす時の不快感は、少なくない人が経験したことはあるのではないでしょうか。


雨用のグッズはあるけれど


雨の時の外出で、対策として使えるものは、傘、レインコート、防水長靴、(足元やバッグのカバーなどの) 防水グッズ、防水スプレーです。

どれも一長一短があります。足元の防水用としては長靴が有効でしょう。しかし、男性用の長靴を履いて会社に行きたいとは思えません。防水性は高いと思いますが、そのメリットよりも、デザインと防水以外の機能性の低さが勝ってしまうのです。

これまでは雨の日の通勤には、基本的には傘だけを使っていました。

最近はゲリラ豪雨と呼ばれる突発的な大雨も起こります。その時に屋外にいる可能性もゼロではありません。傘では頭部や上半身が濡れることは防げても、大雨の中を歩くと足元の靴は確実に塗れてしまいます。


防水スニーカーを購入


そんな状況をなんとか防げないかと思っていました。先日、初めて防水スニーカーを買いました。





購入した理由


見た目は普通のスニーカーです。言われないと防水スニーカーとはわからないところが購入理由の1つ目です。

もう1つの買った理由は、防水機能でした。靴底から 4 cm の高さで水に靴が浸かっても、およそ 4 時間は防水状態が保てるとの説明を見て、購入を決めました。

現実的に、東京での日々の生活において、4時間も水の中に浸かることはありません。ただ、それくらいの防水機能があれば、自分の求める 「通勤で雨の中を歩く時に、靴の中に雨が染み込まないこと」 というニーズは満たせると思ったわけです。


期待以上の働き


2015年の9月は、前半は全国的に雨量の多い月でした。そんな状況で、防水スニーカーを使って通勤や外出をしました。

買った防水スニーカーは期待通りの働きをしてくれました。表面は雨をかぶりますが、中まで水が染みこむことはありませんでした。強い雨の日の午前中に起こっていた、靴下が濡れた不快感は一度もなかったです。

防水スニーカーでの歩きやすさは悪くはないです。ウォーキングやランニング用スニーカーほどの歩きやすさはありませんが、普通のスニーカー程度で、歩きにくさなどの違和感はありません。


 「防水スニーカー + レッグカバー」 がベストか


靴と靴下の雨対策は、防水スニーカーで実現できました。残る課題としては、パンツ (ズボン) の裾から膝下にかけての部分が雨で濡れることをどう防ぐかです。これには、トレッキング用のレッグカバーを使っています。




防水スニーカーほど雨を完全に防ぐことはできません。しかし、レインコートを使うのは面倒だと感じるし、長靴よりも簡易的に使えます。総合的に考えてレッグカバーが良いです。

雨の日で、特に雨量の多い時の通勤には、傘をさし、足元は 「防水スニーカー + レッグカバー」 の組み合わせです。今のところベストな方法です。

2015/09/22

Google X 統括のアストロ・テラー氏が説く 「早めに失敗すること」 の大切さ




2015年9月に、都内で 「2030年の都市の未来像を語る」 シンポジウムが開催されました。


Google X の統括者が講演


基調講演に登壇したのがアストロ・テラー氏でした。同氏は、グーグルで自動運転車などの新規事業を開発中の研究機関 「Google X (Google X Lab) 」 を統括しています (2015年9月現在) 。

 「Google X」 統括のアストロ・テラー氏、都市の未来像について講演 - INTERNET Watch

この記事で、テラー氏のプロフィールは次のように紹介されています。

Google X の統括者であり、同組織において “ムーンショット (アポロ計画の月面着陸に匹敵するほどの壮大な挑戦や課題) 号艦長” という肩書も持つテラー氏。

機械学習を用いた投資マネジメントや、ウェアラブルデバイスを利用した身体モニタリングを行なうビジネスなどを起業するなど、科学者や発明家、起業家などの側面に加えて、小説や脚本の執筆を行なうなど、多彩な活動を展開している。


実際に試して失敗する


シンポジウムの中でテラー氏は 「早めに失敗する」 ことの大切さを強調しました。興味深かったので、以下に同じく INTERNET Watch の記事から引用します。

もう1つ重要なこととして、「できるだけ現実の世界に出て行って試すこと」 を挙げた。

「学習して早く改善するには、実際に経験することです。オフィスの中で頭をかきながら『世の中はこうだろう』と想像するだけでは無理があります。Google X が行っている活動で言えば、5~6年前は、自動運転車や空飛ぶ風力発電機、スマートコンタクトレンズのベータテストなどは無理だと思われていました。ところが我々は、すでにこれらを世の中に出して試しています。そして大いに失敗することによって、そこから学べるわけです。学びを活かして、さらに改善する、これを繰り返していくことが大事です。」

テラー氏は、都市についても 「テストをして失敗し、そこからフィードバックを得る」 というサイクルを行なうべきだと語った。

「都市の将来を完全に予測できる人はいません。専門家がある程度の予測を行なうことはできますが、絶対とは言えない。それを考える唯一の方法は、試してみることです。失敗はできるだけ早期に起こったほうがコストがかからないので、『失敗してもいいのだ』という環境を作ることが大事です。また、テストを行ったときに、問題を早く見つけた人に報酬を与えることも必要です。」

テラー氏は 「実際に試して失敗すること」 の大切さについて言及した。

「失敗には、良い失敗と悪い失敗の2種類があります。かなりの金額を使ってから起こる失敗が悪い失敗です。創造性を持ち、予防策としてたくさんの“良い”失敗をできるだけ早く経験することが大事。」


良い失敗


テラー氏の失敗を重視するコメントを読んで思ったのは、ポイントは2つあるということでした。

1つ目は、失敗は全て悪いことではなく、「良い失敗」 と 「悪い失敗」 があると認識することです。記事内のテラー氏の指摘から、「良い失敗」 の特徴は次の通りです。

  • できるだけ早い段階で起こる失敗。小さな失敗
  • 失敗から学びがある。学びを次に活かせる

悪い失敗とはこの2つの裏返しです。かなりの金額を使って後から起こる失敗。失敗から何も得るものがなく次につながらないものです。


失敗が受け入れられる環境


テラー氏が述べているように 「失敗してもいい」 という環境を用意することも重要です。何かを始める前に失敗してもいいと思えることで、失敗を恐れずチャレンジすることができるからです。

そのような環境にするためには、評価基準を変えていく必要があります。安全運転をするだけの人ではなく、リスクに挑戦する人や失敗にくじけず次の成功に向けてチャレンジし続ける人が高い評価を受けるべきです。

失敗が許容されている環境では、早期の段階での失敗が発見されやすいと言えるでしょう。また、難しいことや新しいことに挑戦する土壌もつくられます。失敗しないということは、チャレンジしていないことと同じです。


失敗から何を学ぶか


ポイントの2つ目は、失敗から何を学ぶかです。失敗を単に失敗で終わらせるのか、それとも、失敗から何を学べるかが、失敗の次への分岐点になります。

失敗が結末になってそこから何も生まないのが前者であり、後者は失敗をあくまで成功への1つのプロセスと考えます。後者について別の見方をすれば、失敗が起こった時点ではまだその失敗は、悪い失敗にもなり得るし、良い失敗にもすることもできます。

つまり、良い失敗にできるかどうかは、失敗後の本人や当事者たち次第なのです。

失敗の受け取り方や、そこから何を学んだか。それらを経験として蓄積し、(失敗という) 具体例を抽象化し応用が効く知識として保存する。

自分たちのスタンス、失敗の評価、学んだことを次にどう活かしたか。失敗後の行動次第で、その失敗は良いものにも悪いものにもなる可能性を秘めているのです。


最後に


失敗やミスをすると、その瞬間は自分に対して嫌悪感であったり、すぐには肯定的になれないものです。誰もがそうした経験をしています。

そこで失敗に目をつむったままで終わるのか、その失敗を自分の 「資産」 にできるか。テラー氏の講演内容で語られたことを見ると、この差は一見すると紙一重なのかもしれません。ただ、その積み重ねはやがて大きな違いになるでしょう。

2015/09/21

書評: 入門 考える技術・書く技術 (山崎康司)




あることがらをロジカルに考えられているかどうかを自分で確かめるには、文章で書いてみる方法が有効です。


文章に書いて確かめる


すでに頭の中で論理展開の流れができていれば、書いていても途中で詰まることはありません。一方、自分の中で整理されていると思っていたことも、書いてみると途中で止まってしまうことがあります。ロジックがまだ不十分であると気づくわけです。

文章を書くことにおいて、特にビジネスで求められるロジカルな文章については、書く前にどれだけ考えられているかが重要です。

2015/09/19

書評: 決定版 日本史 (渡部昇一)




日本の歴史を俯瞰するのに、興味深く読めた本が 決定版 日本史 でした。



本書が他にはない価値を持っていると思うのは、国体という日本の国の原理原則がどのように変化をしたか、これを 「皇室のあり方の変化」 から日本史を解釈しようとしている点です。


王朝が断絶していない日本


世界的に見て日本の歴史が持つ特徴は、日本が建国され現代に至るまで、たったの一度も王朝が断絶していないことです。

2015/09/13

経済新聞紙 Economist の電子版と紙でのプライシング調査がおもしろい




経済新聞紙 Economist が、電子版と紙の価格調査を実施しました。


Economist の価格調査


調査対象者は MIT’s Sloan School of Management の生徒100人です。100人の生徒に2つの購読プランからどちらを選ぶかを調査しました。プランは 「電子版 59ドル」 または 「紙+電子版 125ドル」 です (価格は1ヶ月の購読料) 。

結果は、7割弱が 「電子版 59ドル」 を選びました。

  • 電子版 59ドル         :68人
  • 紙+電子版 125ドル :32人
ソース:A user test on decoy pricing: steer decisions and increase conversion - Usabilla Blog

結果は妥当でしょう。紙と電子版の両方は、電子版だけの2倍以上の価格になります。紙版には、電子版以上の値段は払えないと判断されました。

調査では、購読プランをもう1つ増やして聞いています。紙だけで125ドルを加えました。紙版で125ドルは、紙+電子版と同じ価格設定です。

2015/09/12

書評: レポートの組み立て方 (木下是雄)




レポートの組み立て方 は、1994年に発売された本です。



本書の内容


内容紹介を引用します。

レポートの役割は、事実や情報を取捨選択して整理し、それについての作成者の意見を加えて、読み手にわかりやすく伝えることである。

そのためには、事実と意見を区別することを学ぶとともに、伝達手段としての言語技術の訓練が欠かせない。『理科系の作文技術』で話題をよんだ著者が、豊富な具体例をもとに、そのノウハウをわかりやすく説く。


良いレポートの条件


本書で示されている良いレポートは、次の3つを満たしていることです。

2015/09/10

Google で活躍する 「ラーニングアニマル」 とは?




How Google Works - 私たちの働き方とマネジメント という本は興味深く読むことができた本でした。



本書の内容


内容を簡単に表現すると、次のようになります。

グーグルが求める人材である 「スマート・クリエイティブ」 を同社がいかに大切にしているか、彼ら彼女らが持つ能力を最大限に発揮するためにどういう環境や仕組みをつくり上げてきたのかです。

グーグルの企業文化、採用を非常に重視していること、人事や組織のあり方。スマートクリエティブに自由と権限を与え絶え間ないイノベーションをいかに実現するかです。


グーグルが大切にするスマートクリエイティブ


本書の一番のキーワードは 「スマート・クリエイティブ」 です。本書から引用すると以下の特徴を持っています。

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