2015/12/31

2015年を振り返る




2015年も大晦日、残すところあと1日です。今年最後のエントリーでは、自分のできごとについて、1年を振り返ってみます。

次女が誕生


秋に二人目の女の子が生まれました。

一人目と同じく、立ち会い出産をしました。長女の時に比べるとお産もスムーズでした。陣痛から病院へ向かい、その後の分娩台までの時間も長女の時と比べると半分くらいでした。生まれてからも元気で、その後も日々成長しています。

すぐ後に触れますが、妊娠初期に一時期は流産の可能性もあり、無事に生まれてきてくれて本当によかったと思っています。

娘との二人暮らし


次女の誕生に前後しますが、妊娠初期に早期破水が起こりました。

病院に直行し、診断の結果、そのまま緊急入院となりました。妊娠17週目というタイミングでした。もしこのまま破水が続くようであれば、胎内で赤ちゃんは生きられないだろうと担当の医者から告げられました。

破水が小康状態になったとしても、通常よりも明らかに早いタイミングで早期出産になる可能性がありました。その場合、低くない可能性で何らかの障害を持って生まれることも伝えられました。

妊娠22週目未満であれば、今後の母体も考えると堕ろすことも選択肢の1つとのことでした。

私自身は、その選択はなく、またたとえ障害を持って生まれても自分の子には変わらないので、なんとか生んでほしいと考えました。

母体には絶対安静が必要とのことで、妻が長期で入院を続けることになりました。その間、1才の長女との二人暮らしをすることになります。

周囲からは二人でやっていけるのかという声もありました。しかし、自分の中では逆に火が付き、ただ一人だけ妊娠継続と出産を言い続けたことで、長女と二人で暮らすことに腹をくくれました。

娘の保育園の送り迎えに加え、家事全般もやることになりました。娘は寂しがり、普段よりも甘えたりすることが多くなりました。

それでも、なんとか二人で暮らせたのは周囲のおかげでした。家族、保育園や同僚のサポートにあらためて感謝です。無事に次女が生まれたことは、今年1年の最もうれしい出来事でした。

長女にとって、おそらく彼女の人生の中で、最も父親と長く一緒に過ごした時間になりました。

長女はまだ2才になる前後の時期だったので、この間の記憶がどこまで彼女の中に残ってくれるかです。あの二人暮らしの日々は残らないのかなと思うと、少し残念ではあります。

毎日のランニングとウォーキングが習慣に


2015年7月にランニングを始めました。毎日続けられ習慣になりました。ランニングとウォーキングでどういう変化があったかは、こちらのエントリーで分析しています。

ランニング開始4ヶ月のトラッキングデータを使った統計分析

資産運用


2015年の資産運用のトピックは3つです。

1. 資産配分の目標見直し

資産配分 (アセットアロケーション) の3年トレンドから、今後の方針を確認しました。この先の 1-2 年はリスク資産への投資を少し増やすことを考えています。以下は関連エントリーです。

金融資産の3年トレンドから考える2016年の投資方針

2. 子どもの将来資金は投資信託で運用

誕生祝い・お年玉・公的な児童手当などから余った分は、投資信託にスポット投資をすることにしました。それとは別に毎月一定額を自動積立として投資しています。こちらが関連エントリーです。

子ども用の貯金には、投資信託での自動積立+スポット積立

3. NISA 運用を開始

2015年10月末に申込み手続きを始め、11月末に NISA 口座を開設しました。NISA を資産運用の中でどう位置づけるのかも、決めました。

NISA はじめました。開設プロセスと NISA 活用方針 (2015年末時点)

仕事はとても充実できた1年


2015年の今年、プロモーション (昇進) することができました。転職して2年という期間なので、順調と言えば順調です。

プロモーション自体はもちろん喜ぶべきことなのですが、1年を振り返った時にそれ以上に充実感があるのは、プロモーションをきっかけにより仕事が楽しくなったことです。

プロモーション前後で、表面上は自分の責任範囲は特に変わってはいません。ただ、自分の中で、より責任感が生まれ、仕事が今まで以上におもしろくなりました。

その理由を考えてみると、プロモーションに恥じないようにしたいと思い、何より後押ししてくれた上司に対して泥を塗ることはできないという気持ちから、仕事により責任感が持てたからです。

良い循環になったのは、仕事で何を実現したいかも明確になり、それに向けて集中でき、充実した仕事できました。

最後に


2015年の今年最後のエントリーでは、自分自身のことの1年間を振り返ってみました。

実は、このようなエントリーはこれが初めてです。今までは私自身のことを振り返っても、それは読み手にとって知りたい情報ではないと考えていたからです。

別の考え方をするようになったのは、他のブログ等で振り返りのエントリーをいくつか目にしたからでした。書いている人への理解がより具体的になり、共感できることや自分とは違う面に触れることで、自分のことを見直すきっかけになりました。

この体験を通して、自分からも何か一つでも役に立つことがあるのではないかと思い、振り返りエントリーを最後にアップしました。

2015/12/29

2015年 ブログへのアクセス状況まとめ




このブログの1年間のアクセス解析です。

ソースは Google Analytics、集計の対象期間は 2015年1月1日 〜 2015年12月28日です。比較対照として、2014年と2013年の同期間を使っています。

ユーザー数やページビューなどの基本指標


訪問ユーザー数のトレンドです。数字が三つ並んでいるのは、15年 ← 14年 ← 13年 という順番で表示しています。

2015/12/27

NISA はじめました。開設プロセスと NISA 活用方針 (2015年末時点)




NISA (ニーサ) を開設しました。開設した証券会社は楽天証券です。

楽天証券で NISA を始めたのは、他に使っている SBI 証券などの証券会社の中で、楽天が最もよく利用しているからです。

NISA 開設のプロセス


事前にこちらで準備するものは、新規での NISA 口座開設だったので「住民票の写し」です。最寄りの区役所の出張所で、自動発行機から入手しました。

楽天証券での NISA 開設のプロセスは以下の通りでした。資料請求から NISA 取引ができるようになるまで、所要期間は約1ヶ月でした。参考として日付を () 内につけています。

  • NISA 資料を請求
  • 資料請求を受付完了のメールが楽天証券から来る (2015/10/24)
  • 資料が楽天証券から発送される
  • 申込書と住民票の写しを送付 (2015/10/30)
  • 申込書等を楽天証券にて受領 (2015/11/2)
  • 税務署にて開設審査
  • 楽天証券から NISA 口座開設完了のお知らせ (2015/11/24)
  • NISA 取引開始

時間のかかるプロセスは、申込書送付 〜 税務署の審査 〜 開設完了 で、3週間ほどかかりました。

NISA のメリット


NISA の魅力は非課税です。

株式等の値上がり益、配当金や分配金に本来は税金がかかります。値上がり益等に対して 20% が税金で (厳密には 20.315%)、この分が NISA であれば 0% になります。

例えば、値上がり益として10万円だった場合、NISA でなければ8万円が利益になります (2万円が税金)。NISA であれば10万円です。NISA は値上がり益や配当金の 100% が自分に還ってきます。

同じ株や投資信託に投資しても、NISA でなければ税金がかかるので、ここに NISA のメリットがあります。

なお、NISA には年間での上限投資額があり、2015年までは100万円、2016年から120万の予定です。

非課税のメリットをどう活かすか


NISA の非課税メリットを活かすために、NISA の使い方は大きくは2つだと思います。

  • 値上がり益を期待し、個別株に NISA 枠から投資する。株価が上がったタイミングで売却
  • 配当金/分配金の多い銘柄や投信信託を買い長期保有。保有期間中の配当金や分配金を非課税にし NISA メリットを享受

前者は数ヶ月〜数年くらいの短期的/中期的な運用になるでしょう。後者は数年以上の長期スパンで考えるものです。

私自身の NISA の使い方は、個別株への投資は NISA ではしません。NISA でというよりも、資産運用にあたって、個別株への投資はやらない方針です。

理由は、個別株の運用はリスクが自分にとって大きいのと、何よりも適切な個別株を選定する能力が自分になく、またそのために時間を使いたくないからです。これは NISA にかぎらずです。

後者の配当金や分配金については、以下の理由から、こちらも自分の NISA の使い方にはならないと考えています。

配当金や分配金は、その時点での会社や投資信託が得た利益の一部を、投資家に現金として還元するものです。一方、もしその還元分を投資家ではなく、自社への投資 (設備投資など) 、投資信託であれば保有銘柄に再投資すれば、将来により大きな投資結果になる可能性があります (もちろんその逆もあります) 。

私自身は、配当金という投資家への都度の還元ではなく、後者の再投資をしている投資信託がよいと考えています。現在、投資している投資信託はどれも分配金は発生していません。

こうした理由から、NISA 活用の2つ目として書いた、長期で保有する期間中に配当金と分配金への非課税メリットも、自分の使い方とは異なるのです。

NISA 活用の方針 (2015年末時点)


では、NISA の活用方針としてどう考えているかというと、毎月の自動積立投信に NISA を使います。

NISA ではないの従来の運用は、基本的には保有を続けていました。NISA については、あらかじめ値上がり幅を決めておき (例: +10%) 、それを超えれば売却します。自動積立をする投資信託の、売却益に対する非課税が NISA メリットになります。

売却後も、毎月の自動積立は継続されるので、また1から積立が始まります。これまでの積立 → 保有に比べると、積極的な資産運用です。

なお、資産価値が減少し、投資分よりも下がった場合は、売却ではなくそのまま保有することを考えています。

この NISA 活用の方針は、ベストとは言えないのが正直なところです。あくまで 2015年末時点のものです。まずは2016年をこのやり方でやってみて、変えたほうがよいと思えば、変えていくつもりです。

最後に、NISA での積立投信をご紹介しておきます。リンク先はモーニングスターの情報ページです。() 内は毎月の NISA 投資分に占める割合です。


2015/12/26

Bluetooth のコードからの解放がもたらした価値




2015年に買ったもので、利用価値が高く満足度の高かったものが Bluetooth のイヤホンとスピーカーでした。

ランニングに重宝している Bluetooth イヤホン


毎日ランニングで Bluetooth イヤホンを使っています。走りながら Podcast を聞くためです。

Bluetooth イヤホンを買う前はコード付きイヤホンを使っていました。しかし、イヤホンのコードが、普段使っているよりもランニング中は特にわずらわしく感じました。

そこで買ったのが Bluetooth イヤホンでした。soundPEATS (サウンドピーツ) Bluetooth ワイヤレスイヤホン ヘッドホン Q9A です。

2015/12/23

Instagram の提供価値 (2015年時点) - なぜあの人はインスタを使うのか




マーケティングにはバリュープロポジションという考え方があります。日本語にすると提供価値です。

バリュープロポジションとは


価値を実感するのは顧客です。提供する側にとって重要な問いは、商品やサービスはターゲット顧客にとってどのような価値を提供しているかです。

バリュープロポジションの要素は3つあります。この3つが全て成立していることがポイントです。

2015/12/19

書評: 論点思考 (内田和成)




論点思考 という本をご紹介します。



そもそも問題設定は正しいか


本書の問題提起は、問題解決の前提としてそもそもの問題設定は正しいか、という視点です。以下は本書からの引用です。

問題解決はビジネスで成果をあげる際にとても重要なものだが、暗黙の前提として「正しい問題」を解いていることを想定している。

しかし、考えてみてほしい。あなたがいま解いている問題、あるいは、これから解こうとしている問題は正しいのか、他に解くべき問題があるのではないかと。

ここを一度考えてみようというのが本書の狙いの一つでもある。

2015/12/16

おもちゃ病院の提供価値




自宅の近所に、「おもちゃ病院」 があります。

おもちゃ病院とは


日本おもちゃ病院協会というボランティア団体が運用している、壊れたおもちゃを修理してくれる病院です。

おもちゃを修理してくれる先生 (ドクター) は、主に中高年のシニア男性です。ボランティアで活動をしています。以下は日本おもちゃ病院協会のウェブページから、活動内容について引用です。

おもちゃドクターの会員は、長年の経験や専門技術を活かすことで誇りを持って地域おもちゃ病院でボランティア活動を行っています。

お子さん達からの 「おじさん!ありがとう!」 の声が嬉しいのです。笑顔がこぼれます。

2015/12/12

「カフェオーナーになることが夢」 に向かって歩き出した女性へのアドバイス




知人からキャリア転向の話を聞く機会がありました。知人は、20台後半の女性です。2ヶ月後の2016年2月に今の会社を退職し、4月から1年間、専門学校に通うとのことでした。

夢はカフェオーナーになること


「学生のときから抱いているカフェオーナーになるという夢に向かって、前に進むことにした」 という決意でした。

食の専門学校で、調理技術だけではなく経営についても学べるようです。週3日で専門学校に通い、学校のない曜日は飲食店で働く予定とのことです。

彼女が今務めている会社も、食に関連する企業です。現在の仕事は嫌いではないものの、「本当に好きなことを仕事にしたくて、今の仕事を続けても夢とは違った方向だし、これ以上、自ら興味を持って成長はできないと思った」 と教えてくれました。

カフェオーナーになって何を実現するか


この話を聞いたときに、伝えたことが2つありました。

2015/12/09

2才の娘のクリスマスプレゼントには、ジグソーパズルではなくブロックをあげたい理由




2才3ヶ月の娘がいます (2015年12月現在) 。

ジグソーパズルの遊び方


娘のお気に入りのおもちゃに、ジグソーパズル、ブロック、積み木があります。親と一緒につくったり、時には自分一人で熱中して遊んでいることもあります。

パズルは30ピースです。特に動物の写真のパズルが好きなようで、パズルを組み立てながら、「これは らいおん」 などと、できあがってくる動物の名前を得意そうに教えてくれます。

30ピースのパズルは、始めの頃はなかなか自分一人では完成できませんでした。何回も遊んでいるうちに、どのピースがどこに当てはめるかを覚えてきたようです。今では、親の手伝いも必要なく、自分一人でできるようになりました。

ちょうどクリスマスも近いので、プレゼントにはもう少し難しいパズルがいいかなと思っていました。30ピースの次は、50ピースがあります。

パズルよりもブロックをあげたい


ですが、娘がパズルで遊んでいるのをあらためて観察していて考えを変えました。ジグソーパズルではなく、別の遊ぶものです。パズルよりも、ブロックがいいと思っています。

その理由は、ジグソーパズルは 「唯一の正解」 があるおもちゃだからです。それもあらかじめ他人が決めた正解です。

30ピースのパズルであれば、30個それぞれのピースの位置や、はめる向きが決まっています。各ピースを当てはめていった後の完成図も答えは1つです。1つでもピースの位置や向きが違うと、パズル全体として完成しないわけです。

パズルを覚え、30ピースでも3分くらいでスムーズに完成させられるようになると、娘のパズル遊びが何かルーチン的な作業のような感じがします。

ブロックがいい理由


一方のブロックで娘が遊んでいるのを見ていると、毎回違うものができあがります。

例えば、一所懸命ブロックで大きなものを組み立てているかと思ったら、娘が言うには誕生日ケーキをつくったとのことでした。その後に誕生日の歌も歌ってくれました。

他には、人形の前に黄色のブロックを並べていたこともあります。何をしているのかを聞くと、お人形にみかんをあげているとのことでした。ブロックを食べ物に見立てることは、特に親から教えられたわけではなく、自分で思いついてのことです。

子どものブロックや積み木の遊びには、大人からすると予想外なものがあり、毎回楽しませてくれます。ブロックには、組み合わせが何通りもあります。唯一の正解となるような遊びはなく、子どもの何かをつくりたいという気持ちを自由に表現できるのがブロックです。

ジグソーパズルにはあらかじめ決められた正解があり、ブロックには唯一の答えはありません。自分の娘への教育方針として良いのはブロックです。今年の娘のクリスマスプレゼントにはパズルではなく、ブロックがいいかなと思っています。

2015/12/06

書評: 中くらいの幸せはお金で買える (藤原和博)




中くらいの幸せはお金で買える という本をご紹介します。



著者は藤原和博氏です。2003年より5年間、東京都内で義務教育初の民間校長として、杉並区立和田中学校校長を務めたことでも有名です。

ここ最近の自分の関心領域の1つが「どうお金を使うか / 何にお金を使うか」ということもあり、本書は興味深く読めました。

1万円から100万円単位のお金の使い方が下手


著者の問題意識を端的に表すのが、以下の引用部分です。

2015/12/02

株式投資も自己投資も本質的には同じ




30歳からはじめるお金の育て方入門 - 貯めながら殖やす新しい習慣 の著者は、自らを草食投資隊とする渋澤健氏・中野晴啓氏・藤野英人氏の3人です。



本書が興味書く読めたのは、「投資」 についてあらためて考えることができたからでした。そもそもなぜ投資をするのかの哲学的な内容が、本書を読み、最も印象に残ったことです。

株式投資とは


投資とは、将来に価値を生むであろうことに対して、自分の 「大切なもの」 を投じることです。

2015/11/29

漠然とした言葉が出てきたとき、さらに深く考える癖がついているかどうか




ビジネスマンのための 「数字力」 養成講座 という本には、次のことが書かれていました。

漠然としたことばが出てきたとき、さらに深く考える癖がついているかどうかが、頭がよくなるかどうかを大きく左右します。

数字で捉える


この本の全体的な内容にも通じますが、ものごとを数字で捉える、表現するかどうかは、日頃から意識したいことです。

2015/11/26

ランニング開始4ヶ月のトラッキングデータを使った統計分析




今から4ヶ月ほど前の2015年7月に、ランニングを始めました。

ランニング開始前後の歩数変化


ランニングを始める前と後の一日の歩数を比較するため、歩数を日ごとでグラフにしたものが以下です。グラフの色は、緑がランニング開始前、青が開始後です。ランニングを始めたのは2015年7月11日です。

2015/11/22

マーケティングに欠かせない 「顧客視点」 をあらためて考えてみる




マーケティングで大切なことは 「顧客視点」 で考えることです。

顧客視点には、いくつかの段階があります。少なくとも二段階あり、同じ顧客視点でも今の自分はどちらで考えようとしているのか、常に自問するようにしています。

今回のエントリーは、2つの異なる顧客視点を考えます。

2015/11/18

仮説だけで事前に報告書を書いてみよう




何かの報告書、例えば調査であったり、出張報告書は、事後で書かれるものです。

調査報告書とは、ある調査の目的があり、調査結果を関係者に報告し共有するためにあります。報告書の作成者は、調査を実施し、そのまとめとして報告書作成に取りかかります。

今回のエントリーでは、あえて逆の発想をしてみます。

報告書を事後で作成する一般的なケースに対して、報告書をあえて「事前に」つくることを考えてみます。

調査を企画する段階で調査結果を仮説として予測し、仮説ベースで報告書概要を書いてしまうのです。

そもそもとして、調査を実施するということは、あらかじめ持っている仮説を検証するのが目的です。その仮説をもとに調査報告書としてまとめておくわけです。

調査をする前に仮説だけで報告書を書いておくことは、次のようなメリットがあります。

1. 仮説が明確になる

1つ目は報告書を書くプロセスを経て、仮説が整理されます。書く前は曖昧であった仮説も、報告書のストーリーを考える中で、具体的にどう曖昧なのかがわかってきます。

さらに、仮説の曖昧な部分が見えてくるだけではなく、曖昧な部分が事前報告書を書く中で明確になっていきます。調査の前に報告書を書くためには、半ば強制的に仮説をクリアにせざるを得ないのです。

2. 調査結果の質が上がる

2つ目のメリットは、調査結果のクオリティが上がります。事前に仮説ベースで報告書をつくってしまっているので、調査結果の分析や考察において何をすればよいかが見えています。

当然、事前に書く仮説報告書の内容(仮説)が、調査結果と異なる場合も起こります。

なぜ仮説と違ったのかを考えることで(仮説を考える際のどの前提が違っていたのか)、より深い検証と考察ができます。事前に仮説だけで報告書を書いておくプロセスで、仮説が明確になっているからこそです。

こうしたことを調査結果をまとめる中で何度も行なうことになります。その過程を経て、調査結果の分析や考察、結論がブラッシュアップされます。

大切なのは、仮説が間違っていてもいいので、何かしらの仮説を調査前に持っておくことです。仮説がない中で調査を実施すると、どこまで調査し検証するのかが、調査中や調査後の分析時にあやふやになってしまうことがあります。ゴールを見失ってしまうのです。

3. 報告書の質が上がる

3つ目のメリットは、事後の報告書の質も上がります。

ゼロから報告書を書き上げるよりも、事前に仮説をもとにつくった報告書があるので、それをアップデートする中で中身も磨かれるのです。

★  ★  ★

これら3つのメリットは、要するに何かと言えば、仮説をつくる → 検証するというサイクルを細かく何度もまわせることです。

調査前に仮説ベースで報告書を書いてしまうことで、(報告書という形にできるくらい)仮説をクリアにできます。

調査が始まり進めていき、事前報告書内の仮説と結果を照らし合わせることで、仮説検証がしやすくなります。場合によっては新しく見えてきた仮説をさらに調査し検証することもできるでしょう。

調査後の報告書を書いていく中でも、当初の仮説と新たにわかったファクトのずれを考えることで、ここでも検証プロセスをまわすことができます。

仮説を考え検証することは、1周では終わりません。細かいサイクルを何度もまわす。これを繰り返すスパイラルになることで、よりブラッシュアップされるのです。


2015/11/14

コンパクトな Bluetooth 音楽スピーカーの価値

自宅で音楽を聴くのに、Bluetooth スピーカーを新しく使い始めました。買ったのは EC Technology 5W ポータブルミニ Bluetooth 4.0 スピーカーです。



音質が十分に満足でき、デザインも気に入っています。コンパクトなサイズで、大きさは缶コーヒーの 3分の2 くらいです。

このスピーカーをパソコンやスマホに Bluetooth 接続し、YouTube、Google Play Music のクラウドにある音楽、あるいは Google Play Music でスマホ内にダウンロードしてある音楽を聴いています。

Bluetooth スピーカー使用することで何より変わったのは、コードから解放されたことです。

これまでは、パソコン等に使うスピーカーは、コードをイヤホンジャックに接続していました。コードをパソコンやスマホにつなぐことは、言葉にすると簡単です。しかしコード接続が面倒に感じ、次第にスピーカーからの音楽再生をしなくなっていました。

もう1つの理由として、スピーカーのサイズの問題がありました。スピーカーをデスクまわりに置くには場所を取り、邪魔だと感じることがありました。

スピーカーを例えば窓脇に置くと、コードが届く範囲にパソコンなりスマホを近づける必要があります。これがまた面倒だったという状況でした。イヤホンはパソコンにつなげて音楽は聴くのに、スピーカーのコードをつなげなくなったのはこれが理由でした。

コンパクトな Bluetooth スピーカーは、この状況を変えてくれました。

コードではなく Bluetooth 経由で音楽データが転送されること、持ち運びに用意なこと、置くのに場所を取らないこと。これらによって、スピーカーの置き場所に自由度が生まれました。

コードをつなぐ手間に比べ、Bluetooth を接続する手間のほうが簡単なため、気軽に音楽を聞ける環境ができました。

使っていてバッテリーも持つ印象です。スペックとしては連続再生時間が 10 時間です。

それと、気に入っているのはスピーカー面が上部にあることです。

スピーカーをどの向きに置いても、音が出る面は常に上からです。置く際に向きを気にしなくてよいのも、手軽に使える1つの要素です。


2015/11/11

プロのビジネスパーソンは、仕事を「つくって、動かし、貢献する」




ビジネスにおいて、プロとして仕事ができているかどうかは、ある判断基準を持っています。

つくって、動かし、貢献する。

これができているかどうかを、常に意識するようにしています。

「つくって」は、自分の判断で仕事をつくりだしているかどうかです。単に上司や同僚から言われたことをその通りに行なうのではなく、主体的に仕事を生み出しているかです。

小さなことでは、たとえ上司から降ってきた作業であっても、仕事を進める中で自分なりの創意工夫を加えたり、アウトプットに期待以上の価値を出すなどです。

もう少し大きなレベルでは、新しいプロジェクトを企画提案したり、新規ビジネスや部門をつくる、あるいは起業することも含まれます。

「動かし」は、自分がつくりだした仕事をさらに価値のあるものにするため、同僚やチーム、クライアントを巻き込んでいくことです。仕事をつくっただけではなく、組織の業務として形にすることです。

大抵の仕事は自分1人で完結せず、他の人との協業で動くものです。自分が「つくった」仕事に他人も巻き込んでいくことは、その仕事がそれだけの価値を持つということです。

自分が提案した(つくった)企画や業務、プロジェクトが認められ、実際に仕事として走りだした。自分だけではなく、さらに他のチームに協力を要請し一緒に働く人が増える。実際にお客さんに提供できる段階になった。

ここまでくると、「つくった」仕事が実際に「動いている」状態になります。

「貢献する」は、動きだした仕事に結果が伴うことです。具体的には、売上がたったり、その仕事によって利益が生まれる状態です。

直接的な売上や利益につながらなくとも、社内の関係部署の役に立つようになった場合も含めています。

自分がつくりだした仕事が、会社やチーム内あるいは組織間でまわるようになり、それが結果として何かしらの貢献できていること。

理想的には、社内や提供される顧客への貢献にとどまらず、業界や社会全体に貢献できていることです。

ビジネスパーソンとして、仕事をつくって、動かし、貢献しているか。今の仕事がどの段階にあり、最終的な「どんな形で誰に貢献するか」をつくる段階から意識しておく。

日々の仕事において、こうした一歩引いて俯瞰した視点を忘れないようにしたいと思っています。


2015/11/08

自分も相手も大切にする「アサーティブなコミュニケーション」のために心がけたいこと




ある雑誌のコラムに、コミュニケーション術の紹介が載っていました。

アサーティブジャパン代表の森田汐生氏による「自分を好きになるコミュニケーション術」です。アサーティブとは、コミュニケーションにおいて自分だけではなく相手も大切に考えることです。

アサーティブを実践するために心がけたい3つのポイントが印象的だったので、ご紹介します。

1. 私たちには自己表現する権利がある

アサーティブなコミュニケーションは、自分が感じること / 考えること / 要望をすることは、基本的な権利として誰もが持っているところから出発します。

「自分は経験が少ないから」「自分はまだ新人だから」などと、言いたいことを引っ込めてしまうことは誰にでもあります。

自分も相手も大切にするアサーティブなコミュニケーションでは、自分の感情や要望を言葉にして表現することは、自分が持っている権利だと考えます。

その上で、実際に伝えるかどうか、自己表現をするかどうかは自分で決められる権利なのです。

2. 自己表現の権利は相手にもある

例えば、思い切って自分の要望を相手に頼んでみても、相手は必ずしも Yes と言ってくれるわけではありません。相手には「断る権利がある」ことを忘れてはいけません。

「私が言ったのだから、向こうはやって当然」とはならないのです。

自分と相手は価値観や考え方、バックグラウンドが異なります。自分はこうだから相手もこうであると考えると、一方的な関係になってしまいます。

そうではなく、「自分はこう思うけど、あなたはどう思う?」と素直に意見を出し合う。意見が食い違うのであれば、一方が押し付けたり我慢することはしない。

お互いがベストな解決策を一緒に探っていこうというスタンスが大事です。

3. 話し合う場面では相手も自分も対等であろうとする

年齢や立場の上下によって、自分が相手よりも上に立ったり下に立つことがあります。

アサーティブでは、自分の立場が社会的や組織上で、上や下であっても、人間としては対等であると考えます。

必要以上に自分を卑下する必要はないのです。例えば、「つまらない意見かもしれませんが」で話し始めるのではなく、「重要な話なので聞いてください」と自信を持って伝える。

自分の立場が上(上司や年齢が上の場合)であっても、相手には相手の考え方や気持ちがあることを尊重する。相手の言い分に真摯に耳を傾け、話し合いに望む姿勢が大事なのです。

自分が持つ自己表現の権利と相手の自己表現の権利の双方を尊重し、その上で対等であることを忘れない。上から目線でもなく、卑下することもなく、自信を持って伝えること。

意見が食い違うことは当然としてあり、「じゃあ、どうすればいいだろうか」と未来に向かって一緒に話し合う。この姿勢がアサーティブでは大切です。


2015/11/05

金融資産の3年トレンドから考える2016年の投資方針




毎月の始めに、自分の持っている金融資産の状況を確認しています。

全ての数字をシートに記入し、今の時点で自分の資産がどうなっているかをざっくりと把握できます。月初めに毎月行なうので、過去の前月末の状態がトレンド化されます。毎月のシートの更新は、時間にして10分くらいの簡単な集計です。

自分が保有する金融資産を、5つのカテゴリーに分けて管理しています。2015年10月時点でのそれぞれの内訳は、次の通りです。

  • キャッシュ:財布や家にある現金、銀行口座の預金、証券会社の MRF
  • 日本株式:主に日本株式に投資するアクティブ投資信託、個別株
  • 外国株式:先進国と新興国のインデックス投資信託
  • 外国債券:海外債券の投資信託、FX
  • 年金:国民年金と厚生年金、個人型確定拠出年金 (401k)

ちょうど、2015年10月の最新の数字を反映しました。毎月の更新は3年以上続けていて、ここ3年の金融資産額の推移は以下のようになりました。2013年、2014年、2015年の10月末時点での金融資産額です。



15年10月と14年10月を比べると、青色のキャッシュの資産額はほとんど変わっていませんでした。1年間の全資産の増加分は、キャッシュ以外の日本株式等のリスク資産です。

これは狙ってのことでした。キャッシュとしての金融資産は当面は増えなくともよいと考えたので、その分を他の資産に割り当てようと決めていました。

具体的には、毎月の収入から生活費等の支出を引き、余るであろう金額を毎月の投資信託への自動積立に振り分けていました。

今年を振り返ると、数字から実現できたことがわかります。

自分の中で、資産額とともに注意して見ているのが資産構成比です。金融資産のトータルを 100 としたとき、5つのカテゴリーはそれぞれ何 % を占めるかです。

同じく3年トレンドは以下のようになっています。



2015年のハイライトは、キャッシュ比率が 50% 未満になったことです (42.2%)。

14年と比べて増加したのは、日本株式と外国株式の構成比で、特に日本株式は 18.8% → 26.1% と 7.3 パーセントポイント (pp) のプラスでした。13年 → 14年の日本株式の構成比変化は 7.4pp だったので、ほぼ同じだけ15年も伸びたことになります。

資産配分(アセットアロケーション)の目標は、以下のように設定しています。

  • キャッシュ  22%
  • 日本株式      35%
  • 外国株式      20%
  • 外国債券      10%
  • 年金              13%

これを、先ほどの資産構成比3年トレンドのグラフに追加し並べてみます。



15年と目標を比べると、キャッシュ比率が 42% → 22% に減り、日本株式 / 外国株式 / 外国債券の構成比がそれぞれ増えることになります。

グラフにすることであらためて見えてきたのは、仮に13年 → 15年と同じ変化を続けたとしても、来年16年10月頃時点では、まだ目標に達しないであろうという見込みです。今のペースでは、目標を達成するには2年ほどかかりそうです。

15年はキャッシュ資産額を一定のまま(減らさず)、リスク資産に投資してきました。

アセットアロケーション目標を実現するためには、少なくとも16年はキャッシュを現状維持ではなく、減らす必要がでてきます。つまり、収入 - 支出 の分よりも大きい額をリスク資産にまわすことになります。

16年は今年よりも、アグレッシブに投資する方針です。投資対象は大きくは変えず、投資額を増やします。

主な投資対象は以下のエントリーでご紹介しています。

資産運用として使っている投資信託と、株式や債券に投資し資産運用をする理由 (2015年現在)

ただ、現時点で考えているのは、資産配分の目標達成を1年後にすることは必須ではなく、1-2年程度の少し長い目で、資産配分を調整しながら実現できればと思っています。


2015/11/03

本当の顧客は「顧客の奥にいる顧客」




少し前のことですが、2才の娘の予防注射のため、かかりつけの小児科に行ってきました。

注射前の診察では機嫌よく先生に診てもらいました。これから注射をするのがなんとなくわかると、前に痛かったのを思い出すのか怖がり始めました。

注射された瞬間こそ反応しないのですが、針が刺さった直後に大泣きをします(注射の瞬間から泣くまでに数秒のタイムラグがあります)。注射が終わった後は5分程度泣きつづけますが、抱っこをし痛かったことの娘の気持ちを受け止めるようにすると、その後は機嫌も直っていきます。

娘にとっては、普段は出さないような大きな声で泣くので、相当痛いのでしょう。大人でも予防注射では針が刺さった時は痛みを感じるので、小さい子どもにとってはなおさらです。

ところで、医者と娘を、医療行為サービス提供者と顧客と見ると、両者の関係は通常のサービス提供者と顧客の関係ではないことに気づきます。

顧客である娘は、提供されるサービスを怖がり、サービス中(注射中)は泣いて痛がります。顧客が嫌がり望まないことを、サービス提供者は無理やり実施する。子どもが注射を嫌がるのは普通ですが、あらためて考えると、興味深い提供者と顧客の関係です。

一方で、娘の親である私は、子どもの予防注射をしてもらうことに価値を感じています。将来、娘が病気に罹る可能性を下げてくれると期待できるからです。

そう考えると、注射をしてくれる小児科の本当の顧客は、娘(子ども)ではなく親だと言えます。

一般化すれば、医療サービス提供者の顧客は、患者だけではなく、その背後にいる患者の家族です。B to C (患者) ではなく、B to C (患者) to C (家族) が成り立ちます。価値を届ける相手は「顧客の奥にいる顧客」でもあるのです。

この考え方は色々と応用が効きそうです。自分が提供するものは何で、それは目の前の相手にとってどんないいこと(価値)があるのか。のみならず、その相手の先にいる相手にも価値を届けられているか。それはどんな価値なのか。

娘の予防注射は、自分にとっても考えさせられる日常の一コマでした。


2015/10/31

子ども用の貯金には、投資信託での自動積立+スポット積立




2015年10月下旬、2人目の子どもが生まれました。

子どもの誕生に祝い金をもらいました。祝い金から、出産に伴う入院費や内祝い等の支払い分を差し引くと、いくらかのまとまったお金が残ります。

このお金をどうするかと言うと、投資信託への積立にまわしています。この投資信託は子ども専用分として運用していて、自分が使っている投資信託とは分けています。

■子ども用の「貯金」を投資信託で

親が子どもへのお金を貯金する場合、一般的には、銀行の普通または定期預金口座に預けることだと思います。私の場合は、預金口座ではなく、子どもの貯金用として信頼できると判断した投資信託にお金を入れています。感覚としては、投信信託に貯金をしているわけです。

もちろん預金口座に比べ、増える/減るという不確実さ(リスク)があります。自分の中の判断として、このリスクは取れるとして投資信託を使っています。

具体的には、以下のような積立をしています。
  • 毎月一定額を自動積立。例:子ども1人につき毎月1万円
  • 4ヶ月ごとの児童手当が支払われたら、全額をスポット投資
  • 誕生日や入学等のお祝い金、お年玉をもらえたら、使って残った分をスポット投資

■子ども用に使っている投資信託

子ども用の貯金(資産形成)として使っている投資信託と証券会社は、

ひふみプラスについて少し補足です。

姉妹ファンドである「ひふみ投信」は自分の資産運用として投資をしています。

ひふみプラスをあえて使っている理由は、自分と子どもの分を区別したいのと、ひふみプラスのほうが購入を柔軟にできるからです。ひふみ投信へのスポット投資する場合は、銀行口座からひふみ投信の指定する銀行口座(三菱東京UFJ)への振り込みをすることでできますが、この振り込み手続きがやや面倒に感じたためです。

なお、ひふみ投信には子どものためのくるみ口座があります。これも考えたのですが、口座開設が別途必要だったので、すでにあった楽天証券からできるひふみプラスにしました。

当分の間は、子ども専用の貯金としてひふみプラスに入金を続けるつもりです。引き出し(投資信託の解約)をするケースとしては、
  • 教育費としてまとまったお金が必要になった時。例:高校や大学入学金、受験費用、留学費用
  • その他まとまった支出が発生した時。例:病気や怪我による手術/入院費用、損害賠償

■ジュニア NISA は使い方に合わない

子どもへの貯金として、他に候補としてあるとすれば2016年4月からはじまるジュニア NISA です。

2015年10月現在では、これまで書いたような目的でジュニアNISAは使わない方針です。現時点ではまだ開始されていないのと、決定的な理由は18才まで払出不可だからです。つまり、子どもの年齢が18才になるまでは現金化できないのです(2016年開始時点)。

途中での払出しもできるようですが(災害時等を除く)、その場合、生じた利益に対して遡及して課税されるとのこと。NISA の非課税メリットが享受できないです。

18才まで払い戻しができないというジュニア NISA の趣旨は理解できます。ただ、上記の引き出しイメージで挙げたように、自分の使い方に合わないです。


2015/10/28

分析で比較する時、その「分け方」に意図がありますか?




分析の本質は、比較することであると考えています。

何かと何かを分けて比較することで、はじめて多い/少ないなどの違いがわかります。例えば、同じものを前月や前年と時系列で比べることであったり、男女や年代ごとに分けての比較をします。

比較するために「分ける」ことが分析のキモであり、「何のために、どのように分けるか」の工夫が重要な意味を持ちます。分け方にこそ、分析者の力量が問われます。

分けることに注意が必要なのは、単なる知的興味からの思いつきでの分解にならないようにしたいことです。

より適切に分けるためには、もう一歩踏み込んで考えるべきです。つまり、特にビジネスでの分析においては、何がわかれば実行可能でかつ意味のある結論を導き出せるかを、常に意識することだと思っています。

分けることの背後には、分けることで要因ごとに理解でき、そこから仮説や意思決定ができるという、ビジネス上意味のある結論を導き出そうとする明確な意図があるべきです。

分析の目的は、興味があるから分析するのではありません。ビジネスとしての判断を助け、効果的な打ち手を生むことを期待するから分析するはずです。

どんなに高度な分析をしても、その結果が有効な打ち手につながらなかったとしたら、ビジネスへのインパクトは小さくなってしまいます。

ビジネスにおいて役に立つ分析や使える分析結果とは、実際の効果が生まれるところまで掘り進めた分析のことです。「使える」ところまで追求しないと、せっかくの分析結果も絵に描いた餅になりかねません。

例えばユーザー分析において、性別年代で分ける、ヘビーユーザーとライトユーザーに分ける、スマホなら利用 OS で分ける。これらの分ける視点は、ある程度の分析経験があれば思いつくものです。

このような各種の「分ける」ことについて大切なのが、分けて比較分析した結果や得られるであろう示唆はアクションにつながるのか。単なる知的好奇心ではなく、目的や意図を持った分け方になっているかは、常に心がけたいことです。


2015/10/24

soundPEATS Q9A Bluetooth イヤホンが、ランニングにはぴったりでした




3ヶ月ちょっと前に(2015年7月)、ランニングを始めました。

始めた経緯や開始直後の身体の変化などはこちらです。(ランニングを始めたことで変わった身体のトラッキングデータ)

毎日、20分くらい走っています。距離で 5km ほどになります。

ランニング中は、Podcast でラジオ番組を聞いています。Android を使っているので、Podcast アプリは Podcast Addict を使っています(利用しているのは有料版)。いくつか試し、このアプリが一番使いやすかったです。

2015/10/22

コツコツ型の資産運用のはじめ方




少し前にある方から資産運用の相談を受けました。

相談時の状況は、金融資産のほぼ 100% が現金、普通または定期預金として銀行口座にありました。株式等のリスク資産は持っていませんでした。その方はアラサー女性です。

今回のエントリーでは、その時にアドバイスした「資産運用のはじめ方」をご紹介します。

1. 現状の金融資産を調べて把握する

まずは自分が今、どれだけのお金を持っているかを理解することが第一歩です。

手持ちの現金、各銀行口座にいくら入っているか。すでに株式や投資信託を持っている場合は、値上がり/下がり益も含めてどれだけあるかを調べます。

どこまでを金融資産に含めるかですが、この時のケースでは各種保険は含めませんでした。年金は含めました。自分の年金が現時点でどれくらい分の資産になるかはねんきんネットで確認できます。

各資産を洗い出した後、カテゴリーに分類します。キャッシュ、国内株式、国内債券、外国株式、外国債券、年金、その他(REIT 等)の7つに振り分け、それぞれにいくらあり、全体の何 % を占めるかを見える化します。

2. 目標を決める

資産運用にあたって、何のために / いつまでに / いくらを目指すのかを明確にします。例えば、リタイヤ後の生活資金のために、30年後に3,000万円を目指す、などです。

3. 資産配分を決める

30年後に3000万円を目指すなどのゴールに向けて、目標とする資産配分を決めます。上記の 1 で確認した資産配分と同じカテゴリー区分において、キャッシュに xx%、国内株式に xx%、と割り振ります。

厳密には、期待リターンとしての年率を設定し(例: 3%)、それを30年間で複利運用し、目標とする資産額に届くかどうかを計算することになります。

ただ、今回のケースでは複雑なことはやらないと決めました。まずは、はじめの一歩ということで、キャッシュと年金を 80%、残りの 20% を株式や債券などのリスク資産とする方針にしました。彼女にとってはリスク資産 0% → 20% を資産運用をしながら目指すことになります。

4. 投資対象を決める

色々と話をした結果、投資信託に毎月一定額の自動積立をすることになりました。購入対象は以下の通りです。

5. 投資額 (毎月の積立額) を決める

投資対象が決まれば、どれだけの資産額を投資するかを決めます。

今回の場合、毎月の投資額は、手取り収入から生活費等の支出を引き、残った分としました。これまでは普通口座または定期預金として貯金にまわっていたものです。

つまり、現金としての資産額は当面は増やすことなく、その分を投資信託で積み立てをしていくことになります。

6. 証券口座を開設

今回のケースでは、ひふみ投信は独立の投資信託なので、ひふみ投信に口座を開設します。詳しくはこちらにあります (ひふみ投信|口座開設のお申込み)。

外国株式の投資信託運用のための証券会社としては、SBI証券楽天証券を勧めました。証券会社にお金を入れる銀行口座はすでに持っている口座を使えました。

7. 運用開始 → 定期的に資産配分を確認

口座開設後に、それぞれで自動積立設定をします。

その後は、毎月や3ヶ月ごとくらいで、資産配分を確認していきます。今回のケースでは、投資信託がリスク資産に当たり、全体金融資産の 20% を目指します。

まずは資産運用をやってみようというスタンスではあるものの、目標とするこの資産配分(アセットアロケーション)を意識しながら運用をします。

一方で、日々の値上がり/下がりに一喜一憂することなく(資産の確認頻度が多くなりすぎず)、コツコツと長い目でやっていくことが大切であることを伝えました。


2015/10/18

デメリットを補って余りある公共図書館の提供価値




本を読むのが好きです。普段は通勤電車がもっぱらの読書時間です。

2015年現在、ここ3年くらいは本は買うよりも、図書館で借りて読むほうが多くなっています。

週末の土日のどちらかはほぼ毎週、図書館に行っています。図書館は、自分の生活の中では欠かせない存在になりました。

東京都内に住んでいるので、利用している図書館は区立図書館です。区内には10以上の図書館があります。利用しているのはそのうちの1つです。

区内の図書館は連携していています。予約がネットからでき、ある図書館に予約した本がなくても(貸出中 or その図書館には置かれていない)、他の図書館にあれば取り寄せてもらえます。行く図書館は最寄りの1つだけですが、実質は区内の全ての図書館を利用できるようになっています。

1人の読者の立場で考えたとき、図書館から本を借りて読むのと本を買って読むのとでは、それぞれにメリットとデメリットがあります。

メリット
  • 本を買わなくても読める
  • (紙の)本を買って所有しないので、自宅に本がたまらない

デメリット
  • 読みたい本が必ずしもあるわけではない
  • 人気の本は貸出中ですぐに読めない。予約をするが、本によっては読めるのが数ヶ月先になる
  • 読む本を借りに図書館まで行く必要がある。読んだ本は返しに行かなければならない
  • 貸出期間があり、期限までに読み終わる必要がある
  • 公共の本なので、本にメモを書いたりページに折り目をつけることができない
  • (極希に)本にメモや落書き、破れなど、本が傷んでいる

デメリットは6つでした。6つを一言で表現すれば「本を買って所有しないから発生する不便さ」です。逆に言えば、本を買えば全て解消される不満な点です。

図書館の中核的な機能の1つが、本や CD/DVD などの無料での貸し出しです。この中核機能に対して、自分が感じるメリットを価値として深掘りすると、
  • 読みたい本が無料でレンタルできる → 買って読みたいとまではいかない本が気軽に読める → 様々な種類の本を読むことができる (読書体験の充実)
  • 本が自宅にたまらない → 本が部屋を占領することなく余裕スペースができる
図書館のデメリットが本を所有しないから発生することに対して、メリットは所有しないことで得られるものです。メリット/デメリットは、本を買って所有しないことの表と裏にあたります。

メリットとデメリットを並べると、単純な数ではデメリットが多いです。それでも図書館の利用をするのは、図書館がもたらす自分への提供価値が、デメリットを上回るからです。
 
もう1つ、図書館の中核機能とそれに対する価値があります。

図書館は大量の本を購入し保有しています。図書館の利用者は老若男女で、ありがたいのは赤ちゃんや幼児向けの本も充実している点です。図書館内には子ども専用のスペースが設けられています。

こうした図書館の機能に対して、自分にとって価値があるのは、2才の娘を連れて行くとたくさんの本に興味を持ち、図書館で親子で楽しくすごす時間を持てることです。

幼児向けの本に囲まれた環境で憩いの場になるのも、小さい子どもを持つ親にとっては図書館の価値の1つなのです。


2015/10/16

もうすぐ生まれる子どもの名前の決め方




二人目の子どもが、あと1ヶ月以内くらいで生まれる予定です(2015年10月現在)。

性別判定もほぼ間違いなさそうとのことで、女の子のようです。あと1ヶ月なので、そろそろ名前を決めたいタイミングです。

今は、候補の名前をいくつか絞り出せた状況です。名前候補を絞っていく中で、自分の中でいくつかの判断基準があることに気づきました。

今回のエントリーでは、子どもの名前を決める判断基準をあらためて整理してみました。

1. 音の響き

耳で聞いた時の響きを重視しています。名前だけの音の響きと、フルネームで聞いた時の両方です。名前が耳にどう残るか。これは感覚的なもので、心地よい名前の音であってほしいと思っています。

なぜ音の響きを大切にするかと言うと、日常生活においては、自分の名前を文字で見るよりも、耳で聞く回数が多いからです。名前が脳に入る頻度として音からの情報が最も多いわけです。

親や友だち、先生から自分の名前を呼ばれる時に、あるいは、自己紹介として自分の名前を口にする時に、音の響きとして良いものであってほしいという親の気持ちです。

2. 名前や漢字の持つ意味

名前に込める意味を大切にしたいと思っています。また、使う漢字がどんな意味を持つかも考えます。

同じ音の名前であっても、漢字でどう表現するかで、名前の印象は変わります。漢字には一字一字に意味があります。子どもの名前に使う漢字に、自分の子に持って欲しい意味が含まれていることが理想です。

3. 文字での見た目

文字が視覚的に気に入るかも、名前を決める判断基準です。音の響き同様、これも感覚的な基準です。

視覚的に名前の字をパッと見て、見た目のバランスが良いものであってほしいと思っています。

4. 字画

フルネームで名前を書くと、総格や人格などが画数によって決まります。それぞれの画数によって性格などが、占いのように出てきます。

字画にこだわりすぎることがないよう、あくまで参考程度に見るくらいですが、候補として残っている名前は一応調べています。

5. 他人との名前の被り

友人 / 知人の名前は、その人のイメージがすでに強くできています。子どもの名前が他の人と同じになることにネガティブな気持ちはないのですが、子どもにつける名前で、避ける傾向にあるのが、友人や知人と同じ名前になることです。

名前が被るかどうかの判断基準でもう1つ、ネットで検索した時にどういう検索結果が出るかがあります。

例えば芸能人などの著名人の名前の場合、検索結果の上位はほぼ関連ページへのリンクが出ます。公式ページ、SNS、Wiki、本人写真など。

そうではなく、特定の有名人の名前ではない場合は、検索結果の上位は姓名判断や名前占いのページリンクが並びます。

強いこだわりがあるわけではありませんが、なるべくは被りがない名前にしてあげたいと思っています。


2015/10/13

資産運用として使っている投資信託と、株式や債券に投資し資産運用をする理由 (2015年現在)




毎月一定の金額を、資産運用にまわしています。投資信託を利用し、自動積立を設定しています。

今回のエントリーでは、毎月の自動積立先である投資信託のご紹介と、なぜ資産運用をしているかの理由を書いています(2015年10月時点)。


■自動積立をしている投資信託

2015年10月現在の積立対象ファンドは以下の通りです。リンク先はモーニングスターです。()内の数値は、自動積立での配分比率です。

日本株式 (アクティブ投信)

海外株式 (インデックス投信)

海外債券 (インデックス投信)

投資配分は、日本株式 : 海外株式 : 海外債券 = 55 : 30 : 15 です。


■株式や債券に投資をする理由

1. 自分の資産を分散させるため

投資信託などを通じた株式や債券に投資する前は、自分の金融資産のほぼ全てが現金または銀行の普通預金でした。

意図的にこうしていたわけではなく、何も考えずに単にそうなっていました。企業のバランスシート (BS) で言うと、BS の左側において、そのほとんどを流動資産として手元にキャッシュとしてあった状態です(モノはここでは BS に考慮せず)。

これに問題意識を持ったのがきっかけで、資産運用を積極的に考えるようになりました。

2015年現在、キャッシュ以外に、日本株式、海外株式、海外債券、年金で自分の金融資産は構成されています。

日本株式、海外株式、海外債券のいずれも、スタンスは長期保有です。短期的な売買をするつもりはなく、毎月の自動積立から買い、そのまま保有を続けています。

株や債券は、その時々の景気と連動し値上がり/下がりが発生します。投資信託を保有し始めた当初は、上がり下がりに一喜一憂をしていました。しかし、今はほとんど気にすることがなくなりました。

そうなってくると、自分の中の感覚として、日本株式 / 海外株式 / 海外債券のいずれも「貯金」のようなものになっています。貯金形態として、普通口座預金、日本株式、海外株式、海外債券という、異なった形で分散されている。このようなシンプルな考え方をしています。

もちろん、株式や債券には変動リスクがあります。この点は口座預金と違います。厳密には、株式や債券はプラスにもマイナスにも振れる貯金と見なしています。

2. 自分の金融資産を世の中に役立てるため

自分の日々の生活で、大きな資金(100万円単位以上)が必要になるケースは稀です。生活費と、何かあった時の万が一に備えての生活資金さえあれば(例: 給与の6ヶ月分)、残りの資産はすぐに使う予定はありません。

この不要不急の資産をどうするかを考えた時、せっかくであれば世の中の役に少しでも役立って欲しいと考えています。

その具体的な方法が資産運用です。投資先が開示されていて、投資方針に共感できる投資信託を通じて、世の中にお金を流すやり方です。

自分が納得できる投資信託を経由し、投資信託が投資をしている企業に自分のお金が渡る。自分のお金が、その企業のビジネス活動に活かされ、ひいては世の中の経済活動に貢献できる。

これが理由の2つ目です。

3. 資産が増えることが期待できるから

資産をキャッシュで持つことに比べ、株式や債券で保有することで、値上がり益が期待できます。

その一方で、下がる可能性も同じだけあります。つまり、(キャッシュに比べ)リスクが高い金融資産です。

リスクのある金融商品に投資するにあたり、事前のリスクを評価する。その上で、許容できる範囲内であれば積極的にリスク資産を持つべきというのが、自分の考え方です。


2015/10/10

専門外の自分が人工知能「ディープラーニング」に注目する理由 (2015年現在)




2015年現在、人工知能 (AI) で最も注目されているのはディープラーニング (Deep learning / 深層学習) です。

ディープラーニングを使った Google の「ネコ認識」研究

ディープラーニングとは何かを理解するには、グーグルが2012年に発表した「ネコ認識」の研究がわかりやすいです。

グーグルの公式発表 (2012年6月)
Official Google Blog: Using large-scale brain simulations for machine learning and A.I.

発表論文 (PDF)
Building High-level Features Using Large Scale Unsupervised Learning - unsupervised_icml2012.pdf

研究で実施されたことを簡単に書くと、次の通りです。
  • YouTube 内の動画から約1,000万枚の画像を任意に抽出
  • 画像をディープラーニングにかける
  • コンピュータは、画像の中から人間やネコの顔の「特徴」を自らつくった(下の画像)。その特徴から、人間やネコを判断できるようになった

引用:Official Google Blog: Using large-scale brain simulations for machine learning and A.I.


何がすごいかと言うと、コンピュータが人間から「ネコの顔の特徴はこう」と教えられることなく、自らがネコの顔を学習し、ネコの顔の概念を獲得したことです。

ディープラーニング以前のマシンラーニング(機械学習)で同じことをやる場合、入力情報として「これがネコの顔である」と人間がコンピュータに示す必要がありました。

具体的には、ネコの画像だけを大量に見せ、そこからネコの特徴を理解するプロセスです。人間から教わることでコンピュータは学習し、ネコの特徴を獲得してわけです。

ディープラーニングはこのプロセスと似て非なるものです。

学習へのインプット情報として与えられたのは1000万枚の画像で、その中にはネコの入っていない画像もあり、様々な情報が混在する大量の画像です。そこから、コンピュータは自らの学習を通じて、(人間に指示されることなく)猫の顔の特徴を理解し、その特徴から猫の特徴を一般化したイメージを獲得し、それを画像としてつくることができたのです。その画像が上に示したものです。

■ディープラーニングの可能性

ディープラーニングがこれまでの人工知能と一線を画しているのは、自らが「特徴」を学習することにあります。

これによって、どんなインパクトがあるのでしょうか。

例えば、人とのコミュニケーションロボットがディープラーニングを持っている場合です。ロボットは自分の行動と、その結果起こることの関係を学ぶことができるようになります。

人間に対して何をすれば人はやすらぎを感じるのか、何をすれば不快な気持ちを抱くのか。こうしたことを、いちいち人間が教えることなく、ロボット自らが、自分で経験を重ねることで学習していきます。

我々人間で言うところの「やってみてコツがわかるようになる」という感覚が、ロボットも同じようにできるようになるのです。

もう1歩考えてみると、コツがわかるようになるというのは、ものごとの「因果関係」をロボット自らが獲得することを意味します。

例えば、マーケティングにディープラーニングを使うとどうなるでしょうか。

マーケティングは、簡単に言えば目的(例: 売る)があって、その目的のために、アクションをすることです。マーケティング行動→結果という因果関係があります。

この因果関係をいかにつくりだし、実行し、結果を出すかこそマーケティングの醍醐味です。

ここに、ディープラーニングが適用できれば、売るという目的を達成するための要因をコンピュータ自らが学習により発見することが期待できます。これまでは人間がやっていたマーケティング活動をコンピュータがする。将来的には、マーケティングの完全自動化も実現されることも考えられます。

企画書をつくり人を説得することについても、ディープラーニングによって、どうすれば説得力のある企画書に仕上げるかまでもコンピュータがやってくれるかもしれません。人が指示するのは、目的(何のために誰を説得するか)を入力することだけです。あとは勝手に企画書ができあがります。

もっと進めば、コンピュータが知識を獲得していくでしょう。例えば、コンピュータに本を読ませ、どういうストーリーで書けば、人間が魅了される小説になるのかのコツを学ぶことができるはずです。

それを応用すれば、ヒット小説がコンピュータによって書かれる時が来るかもしれません。同じことを言うのでも、どういう文章で表現すれば読み手の琴線に触れられるのか。そうしたコツをコンピュータは学習を通じて獲得するのです。

ディープラーニングという、コンピュータがものごとの「特徴」を自ら発見し、高次の特徴をつくり出すことができる。人工知能のこの可能性は、とても大きなものだと思います。様々な産業に応用でき、ひいては日常生活にも影響を与えるでしょう。

★  ★  ★

ディープラーニングを理解するためにおすすめの本は、「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」です。

この本は、ディープラーニングについて、人工知能のこれまでの歴史、ディープラーニングの技術的な説明および課題、ディープラーニングの社会的な影響が、とてもわかりやすく書かれています。

グーグルやフェイスブックが開発にしのぎを削る人工知能。

日本トップクラスの研究者の一人である著者が、最新技術「ディープラーニング」とこれまでの知的格闘を解きほぐし、知能とは何か、人間とは何かを問い直す。(内容紹介より)





2015/10/07

書評『ビジネスに役立つ「商売の日本史」講義』(藤野英人)




過去の歴史を学ぶ意義はどこにあるのでしょうか。

過去の人間の営みを知り、現代に役立つ教訓や知恵を得ることです。

今回ご紹介したい本は『ビジネスに役立つ「商売の日本史」講義』です。本書の特徴は、日本史を、商売やお金の動き、つまり経済という切り口で書かれている点にあります。

日本の学校教育での歴史は、主に政治観点で教えられます。政治の視点から歴史を解釈することも大切です。

しかし、政治という切り口だけでは、政治的な出来事が起こった背景が十分に理解できない場合もあることが、本書を読んでわかります。

政治と経済は密接に結びついており、政治的な動きのバックグラウンドには、経済の変化が起こっています。あるいは、時の権力者(例: 幕府)による経済施策が人々の生活に強い影響を与え、それが政治の変化(例: 幕府の力が弱まりやがて倒幕へ)につながります。

■日本の歴史は「ヤマヒコ」と「ウミヒコ」が繰り返された

本書のベースとなっているのは、著者である藤野英人氏の大胆な仮説です。

「日本のお金は『外向き』と『内向き』の間を時代ごとにスイングする」という仮説です。

本書では、内向きを「ヤマヒコ」、外向きを「ウミヒコ」と表現します。ヤマヒコとウミヒコは、古事記や日本書紀に登場する兄弟の神さまです。2人は対照的な性格をしています。

ヤマヒコ政権の特徴は、国内志向です。経済は内需が栄えます。

典型的なのは鎖国を敷いた江戸幕府です。他には鎌倉時代や戦後の自民党政治にもヤマヒコの要素を見ることができます。昭和においては、道路などのインフラ整備が国家政策として推進されました。田中角栄の日本列島改造論がまさにそうです。

ウミヒコ政権の特徴は、海外志向です。貿易に力を注ぐ傾向があります。

例えば、日宋貿易で権力を得た平清盛、日明貿易の室町時代、織田信長や豊臣秀吉などの戦国時代です。本書によれば、開国後の明治以降から戦前までもウミヒコの特徴があったと言います。

日本が、ヤマヒコまたはウミヒコとなることに強い影響を及ぼした1つに、その時代の中国大陸の政権がありました。大陸に権力の強い政権や漢民族政権であればウミヒコ政権(外向き)に、一方で弱い政権や非漢民族政権であればヤマヒコ政権(内向き)になったようです。

政権がどの地域に基盤を置いたかにも影響を与えました。外向きや中国大陸との関係が強いウミヒコでは西側地域に、内向きのヤマヒコでは東京などの東側地域が中心となります。

日本史を大きな流れで見ると、時代ごとでヤマヒコの性格が強い日本、ウミヒコの性格が強い日本が現れます。おもしろいと思ったのは、それぞれの特徴が交互にスイングするかのように、現代に至るまで歴史を重ねてきたことです。

ヤマヒコとウミヒコの時代・特徴を本書から引用すると、以下のようになります。




■歴史から学ぶ現代への教訓

本書のもう1つの特徴は、各時代の出来事について、経済視点からの教訓を筆者が示してくれることです。「歴史に学ぶ経済法則」として20個の教訓が書かれています。

歴史を学ぶことの意義は、過去の人間の営みを知り、現代に役立つ教訓や知恵を得られることです。本書では、現代への特にビジネスへの示唆が多くあります。本書のタイトルには「ビジネスに役立つ」とあります。

印象深かったものを1つご紹介します。著者が示す経済法則として「お金の流れの方向を見極めよ」です。

武士として初めて律令の最高位である太政大臣となった平清盛の話です。

平清盛は現代にも通じることを先駆的に行ないました。瀬戸内海を支配し、物流とそこでのマネーサプライを握ったのです。

清盛は貿易のための港を整備しました。当時の中国大陸を支配していた宋との日宋貿易から、多額の富を生み出しました。

瀬戸内海というお金とモノと人が集まるプラットフォームを構築したのが平清盛だったのです。平家は、貿易から様々なものを輸入しました。宋銭、陶磁器、薬品、香料、書籍などです。

現代への示唆として、よりお金の多く集まる分野で経済は発展することです。どこに、どういう意図でお金が向かっているのか。企業レベルでも、個人レベルでもこの視点は大切です。

中世に琵琶法師が語り継いだ「平家物語」で、源平の戦いでは平清盛は悪役として語られました。しかし、「経済」という視点で見ると、平清盛は違った一面を見せてくれます。

平清盛は、瀬戸内海での貿易活動を活性化させることで、「お金の流れをつくり、それを支配する」ことを先駆的に行った稀有な人物だったのです。




2015/10/03

人間性からの信頼、能力からの信頼




サッカーの内田選手の著書「僕は自分が見たことしか信じない」に、印象的なことが書かれていました。
サッカーに限らずチームスポーツにおいて、最も大事なことは周りから信頼を得ることだと思う。そのために僕が心がけていることは、練習をまじめにやる。文句や愚痴を言わない。普段からありのままの自分でいること。これは意識してやるようにしている。

でも、プロの世界ではこれだけじゃ足りないんだ。人間としては信頼を得られるかもしれないけれど、選手としては信頼を得るためには、やはり試合で結果を出して、実力を認めさせなければいけない。どこの国でも、どこのチームでも、そうしなければ本当の意味で信頼を得ることはできない。

2015/09/29

「我が身を正すこと」はリーダーシップの出発点




「荀子(じゅんし)」という古典には、次のような言葉があります。

原(みなもと)清ければ則ち流れ清く、原(みなもと)濁れば則ち流れ濁る

源が清ければ下流は清く澄んでいるし、源が濁れば下流も濁る。意味は、根本を正すことが肝要であり、上が正しくなれば、下は自ずと正しくなるということです。

■リーダーこそ「我が身を正せ」

荀子のこの言葉は、リーダーシップの教えであると解釈できます。「上に立つ者はまず我が身を正せ」ということです。

リーダーの姿勢が手本として部下に示され、全体に影響するのです。リーダーという組織の源が清ければ、チーム全体も清くなるだろうと言えます。その逆もまた然りです。

もちろん、我が身を正すことだけで、リーダーとして役割を果たせるとは言えません。リーダーとなるには他に必要な要件があるでしょう。

我が身を正すことは、リーダーシップの必要条件ではあっても、十分条件ではありません。荀子のこの教えは、リーダーのための出発点ではないでしょうか。

■「慎独」から我が身を正しくする

では、どうすれば我が身を正すことができるのでしょうか?

私はそのヒントは「慎独(しんどく)」にあると思っています。

慎独とは、古典である「大学」に書かれている「君子必慎其独也 (君子は必ず其の独りを慎むなり)」から来た言葉です。意味は、自分一人のときでも、行ないを慎み、道をはずれないようにすることです。

何か後ろめたいことであっても、人が見ていないところではついやってしまう。これは人間誰しも起こり得ることです。慎独は、その状況でこそ自分を律することができるかを問うのです。

人が見ていなくても、見られている時と同じような行動が取れるか。他人が見ていないということは、その状況を誰かに言わなければ自分だけしか知らないことです。ちょっとくらいならいいやではなく、自分の行ないを慎み、人としての道を外れないようにできるかです。

もっと言えば、自分の行ないや自分自身を律することができるかの判断基準は、誰か他の人が見ているかどうかで決めべきではないと思います。

あくまで自分自身の中の問題として捉えるべきです。人の目があるかどうかは関係なく、自分が持つ倫理観に背く行ないであればやらない。

この積み重ねが「我が身を正す」ことにつながります。


2015/09/25

雨の日の通勤に、防水スニーカーが期待以上の働き




平日の朝、雨が降っていると少し気持ちが下がることがあります。

雨そのものが憂鬱にさせると言うよりも、雨の中を通勤するときに靴が濡れてしまい、中の靴下まで塗れてしまうであろうことが、そうした気持ちになる原因です。

靴下が濡れた状態でその日の午前中を過ごす時の不快感は、少なくない人が経験したことはあるのではないでしょうか。

雨の時の外出で、対策として使えるものは、傘、レインコート、防水長靴、(足元やバッグのカバーなどの)防水グッズ、防水スプレーあたりです。

どれも一長一短があります。足元の防水用としては長靴が有効でしょう。しかし、女性に比べて男性用の長靴は、個人的にはあれを履いて会社に行きたいとは思えません。防水性は高いと思いますが、そのメリットよりも、デザインと防水以外の機能性の低さが勝ってしまうのです。

これまでは雨の日の通勤には、基本的には傘だけを使っていました。

最近はゲリラ豪雨と呼ばれる突発的な大雨も起こります。その時に屋外にいる可能性もゼロではありません。傘では頭部や上半身が濡れることは防げても、大雨の中を歩くと足元の靴は確実に塗れてしまいます。

そんな状況をなんとか防げないかと思っていました。ちょっと前に、初めて防水スニーカーを買いました。




見た目は普通のスニーカーです。言われないと防水スニーカーとはわからないところが購入理由の1つ目です。

もう1つの買った理由は、防水機能でした。靴底から 4 cm の高さで水に靴が浸かっても、およそ 4 時間は防水状態が保てるとの説明を見て、購入を決めました。

現実的に、東京での日々の生活において、4時間も水の中に浸かることはありません。ただ、それくらいの防水機能があれば、自分の求める「通勤で雨の中を歩く時に、靴の中に雨が染み込まないこと」というニーズは満たせると思ったわけです。

2015年の9月は、前半は全国的に雨量の多い月でした。そんな状況で、防水スニーカーを使って通勤や外出をしました。

買った防水スニーカーは期待通りの働きをしてくれました。表面は雨をかぶりますが、中まで水が染みこむことはありませんでした。強い雨の日の午前中に起こっていた、靴下が濡れた不快感は一度もなかったです。

防水スニーカーでの歩きやすさは悪くはないです。ウォーキングやランニング用スニーカーほどの歩きやすさはありませんが、普通のスニーカー程度で、歩きにくさなどの違和感はないです。

靴と靴下の雨対策は、防水スニーカーで実現できました。残る課題としては、パンツ(ズボン)の裾から膝下にかけての部分が雨で濡れることをどう防ぐかです。これには、トレッキング用のレッグカバーを使っています。




防水スニーカーほど雨を完全に防ぐことはできません。しかし、レインコートを使うのは面倒だと感じるし、長靴よりも簡易的に使えます。総合的に考えてレッグカバーが良いと思っています。

雨の日で、特に雨量の多い時の通勤には、傘をさし、足元は「防水スニーカー + レッグカバー」の組み合わせ。今のところ自分の中ではベストな方法です。


2015/09/22

Google X 統括のアストロ・テラー氏が説く 「早めに失敗すること」 の大切さ




2015年9月に、都内で 「2030年の都市の未来像を語る」 シンポジウムが開催されました。

Google X の統括者が講演


基調講演に登壇したのがアストロ・テラー氏でした。同氏は、グーグルで自動運転車などの新規事業を開発中の研究機関 「Google X (Google X Lab) 」 を統括しています (2015年9月現在) 。

  「Google X」 統括のアストロ・テラー氏、都市の未来像について講演 - INTERNET Watch

この記事で、テラー氏のプロフィールは次のように紹介されています。

Google X の統括者であり、同組織において “ムーンショット (アポロ計画の月面着陸に匹敵するほどの壮大な挑戦や課題) 号艦長” という肩書も持つテラー氏。

機械学習を用いた投資マネジメントや、ウェアラブルデバイスを利用した身体モニタリングを行なうビジネスなどを起業するなど、科学者や発明家、起業家などの側面に加えて、小説や脚本の執筆を行なうなど、多彩な活動を展開している。

実際に試して失敗する


シンポジウムの中でテラー氏は 「早めに失敗する」 ことの大切さを強調しました。興味深かったので、以下に同じく INTERNET Watch の記事から引用します。

もう1つ重要なこととして、「できるだけ現実の世界に出て行って試すこと」 を挙げた。

「学習して早く改善するには、実際に経験することです。オフィスの中で頭をかきながら『世の中はこうだろう』と想像するだけでは無理があります。Google X が行っている活動で言えば、5~6年前は、自動運転車や空飛ぶ風力発電機、スマートコンタクトレンズのベータテストなどは無理だと思われていました。ところが我々は、すでにこれらを世の中に出して試しています。そして大いに失敗することによって、そこから学べるわけです。学びを活かして、さらに改善する、これを繰り返していくことが大事です。」

テラー氏は、都市についても 「テストをして失敗し、そこからフィードバックを得る」 というサイクルを行なうべきだと語った。

「都市の将来を完全に予測できる人はいません。専門家がある程度の予測を行なうことはできますが、絶対とは言えない。それを考える唯一の方法は、試してみることです。失敗はできるだけ早期に起こったほうがコストがかからないので、『失敗してもいいのだ』という環境を作ることが大事です。また、テストを行ったときに、問題を早く見つけた人に報酬を与えることも必要です。」

テラー氏は 「実際に試して失敗すること」 の大切さについて言及した。

「失敗には、良い失敗と悪い失敗の2種類があります。かなりの金額を使ってから起こる失敗が悪い失敗です。創造性を持ち、予防策としてたくさんの“良い”失敗をできるだけ早く経験することが大事。」

良い失敗


テラー氏の失敗を重視するコメントを読んで思ったのは、ポイントは2つあるということでした。

1つ目は、失敗は全て悪いことではなく、「良い失敗」 と 「悪い失敗」 があると認識することです。記事内のテラー氏の指摘から、「良い失敗」 の特徴は次の通りです。

  • できるだけ早い段階で起こる失敗。小さな失敗
  • 失敗から学びがある。学びを次に活かせる

悪い失敗とはこの2つの裏返しです。かなりの金額を使って後から起こる失敗。失敗から何も得るものがなく次につながらないものです。

失敗が受け入れられる環境


テラー氏が述べているように 「失敗してもいい」 という環境を用意することも重要です。何かを始める前に失敗してもいいと思えることで、失敗を恐れずチャレンジすることができるからです。

そのような環境にするためには、評価基準を変えていく必要があります。安全運転をするだけの人ではなく、リスクに挑戦する人や失敗にくじけず次の成功に向けてチャレンジし続ける人が高い評価を受けるべきです。

失敗が許容されている環境では、早期の段階での失敗が発見されやすいと言えるでしょう。また、難しいことや新しいことに挑戦する土壌もつくられます。失敗しないということは、チャレンジしていないことと同じです。

失敗から何を学ぶか


ポイントの2つ目は、失敗から何を学ぶかです。失敗を単に失敗で終わらせるのか、それとも、失敗から何を学べるかが、失敗の次への分岐点になります。

失敗が結末になってそこから何も生まないのが前者であり、後者は失敗をあくまで成功への1つのプロセスと考えます。後者について別の見方をすれば、失敗が起こった時点ではまだその失敗は、悪い失敗にもなり得るし、良い失敗にもすることもできます。

つまり、良い失敗にできるかどうかは、失敗後の本人や当事者たち次第なのです。

失敗の受け取り方や、そこから何を学んだか。それらを経験として蓄積し、(失敗という) 具体例を抽象化し応用が効く知識として保存する。

自分たちのスタンス、失敗の評価、学んだことを次にどう活かしたか。失敗後の行動次第で、その失敗は良いものにも悪いものにもなる可能性を秘めているのです。

最後に


失敗やミスをすると、その瞬間は自分に対して嫌悪感であったり、すぐには肯定的になれないものです。誰もがそうした経験をしています。

そこで失敗に目をつむったままで終わるのか、その失敗を自分の 「資産」 にできるか。テラー氏の講演内容で語られたことを見ると、この差は一見すると紙一重なのかもしれません。ただ、その積み重ねはやがて大きな違いになるでしょう。


2015/09/21

書評「入門 考える技術・書く技術」(山崎康司)




あることがらをロジカルに考えられているかどうかを自分で確かめるには、文章で書いてみる方法が有効です。

すでに頭の中で論理展開の流れができていれば、書いていても途中で詰まることはありません。一方、自分の中で整理されていると思っていたことも、書いてみると途中で止まってしまうことがあります。ロジックがまだ不十分であると気づくわけです。

文章を書くことにおいて、特にビジネスで求められるロジカルな文章については、書く前にどれだけ考えられているかが重要です。

書いては書きなおしてという作業が減るばかりではありません。何よりも、読んでもらう相手にとってわかりやすい文章になるからです。その結果、読んでもらえる確率も上がり、相手の貴重な時間を無駄に費やすことも減るでしょう。

ロジカルな文章をどうやって書けばよいかを、わかりやすく説明してくれるのが「入門 考える技術・書く技術」という本です。

この本では、ロジカルで、読み手にとってわかりやすい文章にするにはどうすればよいかが、具体的に書かれています。特徴的なのは、平易な内容にもかかわらず、メールや報告書などビジネスでの応用範囲が広いと読んでいて感じることです。

本書で強調されるのが、考えるプロセスと書くプロセスを分けることです。

もしあなたの報告書がわかりにくければ、その原因のほとんどは書く前の段階、すなわち、伝えるべき考えを明快に表現するという「考えるプロセス」にあるのです。

具体的にどのようなメッセージを伝えようとしているのか。なぜそう言えるのか。そのような考えが明快に表現され構成されていて初めて、わかりやすい説得力のある文章となります。

では、読み手にとってわかりやすい文章にするための「考えるプロセス」とは何か。どうすればできるようになるのでしょうか。

それが本書が提唱するフレームワークです。読み手の疑問を明らかにするための「OPQ分析」です。文章構成を考えるにあたって、以下の設定をします。

  • Objective: 読み手が目指している望ましい状況
  • Problem: 現状と Objective とのギャップ
  • Question: 読み手の疑問

3つ目の読み手の疑問に答えることが、あなたが書く文章の主メッセージとなります。

具体的な例で考えてみます。自分が営業職で、上司である部長に営業提案企画の文章を書くケースでは、

  • Objective: 営業部長にとって「四半期目標として設定された売上目標を達成する」
  • Problem: 期初は順調だったが売上にブレーキがかかり、目標達成が難しい状況に
  • Question: 売上目標を達成するためにはどうすればよいか?

この OPQ 分析から、あなたの企画書の主メッセージは「売上目標を達成するためには、◯◯ をすべきである」となります。読み手である部長の Question に対する答えと、その根拠や具体的な実行イメージを書くことになるでしょう。

ポイントは2つです。

  • 読み手にとっての Objective, Problem, Question と、書き手の Answer (主メッセージ) が、トピックとして一貫性があるかどうか
  • 読み手のことが理解され、トピックが的を外したものではないこと。

本書で徹底されているスタンスは、読み手の関心や疑問に向かって書くことです。自分本位に書くことではありません。

そのために提唱されているのが、OPQ 分析なのです。

★  ★  ★

読み手にとってわかりやすい文章を書くためには、本書で書かれていることを理解しただけでは不十分です。自分で読み手の OPQ 分析をし、考えるプロセスと書くプロセスを分けることを実際にやり、この方法を自分でやってみることが大切です。

本書が提案するのは、1日に1回でもよいので、メールを書いて送る前に OPQ 分析と、本書で紹介されている文章を書く時の注意事項を実践してみることです。

なるべく時間をかけずに1本のメールだけでもよいので、これを4ヶ月続けてみましょうと。

本書で書かれている内容は、メールを書く場合などすぐに取り入れて実践できることにとどまりません。レポートや企画書などについても広く応用ができることが、わかりやすく書かれています。




2015/09/19

書評「決定版 日本史」(渡部昇一)




日本の歴史を俯瞰するのに、とても興味深く読めた本が「決定版 日本史」でした。

本書が他にはない価値を持っていると思うのは、国体という日本の国の原理/原則がどのように変化をしたか、これを「皇室のあり方の変化」から日本史を解釈しようとしている点です。

世界的に見て日本の歴史が持つ特徴は、日本が建国され現代に至るまで、たったの一度も王朝が断絶していないことです。

皇歴代天皇は、初代の神武天皇から平成時代の今上天皇まで、125代続いています。過去には一度退位した天皇が再びその位に就くこともあったので、総数は123人と言われています。

王朝に断絶がないというのは、123人は1つの家系として血がつながっていることを意味します。

初代天皇から「男系」であるというのも特筆すべきことです。男系というのは、天皇の父親の父親の … 、と父親だけをたどっていくと、初代の神武天皇まで遡れます。そして、神話まで含めて見れば、天照大神と素盞鳴尊(すさのおのみこと)にまで1本でつながります。

日本の歴史を古代から現在に至るまで、根幹とも言えるこの1本の軸から、日本という国の国体が理解できるのが本書なのです。

国体が変わっても断絶しなかった点が、日本の歴史の類まれなる特徴であると本書では指摘されています。

著者の渡部昇一氏は、これまでの日本において国体の変化は5回あったと言います。
  • 6世紀後半の第31代 用明天皇の時に仏教改宗し、皇室に仏教が入った。これ以降、日本では神道に加え、仏教が影響していく。今でも日本人は神社を尊び、お寺を敬っている
  • 源頼朝が鎌倉幕府を開き、天下を武力で支配する体制に。守護と地頭を全国に配置することで政治の原理が根本的に変化した
  • 13世紀の承久の乱が起こり、これ以降は天皇の皇位継承を幕府が管理することになった
  • 明治憲法の発布
  • 第二次世界大戦に敗戦し、占領下において日本国憲法が制定された

    2015年の現在は、5回目の国体変化後の時代で、6回目が起こるのを待っている状態です。この意味において、憲法改正の議論は日本通史における、第6回目の国体変化を起こそうとしていると見ることができます。

    もう1つ、本書から勉強になったことがありました。

    日本の歴史を天皇という視点から見た時に、本書を読んでいて興味深かったのは、朝廷や皇室の後ろ盾となれるかどうかが明暗を分けたことでした。

    武士の影響が大きくなって以降、自分たちが戦を起こしたり、天下を統一するための大義名分として、官軍であるかどうか、つまり皇室のお墨付きがあるかどうかです。

    ★  ★  ★

    本書は日本の通史を1冊の文庫でコンパクトにまとまっています。それでいて、内容に薄さは感じられず、日本の国体のありようを「変化はするが断絶せず」という視点で書かれています。軸が明確なので、ブレることがないのも読みやすかったです。

    本書から、各時代で興味深い出来事や、当時の考え方など、自分なりにさらに日本史を深掘りしたいと思わせてくれる本です。




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