2015/12/31

2015年を振り返る




2015年も大晦日、残すところあと1日です。今年最後のエントリーでは、自分のできごとについて、1年を振り返ってみます。

■ 次女が生まれました

秋に二人目の女の子が生まれました。

一人目と同じく、立ち会い出産をしました。長女の時に比べるとお産もスムーズでした。陣痛から病院へ向かい、その後の分娩台までの時間も長女の時と比べると半分くらいでした。生まれてからも元気で、その後も日々成長しています。

すぐ後に触れますが、妊娠初期に一時期は流産の可能性もあり、無事に生まれてきてくれて本当によかったと思っています。

■ 娘との二人暮らし

次女の誕生に前後しますが、妊娠初期に早期破水が起こりました。

病院に直行し、診断の結果、そのまま緊急入院となりました。妊娠17週目というタイミングでした。もしこのまま破水が続くようであれば、胎内で赤ちゃんは生きられないだろうと担当の医者から告げられました。

あるいは、破水が小康状態になったとしても、通常よりも明らかに早いタイミングで早期出産になる可能性があること。その場合、低くない可能性でなんらかの障害を持っていることも伝えられました。

妊娠22週目未満では、今後の母体も考えると堕ろすことも選択肢の1つとのことでした。

私自身の中では、その選択はなく、またたとえ障害を持って生まれても自分の子には変わらないので、なんとか生んでほしいというふうに考えました。

母体には絶対安静が必要とのことで、妻が長期で入院を続けることになりました。その間、1才の長女との二人暮らしをすることになります。

周囲からは二人でやっていけるのかという声もありました。一方で、自分の中では逆に火が着いたというか、ただ一人だけ妊娠継続と出産を言い続けたことで、長女と二人で暮らすことに腹をくくれました。

娘の保育園の送り迎えに加え、家事全般もやることになりました。娘は寂しがり、普段よりも甘えたりすることは多くありました。

それでも、なんとか二人で暮らせたのは周囲のおかげでした。家族、保育園や同僚のサポートにあらためて感謝です。そして何より、無事に次女が生まれたことは、今年1年の最もうれしい出来事でした。

長女にとって、おそらく彼女の人生の中で、最も父親と長く一緒に過ごした時間になりました。

ちょっと心配なのは、長女はまだ2才になる前後の時期だったので、この間の記憶がどこまで彼女の中に残ってくれるかです。あの二人暮らしの日々は残らないのかなと思うと、少し残念ではあります。

■ 毎日のランニング/ウォーキングが習慣に

7月にランニングを始めました。毎日続けられることで習慣になりました。ランニングとウォーキングでどういう変化があったかは、過去のエントリーで分析しています。
ランニング開始4ヶ月のトラッキングデータを使った統計分析

■ 資産運用のトピック3つ

1. 資産配分の目標見直し

資産配分 (アセットアロケーション) を3年トレンドで見ることで、今後の方針を確認することができました。この先の 1-2 年はリスク資産への投資を少し増やすことを考えています。
金融資産の3年トレンドから考える2016年の投資方針

2. 子どもの将来資金は投資信託で運用

誕生祝いやお年玉、公的な児童手当などから余った分は、投資信託にスポット投資をすることにしました。また、それとは別に毎月一定額を自動積立として投資しています。
子ども用の貯金には、投資信託での自動積立+スポット積立

3. NISA 運用を開始

10月末に申込み手続きを始め、11月末に NISA 口座を開設できました。同時に、NISA を自分の資産運用の中でどう位置づけるのかも、2015年末時点のものですが、決めることができました。
NISA はじめました。開設プロセスと NISA 活用方針 (2015年末時点)

■ 仕事はとても充実できた1年でした

2015年の今年、プロモーション (昇進) することができました。転職して2年という期間なので、順調と言えば順調です。

プロモーション自体はもちろん喜ぶべきことなのですが、1年を振り返った時にそれ以上に充実感があるのは、プロモーションをきっかけにより仕事が楽しくなったことです。

プロモーション前後で、表面上は自分の責任範囲は特に変わってはいません。ただ、自分の中では、より責任感が生まれ、同時に仕事が今まで以上におもしろくなりました。

その理由を考えてみると、プロモーションに恥じないようにしたいと思い、何より後押ししてくれた上司に対して泥を塗ることはできないという気持ちから、仕事により責任感が持てたからです。

良い循環になったのは、仕事で何を実現したいかも明確になり、それに向けて集中できたことで仕事にハマることができました。

★  ★  ★


2015年の今年最後のエントリーでは、自分自身のことの1年間を振り返ってみました。

実は、こういう形式のエントリーはこれが初めてです。今までは私自身のことを振り返っても、それは読み手にとって知りたい情報ではないと考えていたからです。

別の考え方をするようになったのは、他のブログ等で振り返りのエントリーをいくつか目にしたからでした。書いている人への理解がより具体的になり、共感できることや自分とは違う面に触れることで、自分のことを見直すきっかけになりました。

この体験を通して、自分からも何か一つでも役に立つことがあるのではないかと思い、振り返りエントリーを最後にアップしました。


2015/12/29

2015年 ブログへのアクセス状況まとめ




このブログの1年間のアクセス解析です。

ソースは Google Analytics、集計の対象期間は 2015年1月1日 〜 2015年12月28日です。比較対照として、2014年と2013年の同期間を使っています。

■ユーザー数やページビューなどの基本指標

訪問ユーザー数のトレンドです。数字が三つ並んでいるのは、15年 ← 14年 ← 13年 という順番で表示しています。
  • Users:66,943 ← 55,719 ← 36,133

ここで言うユーザー数はユニークユーザーです。ただ、Cookie を使って測定しているので、厳密な「ユニークユーザー数」ではありません。

というのは、Cookie はブラウザごとに付与されるため、また一定ユーザーの割合で Cookie がブラウザから削除され、新たに別の Cookie が配布されるためです。

この影響で、1人の人が複数ブラウザを使っていれば別のユーザーとしてダブルカウントされます。また、Cookie が削除されればこれも別ユーザーとして測定されます。なので、本当のユニークユーザー数はこの数値よりも少ないです。

次に、セッションとページビューの推移です。
  • セッション    :85,409 ← 70,599 ← 49,072
  • ページビュー:116,667 ← 102,773 ← 79,572

■流入経由

セッションベースにおける、検索およびソーシャル経由での流入比率です。検索流入比率は13年から14年で増加しましたが、14年から15年では横ばいでした。
  • 検索            :75.2% ← 75.8% ← 61.6%
  • ソーシャル: 2.5% ← 3.0% ← 8.0%

同じくセッションベースで、新規ユーザー比率のトレンドです。
  • 新規ユーザー:77.7% ← 78.2% ← 72.3%

デバイス別で、Mobile からの流入を見てみます (同じくセッションベース)。13年から14年での伸びほどではありませんでしたが、今年2015年は初めてモバイル経由が 50% を超えました。
  • モバイル:51.5% ← 45.1% ← 34.1%

■訪問いただいた方のデモグラ

男女比は2015年で、男性: 66% と 女性: 34% です。数字はセッションベースでの男女比率です。興味深いのは「モバイル」と「パソコン + タブレット」で、比率が異なっていたことでした。男性 vs 女性で見ています。
  • 全体                                :66% vs 34%
  • モバイル                         :56% vs 46%
  • パソコン + タブレット:77% vs 23%

年代別のセッション構成比です。
  • 18-24才   :12.3%
  • 25-34才   :39.1%
  • 35-44才   :31.6%
  • 45-54才   :11.3%
  • 55-64才   :4.3%
  • 65才以上:1.5%

25-34才と35-44才の2つで 70% を占めています。自分と同じ年代の方に訪問いただいているようです。

■アクセスエントリーと検索クエリのトップ10

アクセスの多かったエントリーのトップ10です。() 内は昨年14年の順位です。
  1. Android のポッドキャストアプリ「Podcast Addict」が使いやすい (43位)
  2. Whyからはじまるゴールデンサークル:シンプルかつ応用度の高い思考アイデア (1位)
  3. 赤ちゃんの服のうんち汚れは太陽が落としてくれる (6位)
  4. 「絶対赤字」の非常識に挑んだクロネコヤマトの競争戦略 (8位)
  5. みんな大好き!コメダ珈琲店のビジネスモデル (4位)
  6. KOMTRAX:コマツ建機の美しいビジネスモデル (7位)
  7. 自分を変えた「時間配分の見直し」と「片づけ」の方法 (5位)
  8. ぼんやり頭にさようなら。脳が冴える日常生活のちょっとした工夫 (2位)
  9. 鎌倉投信の「結い 2101」セミナーに参加してきました (13位)
  10. わずか3問:NBAファイナルで見た秀逸な質問力 (18位)

なお、今年1位だった Android ポッドキャストのエントリーは、昨年2014年は43位でした。このエントリーを投稿したのは2014年11月なので、去年の順位は参考値です。

最後に、検索クエリのトップ10です (対象期間は2015年9月25日 〜 12月28日)。ベースはクリック数 (= 訪問数) です。() 内は CTR です。興味深いのは、トップ10で、先ほどのエントリートップ10のうち、1位と2位に関連する検索クエリが9つあったことです。
  1. ゴールデンサークル (9.40%)
  2. android podcast (13.63%)
  3. podcast android (10.27%)
  4. 時間配分 (11.20%)
  5. why how what (20.66%)
  6. android ポッドキャスト (12.09%)
  7. ポッドキャスト アンドロイド (6.13%)
  8. why what how (18.63%)
  9. podcast addict (6.79%)
  10. ゴールデン・サークル (13.93%)

2015/12/27

NISA はじめました。開設プロセスと NISA 活用方針 (2015年末時点)




NISA (ニーサ) を開設しました。開設した証券会社は楽天証券です。

楽天証券で NISA を始めたのは、他に使っている SBI 証券などの証券会社の中で、楽天が最もよく利用しているからです。

■ NISA 開設のプロセス

事前にこちら側で準備するものは、新規での NISA 口座開設だったので「住民票の写し」です。私の場合は最寄りの区役所の出張所で、自動発行機から入手しました。

楽天証券での NISA 開設のプロセスは以下の通りでした。参考として日付を () 内につけています。

  • NISA 資料を請求
  • 資料請求を受付完了のメールが楽天証券から来る (2015/10/24)
  • 資料が楽天証券から発送される
  • 申込書と住民票の写しを送付 (2015/10/30)
  • 申込書等を楽天証券にて受領 (2015/11/2)
  • 税務署にて開設審査
  • 楽天証券から NISA 口座開設完了のお知らせ (2015/11/24)
  • NISA 取引開始

資料請求から NISA 取引ができるようになるまで、所要期間は約1ヶ月でした。時間のかかるプロセスは、申込書送付 〜 税務署の審査 〜 開設完了 で、3週間ほどかかりました。

■ NISA のメリット

NISA の魅力は非課税です。

株式等の値上がり益、配当金や分配金に本来は税金がかかります。値上がり益等に対して 20% が税金で (厳密には 20.315%)、この分が NISA であれば 0% になります。

例えば、値上がり益として10万円だった場合、NISA でなければ8万円が利益になります (2万円が税金)。NISA であれば10万円です。NISA は値上がり益や配当金の 100% が自分に還ってきます。

同じ株や投資信託に投資しても、NISA ではない普通口座であれば税金がかかるので、ここに NISA のメリットがあります。

なお、NISA には年間での上限投資額があり、2015年までは100万円、2016年から120万の予定です。

■ NISA 活用の方針 (2015年末時点)

NISA の非課税メリットを活かすために、NISA の使い方は大きくは2つだと思います。

  • 値上がり益を期待し、個別株に NISA 枠から投資する。株価が上がったタイミングで売却
  • 配当金/分配金の多い銘柄や投信信託を買い長期保有。保有期間中の配当金や分配金を非課税にし NISA メリットを享受

前者は数ヶ月〜数年くらいの短期的/中期的な運用になるでしょう。後者は数年以上の長期スパンで考えるものです。

私自身の NISA の使い方は、個別株への投資は NISA ではしません。NISA でというよりも、資産運用にあたって、個別株への投資はやらない方針です。

理由は、個別株の運用はリスクが自分にとって大きいのと、何よりも適切な個別株を選定する能力が自分になく、またそのために時間を使いたくないからです。これは NISA にかぎらずです。

後者の配当金や分配金については、ある理由から、こちらも自分の NISA の使い方にはならないと考えています。

配当金/分配金は、その時点での会社や投資信託が得た利益の一部を、投資家に現金として還元するものです。一方、もしその還元分を投資家ではなく、自社への投資 (設備投資など)、投資信託であれば保有銘柄に再投資すれば、将来により大きな投資結果になる可能性があります (もちろんその逆もあります)。

私自身は、配当金という投資家への都度の還元ではなく、後者の再投資をしている投資信託がよいと考えています。現在、投資している投資信託はどれも分配金は発生していません。

こうした理由から、NISA 活用の2つ目として書いた、長期で保有する期間中に配当金/分配金への非課税メリットも、自分の使い方とは異なるのです。

では、NISA の活用方針としてどう考えているかというと、毎月の自動積立投信に NISA を使います。

NISA ではないの従来の運用は、基本的には保有を続けていました。NISA については、あらかじめ値上がり幅を決めておき (例: +10%)、それを超えれば売却します。自動積立をする投資信託の、売却益に対する非課税が NISA メリットになります。

売却後も、毎月の自動積立は継続されるので、また1から積立が始まります。これまでの積立 → 保有に比べると、積極的な資産運用です。

なお、資産価値が減少し、投資分よりも下がった場合は、売却ではなくそのまま保有することを考えています。

この NISA 活用の方針は、ベストとは言えないのが正直なところです。あくまで 2015年末時点のものです。まずは2016年をこのやり方でやってみて、変えたほうがよいと思えば、変えていくつもりです。

最後に、NISA での積立投信をご紹介しておきます。リンク先はモーニングスターの情報ページです。() 内は毎月の NISA 投資分に占める割合です。



2015/12/26

Bluetooth のコードからの解放がもたらした価値




2015年に買ったもので、利用価値が高く特に満足度の高かったものが Bluetooth のイヤホンとスピーカーでした。

Bluetooth イヤホン

2015年に始めた習慣の1つは、毎日ランニングをすることです。

走りながら Podcast を聞いています。当初は普通のイヤホンを使っていました。しかし、イヤホンのコードが、普段使っているよりもランニング中は特にわずらわしく感じました。

そこで買ったのが Bluetooth イヤホンでした。soundPEATS (サウンドピーツ) Bluetooth ワイヤレスイヤホン ヘッドホン Q9A です。

2015/12/23

Instagram の提供価値 (2015年時点) - なぜあの人はインスタを使うのか




マーケティングにはバリュープロポジションという考え方があります。日本語にすると提供価値です。

その商品やサービスが提供することには、ターゲット顧客にとって価値があるか。これを実現することがマーケティングの肝の1つです。

■バリュープロポジションとは

バリュープロポジションの要素は3つあります。この3つが全て成立していることがカギです。

  • 顧客が求める価値を提供できている
  • その価値は自社が強みとするものがベースになっている
  • その価値は競合他社が提供できないもの、もしくは、他社よりも自社のほうが優れている

バリュープロポジションとは、別の言い方をすれば「顧客が選んでくれる理由」です。

大抵の場合、ある商品/サービスを使おうと思うとき、顧客の頭の中には複数の選択肢があります。その選択肢の中で自社以外の候補が、競合となります。

ここでポイントなのは、競合他社はあくまで顧客の頭の中にあることです。提供する側が想定する競合は、顧客の頭の中の選択肢とは必ずしも一致しません。

顧客が頭の中で選択肢を思い浮かべ、その中から自社の商品/サービスが選ばれる。その理由こそがバリュープロポジションなのです。

■ Instagramのバリュープロポジションを考える

ところで、今年2015年、1つ興味深かったことがありました。自分のまわりの友人が Instagram を使い始めたことです。それまでの2014年に比べて、特に今年は多かったのが印象的でした。

インスタグラムを具体例にして、バリュープロポジションを考えてみます。

インスタグラムの競合は、Line、Facebook、Twitter などのメッセージや SNS となります。加えて、先ほどの「顧客の頭の中の選択肢が競合」を当てはめると、スマホの中の他のアプリ (例: ゲーム)、もっと広げると隙間時間にできることである読書なども含まれるでしょう。

これらの選択肢の中で、人々はスマホを取り出し、インスタグラムのアプリをタップして使う。そこには意識的にせよ無意識的にしろ、インスタグラムである理由があるわけです。これこそが、インスタグラムのバリュープロポジションになります。

1. 文字ではなく写真だけを楽しめる

1つ目は、インスタグラムは写真 (と動画) に特化していることで、それによる提供価値は、フィードされるコンテンツには文字情報は最低限しかなく、視覚的に気軽に写真を眺めて楽しめることです。

文字情報ではなく写真で気持ちを伝えることができる、あるいはフォローしている人の気持ちが伝わる。ここに他の SNS にはないインスタグラムの特徴があります。

インスタには、時々なんでもない日常の風景の写真が幻想的に加工されているものがフィードされています。そんな写真にはアップした人のセンスが感じられ、見ているだけで楽しめるものです。こうした体験ができることが、インスタの提供する価値でしょう。

2. Instagram でしか見られないコンテンツがある

2つ目は、インスタでしか見られないコンテンツがあることです。お互いに知っている友人や恋人からの写真であったり、インスタを積極的に使っている芸能人などの有名人からの写真です。

自分自身の肌感覚として、インスタグラムを使う人がまわりに増えるにともない、Facebook で写真だけのアップをするフィードが減ってきたような気がしています。

登録は各 SNS にしているものの、積極的に投稿しているのはインスタグラムだけだと、その人の近況を知るためには、インスタからとなります。

自分の好きなアーティストや芸能人がインスタをよく使っていれば、これもインスタを選ぶ理由になります。

テレビや雑誌などの他では決して見られない、彼ら/彼女らの日常の写真もアップされていることもあります。これらのコンテンツを楽しめることもインスタでしかできない体験、すなわち独自の提供価値になります。

インスタの写真を見ていると、最新の流行やファッションについて、参考になる情報が得られるそうです (これはまわりから聞いたことで、私自身の使い方ではないです)。

行きたい飲食店を探すのにもインスタは使われるようです。従来であれば Google 検索、食べログなどのレビューサイトでされていたことです。インスタから検索し、お店や料理の写真、レビューを見て、行くかどうかを決めるという使い方です。

流行りやファッションコーディネート、お店の情報。これらがインスタグラムでしか見られないのであれば、これもインスタ独自の提供価値です。

3. Instagram で写真を共有したい、今の気持ちを伝えたいと思える

3つ目は、自分が撮った写真を加工でき、他人に共有できることです。

写真を通して今の気持ちが伝えられることと、見てほしい写真に対して「いいね」の評価がもらえる。撮影 - 加工 - 共有 - フィードバックの全プロセスがインスタグラム内で完結する。

他の場所ではなく、インスタグラムで共有したいと思えること。他の選択肢ではなく、インスタが選ばれる理由がここにもあるのでしょう。


2015/12/19

書評「論点思考」(内田和成)




以前に読んだ本を、しばらく時間が経った後に読むことがあります。

読書体験としておもしろいと思うのは、二度目に読むのが例えば数年後だと、本の内容によっては、一度目に読んだ時とは違った印象や学びが得られることです。

本に書かれていることの大きなテーマの認識は、すでに過去に読んでいるのでズレることなく読み進むことができます。ただ、章ごとの具体的な内容に入っていくと、書かれていることがあたかも初めて読むような新鮮な感覚になることがあります。

今回のエントリーでご紹介する本 論点思考 がそうでした。

本書が発売されたのは2010年です。今は2015年末なので、二度目に読んだ今回は、一度目からは 4 ~ 5年は経過しています。

今回読んだ時に印象に残ったのは、「論点は、一見してわかる単なる問題点 (現象や観察事実) ではない」ことでした。

本書では論点の定義を「解くべき問題」としています。目の前の事象が論点にならないというのは、現象はあくまで結果ということです。解くべき課題設定かどうかという視点で見ると、問題であっても論点にはなり得ないのです。

本書で説明されていた具体例は、会社に不法に侵入者が入り盗難被害にあったことでした。会社が被害にあったことは問題ではあるものの、これ自体は事象であり解くべき論点にはなっていません。

では論点とは何になるのか。本書では論点候補として4つ挙げられています。
  • 不法侵入や盗難を防げなかった → 防犯体制をどう強化するか
  • 会社の物品盗難による損害や今後のリスク →損失額や、盗難に伴ってさらに発生する被害リスクをどう評価するか
  • 侵入者や盗難発生の社内報告が遅れた → 情報共有の仕組みをどうつくるか
  • 盗難被害が報道され会社のイメージが低下 → イメージダウンをどう回復するか

「会社が盗難に遭った」では、どう次のアクションを取るかが具体的に考えにくいでしょう。その理由は、これが単に発生事象であり、本書でいうところの論点 (解くべき課題) になっていないからです。

上記4点に落とし込めば、具体的に何を検討するべきなのか、そして、それら検討事項のうちどれを対応し、どれの優先順位を下げるのかを考えることができます。

本書では、問題として捉えてしまいがちな現象や観察事実を、いかに論点にするかについて、著者のやり方/考え方、経験談が具体的に説明されています。

本書の問題提起は、問題解決の前提としてそもそもの問題設定は正しいか、という視点です。

問題解決はビジネスで成果をあげる際にとても重要なものだが、暗黙の前提として「正しい問題」を解いていることを想定している。

しかし、考えてみてほしい。あなたがいま解いている問題、あるいは、これから解こうとしている問題は正しいのか、他に解くべき問題があるのではないかと。

ここを一度考えてみようというのが本書の狙いの一つでもある。




2015/12/16

おもちゃ病院の提供価値




自宅の近所に、「おもちゃ病院」があります。

これは日本おもちゃ病院協会というボランティア団体が運用している、壊れたおもちゃを修理してくれる病院です。

おもちゃを修理してくれる先生 (ドクター) は、主に中高年のシニア男性。彼らはボランティアで活動をしています。以下は日本おもちゃ病院協会のウェブページからの引用です。

おもちゃドクターの会員は、長年の経験や専門技術を活かすことで誇りを持って地域おもちゃ病院でボランティア活動を行っています。

お子さん達からの「おじさん!ありがとう!」の声が嬉しいのです。笑顔がこぼれます。

こわれたおもちゃを直すことによって、資源の消耗を少しでも減らすことは、大切なリサイクルであり、消費者の使い捨ての意識の改善にも役立ちます。

ともすれば家庭に引きこもり傾向にあるシニアのみなさん。どんどん外に出ておもちゃ病院活動に参加してください。おもちゃ病院活動に参加するシニアの皆さんは生き生きと元気に活動されています。

修理は、ドクターが直接行ないます。接着剤や、ハンダつけ、回路テスターやラジコン検波器製を使って、壊れてしまったおもちゃを直すそうです。

修理できるおもちゃは、電池などで動くラジコンやロボットや電車、人形などです (おそらくですが、ゲーム機などのおもちゃは対象外なのではと思います)。

今回利用したのは、2才の娘のおもちゃを修理するためでした。

犬の人形で、スイッチを入れると両手足が動き、可愛らしく前に進むおもちゃです。ある時からスイッチをオンにしても動かなくなり、ダメもとで「おもちゃ病院」に行ったのが前回でした。

修理できたとの連絡を受け、娘と受け取りに行ってきました。

修理された犬のお人形を見て、娘はうれしそうでした。修理費として、前足内の稼動パーツ交換費のみがかかりました。200円です。

その場には、他にも5組ほどが、家族で修理の依頼、もしくは修理されたおもちゃを受け取っていました。修理されたおもちゃを受け取って喜んでいたのは、子どもだけではなく親もうれしそうにしていたのが印象的でした。特にお父さんが、です。

おもちゃ病院が提供している価値は、壊れたおもちゃをもう一度遊べるようにしてくれることです。あらためて思ったのは、単におもちゃが直るだけではなく、おもちゃの修理を通して「おもちゃへの思い出や記憶も蘇らしてくれること」が価値なのではということです。

修理したいおもちゃを説明するお父さんが、壊れる前の状態をすごく細かく説明していました。「こういうふうに動き、その時にはこんな音が出る。」

そのおもちゃは、予想するに自分が小さい時に遊んだもので、子どもに譲ったものなのでしょう。もしかしたら、直して欲しいと願っているのは子どもよりも、お父さんのほうかもしれません。


2015/12/12

「カフェオーナーになることが夢」に向かって歩き出した女性へのアドバイス




知人からキャリア転向の話を聞く機会がありました。知人は、20台後半の女性です。2ヶ月後の2016年2月に今の会社を退職し、4月から2年間、専門学校に通うとのことでした。

「学生のときから抱いている、カフェオーナーになるという夢に向かって、前に進むことにした」。そんな決意でした。

2015/12/09

2才の娘のクリスマスプレゼントには、「ジグソーパズル」ではなく「ブロック」をあげたい理由




2才3ヶ月の娘がいます (2015年12月現在)。

娘のお気に入りのおもちゃに、ジグソーパズル、ブロック、積み木があります。親と一緒につくったり、時には自分一人で熱中して遊んでいることもあります。

パズルは30ピースです。特に動物の写真のパズルが好きなようで、パズルを組み立てながら、「これは らいおん」などと、できあがってくる動物の名前を得意そうに教えてくれます。

30ピースのパズルは、始めの頃はなかなか自分一人では完成できませんでした。何回も遊んでいるうちに、どのピースがどこに当てはめるかを覚えてきたようです。今では、親の手伝いも必要なく、自分一人でできるようになりました。

ちょうどクリスマスも近いので、プレゼントにはもう少し難しいパズルがいいかなと思っていました。30ピースの次は、50ピースがあります。

ですが、娘がパズルで遊んでいるのをあらためて観察していて考えを変えました。ジグソーパズルではなく、別の遊ぶものです。パズルよりも、ブロックがいいと思っています。

その理由は、ジグソーパズルは「唯一の正解」があるおもちゃだからです。それもあらかじめ他人が決めた正解です。

30ピースのパズルであれば、30個それぞれのピースの位置や、はめる向きが決まっています。各ピースを当てはめていった後の完成図も答えは1つです。1つでもピースの位置や向きが違うと、パズル全体として完成しないわけです。

パズルを覚え、30ピースでも3分くらいでスムーズに完成させられるようになると、娘のパズル遊びが何かルーチン的な作業のような感じがします。

一方のブロックで娘が遊んでいるのを見ていると、毎回違うものができあがります。

例えば、一所懸命ブロックで大きなものを組み立てているかと思ったら、娘が言うには誕生日ケーキをつくったとのことでした。その後に誕生日の歌も歌ってくれました。

他には、人形の前に黄色のブロックを並べていたこともあります。何をしているのかを聞くと、お人形にみかんをあげているとのことでした。ブロックを食べ物に見立てることは、特に親から教えられたわけではなく、自分で思いついてのことです。

子どものブロックや積み木の遊びには、大人からすると予想外なものがあり、毎回楽しませてくれます。ブロックには、組み合わせが何通りもあります。唯一の正解となるような遊びはなく、子どもの何かをつくりたいという気持ちを自由に表現できるのがブロックです。

ジグソーパズルにはあらかじめ決められた正解があり、ブロックには正しい答えはない。自分の娘への教育方針としてベターなのはブロックです。今年の娘のクリスマスプレゼントにはパズルではなく、ブロックがいいかなと思っています。


2015/12/06

書評「中くらいの幸せはお金で買える」(藤原和博)




「中くらいの幸せはお金で買える」の著者は藤原和博氏。2003年より5年間、東京都内で義務教育初の民間校長として、杉並区立和田中学校校長を務めたことでも有名です。

ここ最近の自分の関心領域の1つが「どうお金を使うか / 何にお金を使うか」ということもあり、本書は興味深く読めました。

著者の問題意識を端的に表すのが、以下の引用部分です。
私が思うのは、日本人のお金の使い方で、”中くらい” の額にこそ問題があるのではないか、ということです。

100円単位、1000円単位の買い物まではうまい。チラシやネットに目を凝らし、満足度をそれなりに得ています。いっぽう数千万単位であれば、誰でも慎重に慎重に行動するでしょう。

ところが、1万円から100万円単位のお金の使い方がなんとも下手なのです。これがうまく使えていないから、幸福感が台無しになっている。結果、孤独感を克服することができない。私はそう考えています。

本書では、お金の使い方について 18 のやり方が説明されています。どれも著者が実践していることです。

読後での印象は、全てを著者と同じように実行しても、必ずしも自分にとっての幸せにつながらないと感じました。何に対して幸福感を抱くかは人それぞれだからです。

本書への感想として付け加えるとすると、18通りのお金の使い方について、そのまま著者と同じことができるのは、ある程度の収入がある方に限られる点です。推測するに年収が 3,000万や 4,000万程度以上は必要になってくるのではないでしょうか。

ただし、だからといって、つまり、同程度の収入がないからといって、本書の内容が無意味だとはなりません。

むしろ、私自身にとっては、このお金の使い方は同意できる、別のこのお金の使い方は自分の価値観にはそぐわないと、考えるきっかけになりました。

自分のお金の使い方と比べ、極端に違う著者のアプローチについて、一読しただけでは単にそのお金の使い方に違和感を抱くだけだったものが、あらためて考えることで自分が何に価値を置いているのがが見えてきました。

別の言い方をすれば、著者と自分のしあわせ感を相対的に比較することで、自分のことが理解できるのです。

その意味において、本社からは色々と考えることができた良い本でした。




2015/12/02

株式投資も自己投資も本質的には同じ




「30歳からはじめるお金の育て方入門 貯めながら殖やす新しい習慣」の著者は自らを草食投資隊とする渋澤健氏、中野晴啓氏、藤野英人氏の3人です。

本書が興味書く読めたのは、「投資」についてあらためて考えることができた点でした。そもそもなぜ投資をするのかの哲学的な内容が、本書を読み、最も印象に残ったことです。

投資とは、将来に価値を生むであろうことに対して、自分の「大切なもの」を投じることです。

大切なものがお金で、価値を生むであろう対象が企業であれば、株式などの投資になります。株式投資とは、その会社が付加価値を生み続けてくれることを期待し、資産であるお金を投じることだからです。

投じる「大切なもの」は、お金だけではありません。自分の時間やエネルギーも含めて考えることができます。

自分に対する投資 (自己投資) の考え方も、本質的には同じです。

今後、自分の価値が高まること、自分の目指す方向として高めたいことに投資をする行為だからです。

勉強をしたり、読書、旅行、何か新しいことに挑戦するなど、お金を使うことだけではないのです。自己投資は、時間や知恵、エネルギーなど自分の持つ資産を活用して、経験や成長などのリターンを得る行動です。

リターンとは、自分の価値が高まることです。自分の価値を高めるとは、より多くの人の役に立つ人間になることです。

より多くの人とは、別の言い方をすれば社会のことです。自分の価値を高めることで、社会に対してより貢献できることを増やしていく。

この意味において、自己投資も、株式投資などの他己投資も本質的には同じです。他己投資は、自分以外への色々な投資が含まれるので、子どもへの教育、NPO 組織などへの投資、あるいは税金/年金を払うことも当てはまります。

投資とは、将来に価値を生むであろうことに対して、自分の「大切なもの」を投じることだと書きました。

ポイントは、大切なものを投じるにあたって期待される価値は何かです。単に損得勘定で考えるのではなく、期待する負荷価値が、自分の哲学や人生にとって意味があることなのか。

自分の「大切なもの」を活用するからこそ、投資対効果を複数の視点で持っておくことが大切です。




2015/11/29

漠然とした言葉が出てきたとき、さらに深く考える癖がついているかどうか




『ビジネスマンのための「数字力」養成講座』という本には、次のことが書かれていました。
漠然としたことばが出てきたとき、さらに深く考える癖がついているかどうかが、頭がよくなるかどうかを大きく左右します。

この本の全体的な内容にも通じますが、ものごとを数字で捉える、表現するかどうかは、日頃から意識したいと思っています。

例えば、「増えた」「多い」「大きい」は、具体的に数字で表現するとどうなるのか。数値に置き換わった後にどう理解し、あるいは数字に変換するプロセスそのものが深く考えることになります。

数字に関してもう1つあるのは、絶対値と割合をセットで考えるようにすることです。

例えば、100万人という数字があったとします。100万という規模はそれだけを聞くと多い印象を受けるかもしれません。ただし、それが1,000万人のうちの100万なのか、1億人のうちの100万かで、全体の中の位置づけが変わります。前者であれば 10%、後者であれば 1% です。

ポイントは、100万という数値だけにとらわれ過ぎるのではなく、背後にある「全体」がどれだけかを把握するよう心がけることです。併せて、その全体を分母にすることで % で理解すること。

一方で、% の数字を先に見た場合も同じです。% の分母となる絶対値は何かです。

例えば、30% 増えたといっても、それが 100 → 130 なのか、10,000 → 13,000 なのか。この場合の 30% の分母は 100 か 10,000 にあたります。

% は割り算なので、特に分母の絶対値が何かを把握することで、実は % だけでは漠然としたものだったことがより具体的になります。

このように、絶対値 → %、% → 絶対値 と、意識して両方を把握できるようにすることが大切です。




2015/11/26

ランニング開始4ヶ月のトラッキングデータを使った統計分析




今から4ヶ月ほど前の2015年7月に、ランニングを始めました。

ランニングを始める前と後での1日の歩数トレンドをグラフにしたものが以下になります。グラフの色を分けているのは開始前後で、緑がランニング開始前、青が開始後です。ランニングを始めたのは15年7月11日です。



開始前後での歩数の平均値および標準偏差は、
  • 平均値:    7,785 → 16,042
  • 標準偏差:2,374 → 2,747

次に、同じ期間の1日の消費カロリーを、基礎代謝を除いた運動分についての推移グラフです。黄色がランニング開始前、赤色が後です。単位は kcal です。



同じくカロリー (kcal) の平均値と標準偏差は、
  • 平均値:  222 → 527
  • 標準偏差:71 → 103

歩数以上に、消費カロリーのランニング前後での変化は大きいことがわかりました。

なお、歩数や消費カロリーの測定は Withings Pulse を使っています。2014年5月11日から使用していて、ちょうど1年半の歩数やカロリー、これ以外にも歩行距離や移動高低差のデータがあります。


Withings Pulse


体重と体脂肪の測定は、同じ Withings 商品の Withings Smart Body Analyzer を使っています。Wi-Fi から測定データがクラウドに送信され、スマホ内アプリや Web 上のマイページからデータを確認することができます。


Withings Smart Body Analyzer


この体重計はもっと前から使っていて、2012年4月30日からデータがあります。全データから体重の約3年半のトレンドグラフは、次のようになります。



同じ期間の体脂肪のトレンドグラフは以下です。



見たところ、体重と体脂肪の間には相関が強く出ています。相関係数は 0.96764 でした。

体重と体脂肪について、横軸に体重、縦軸に体脂肪のプロットをとってみました。回帰直線と回帰式および決定係数(R^2)を表示しています。



得られた回帰式は y = 0.5308x - 22.318 でした。説明変数 x は体重、目的変数 y は体脂肪とする、単回帰分析です。

この式は、2012年4月30日から2015年11月22日までの、3年半ほどの体重と体脂肪の関係を最も近似したモデル式です。

このモデル式を使って、ランニング開始前後で、体脂肪がどういう傾向になっているかを確認してみます。

先ほどの体重のトレンドグラフと、このモデル式の x に実際の体重測定値を代入して得られるトレンドグラフを重ねてみます。青は実際の体脂肪の測定値、赤がモデルから得られた体脂肪の値です。



決定係数 R^2 = 0.93632 なので、ほぼ重なっているように見えます。

ただ、よくよく見てみるとランニング開始後で、測定値とモデルからの値に乖離がでています。ランニング開始前後の4ヶ月 (合計8ヶ月) だけの期間でグラフにすると、乖離がよくわかります。



乖離幅を視覚化するために、体脂肪の測定値 - モデルにより算出される値、の差分のグラフをつくってみました。プラスは 実測値 > モデル値、マイナスは 実測値 < モデル値 です。



ランニング開始後はほぼ一貫してマイナスで推移しています。モデル式から得られる体脂肪の値は、3年半の体重と体脂肪の関係から得られる最もその値を表したものです。

ランニング開始後のマイナスの乖離は何を意味しているかと言うと、ランニングを始めたことで、開始前の傾向よりも体脂肪が少なくできていることです。差分グラフから、この状況は特にランニング開始後2ヶ月で強く出ていたようです。

★  ★  ★

今回のエントリーでは、ランニングを開始して4ヶ月ほど経過したので、この間の自分の身体の変化を体重と体脂肪の関係から見てきました。シンプルですがトレンドデータがあることで、ある程度は見えてきました。

一方で、モデル式は体重が説明変数、体脂肪が目的変数でした。本当はやりたかったのは体重を目的変数にすることでした。

歩数やカロリーで同じようにやってみましたが、あまりよい当てはまりにはなりませんでした。

考えられる理由として、説明変数として摂取カロリーのデータがないことだと思います。体重の増減は、摂取カロリー > 消費カロリーであれば増えていくはずなので、この2つがあればそれなりの説明力はあると思います。

現時点では消費カロリーしかトラッキングデータがない片手落ちの状態です。体重を目的変数にするのであれば、少なくとも摂取カロリーと消費カロリーを使った重回帰分析が必要でしょう。


2015/11/22

マーケティングに欠かせない「顧客視点」をあらためて考えてみる




マーケティングで大切なことの1つが「顧客視点」で考えることです。

顧客視点には、実はいくつかの段階があると思っています。少なくとも二段階あり、同じ顧客視点でも今自分はどちらで考えようとしているのか、常に自問するようにしています。

1. 「自分 = 顧客」だと考える顧客視点

顧客のことを具体的にイメージする際に、「自分が顧客だとして」という意識的にも無意識にも、このような前提で考える顧客視点です。

端的に言ってしまえば、自分が欲しいもの = 顧客が欲しいもの、です。

この場合、自分と同じ嗜好であったり、何に価値を感じるかの感覚が自分と顧客で同じであれば、この顧客視点は本当の顧客の声を代弁することができます。

しかし、そうでないケースもあるでしょう。

「自分 = 顧客」だと考える顧客視点の危ういところは、判断基準のよりどころが「自分」になることです。顧客は自分であるという、ある意味で思い込みが強くなってしまう。いつしか「顧客 = 自分」が現実の顧客と乖離してしまう。このような危険性を持ち合わせています。

2. 「自分 ≠ 顧客」(自分と人は違う) を理解した上での顧客視点

あくまで、自分とお客 (= 他人) は違う人間であるという前提で考えることを始めます。

自分は自分であり、どうやっても顧客にはなれないことを頭で理解している。一方で、だからといって顧客視点を放棄するわけにはいかない。

この矛盾があることを理解し、その上でどうするかというと、結局のところは顧客に聞くしかない。顧客に質問をし、彼ら / 彼女らを観察することで、(自分とは違う)顧客を理解することを貪欲に求めます。

自分はこう思う / こう感じる、を仮説にし、お客を知ることで仮説検証をする。この PDCA を細かく何度もまわす。そのプロセスを通じて顧客を理解し、顧客視点を獲得していくのです。

★  ★  ★

誤解のないようにしておくと、1 の「自分 = 顧客」とする顧客視点が必ずしも NG というわけではありません。

世の中に自分が本当に欲しい商品やサービスがないことから、どうなれば自分が満足できるかどうかを突き詰めた結果、その商品 / サービスには自分以外の多くの人も同じように価値を感じ、ヒット商品になったケースもあるでしょう。

ただ、無意識に(無選択に)そうなっているだけなのか、意識的に「自分 = 顧客」とみなす顧客視点で自分は考えているのかで、違いは大きいと思います。

後者の考え方は、「自分 ≠ 顧客」を受け入れ自分と他人は違うので、顧客の視点になるには顧客を知るしかないという立場を取ることも可能になります。


2015/11/18

仮説だけで事前に報告書を書いてみよう




何かの報告書、例えば調査であったり、出張報告書は、事後で書かれるものです。

調査報告書とは、ある調査の目的があり、調査結果を関係者に報告し共有するためにあります。報告書の作成者は、調査を実施し、そのまとめとして報告書作成に取りかかります。

今回のエントリーでは、あえて逆の発想をしてみます。

報告書を事後で作成する一般的なケースに対して、報告書をあえて「事前に」つくることを考えてみます。

調査を企画する段階で調査結果を仮説として予測し、仮説ベースで報告書概要を書いてしまうのです。

そもそもとして、調査を実施するということは、あらかじめ持っている仮説を検証するのが目的です。その仮説をもとに調査報告書としてまとめておくわけです。

調査をする前に仮説だけで報告書を書いておくことは、次のようなメリットがあります。

1. 仮説が明確になる

1つ目は報告書を書くプロセスを経て、仮説が整理されます。書く前は曖昧であった仮説も、報告書のストーリーを考える中で、具体的にどう曖昧なのかがわかってきます。

さらに、仮説の曖昧な部分が見えてくるだけではなく、曖昧な部分が事前報告書を書く中で明確になっていきます。調査の前に報告書を書くためには、半ば強制的に仮説をクリアにせざるを得ないのです。

2. 調査結果の質が上がる

2つ目のメリットは、調査結果のクオリティが上がります。事前に仮説ベースで報告書をつくってしまっているので、調査結果の分析や考察において何をすればよいかが見えています。

当然、事前に書く仮説報告書の内容(仮説)が、調査結果と異なる場合も起こります。

なぜ仮説と違ったのかを考えることで(仮説を考える際のどの前提が違っていたのか)、より深い検証と考察ができます。事前に仮説だけで報告書を書いておくプロセスで、仮説が明確になっているからこそです。

こうしたことを調査結果をまとめる中で何度も行なうことになります。その過程を経て、調査結果の分析や考察、結論がブラッシュアップされます。

大切なのは、仮説が間違っていてもいいので、何かしらの仮説を調査前に持っておくことです。仮説がない中で調査を実施すると、どこまで調査し検証するのかが、調査中や調査後の分析時にあやふやになってしまうことがあります。ゴールを見失ってしまうのです。

3. 報告書の質が上がる

3つ目のメリットは、事後の報告書の質も上がります。

ゼロから報告書を書き上げるよりも、事前に仮説をもとにつくった報告書があるので、それをアップデートする中で中身も磨かれるのです。

★  ★  ★

これら3つのメリットは、要するに何かと言えば、仮説をつくる → 検証するというサイクルを細かく何度もまわせることです。

調査前に仮説ベースで報告書を書いてしまうことで、(報告書という形にできるくらい)仮説をクリアにできます。

調査が始まり進めていき、事前報告書内の仮説と結果を照らし合わせることで、仮説検証がしやすくなります。場合によっては新しく見えてきた仮説をさらに調査し検証することもできるでしょう。

調査後の報告書を書いていく中でも、当初の仮説と新たにわかったファクトのずれを考えることで、ここでも検証プロセスをまわすことができます。

仮説を考え検証することは、1周では終わりません。細かいサイクルを何度もまわす。これを繰り返すスパイラルになることで、よりブラッシュアップされるのです。


2015/11/14

コンパクトな Bluetooth 音楽スピーカーの価値

自宅で音楽を聴くのに、Bluetooth スピーカーを新しく使い始めました。買ったのは EC Technology 5W ポータブルミニ Bluetooth 4.0 スピーカーです。



音質が十分に満足でき、デザインも気に入っています。コンパクトなサイズで、大きさは缶コーヒーの 3分の2 くらいです。

このスピーカーをパソコンやスマホに Bluetooth 接続し、YouTube、Google Play Music のクラウドにある音楽、あるいは Google Play Music でスマホ内にダウンロードしてある音楽を聴いています。

Bluetooth スピーカー使用することで何より変わったのは、コードから解放されたことです。

これまでは、パソコン等に使うスピーカーは、コードをイヤホンジャックに接続していました。コードをパソコンやスマホにつなぐことは、言葉にすると簡単です。しかしコード接続が面倒に感じ、次第にスピーカーからの音楽再生をしなくなっていました。

もう1つの理由として、スピーカーのサイズの問題がありました。スピーカーをデスクまわりに置くには場所を取り、邪魔だと感じることがありました。

スピーカーを例えば窓脇に置くと、コードが届く範囲にパソコンなりスマホを近づける必要があります。これがまた面倒だったという状況でした。イヤホンはパソコンにつなげて音楽は聴くのに、スピーカーのコードをつなげなくなったのはこれが理由でした。

コンパクトな Bluetooth スピーカーは、この状況を変えてくれました。

コードではなく Bluetooth 経由で音楽データが転送されること、持ち運びに用意なこと、置くのに場所を取らないこと。これらによって、スピーカーの置き場所に自由度が生まれました。

コードをつなぐ手間に比べ、Bluetooth を接続する手間のほうが簡単なため、気軽に音楽を聞ける環境ができました。

使っていてバッテリーも持つ印象です。スペックとしては連続再生時間が 10 時間です。

それと、気に入っているのはスピーカー面が上部にあることです。

スピーカーをどの向きに置いても、音が出る面は常に上からです。置く際に向きを気にしなくてよいのも、手軽に使える1つの要素です。


2015/11/11

プロのビジネスパーソンは、仕事を「つくって、動かし、貢献する」




ビジネスにおいて、プロとして仕事ができているかどうかは、ある判断基準を持っています。

つくって、動かし、貢献する。

これができているかどうかを、常に意識するようにしています。

「つくって」は、自分の判断で仕事をつくりだしているかどうかです。単に上司や同僚から言われたことをその通りに行なうのではなく、主体的に仕事を生み出しているかです。

小さなことでは、たとえ上司から降ってきた作業であっても、仕事を進める中で自分なりの創意工夫を加えたり、アウトプットに期待以上の価値を出すなどです。

もう少し大きなレベルでは、新しいプロジェクトを企画提案したり、新規ビジネスや部門をつくる、あるいは起業することも含まれます。

「動かし」は、自分がつくりだした仕事をさらに価値のあるものにするため、同僚やチーム、クライアントを巻き込んでいくことです。仕事をつくっただけではなく、組織の業務として形にすることです。

大抵の仕事は自分1人で完結せず、他の人との協業で動くものです。自分が「つくった」仕事に他人も巻き込んでいくことは、その仕事がそれだけの価値を持つということです。

自分が提案した(つくった)企画や業務、プロジェクトが認められ、実際に仕事として走りだした。自分だけではなく、さらに他のチームに協力を要請し一緒に働く人が増える。実際にお客さんに提供できる段階になった。

ここまでくると、「つくった」仕事が実際に「動いている」状態になります。

「貢献する」は、動きだした仕事に結果が伴うことです。具体的には、売上がたったり、その仕事によって利益が生まれる状態です。

直接的な売上や利益につながらなくとも、社内の関係部署の役に立つようになった場合も含めています。

自分がつくりだした仕事が、会社やチーム内あるいは組織間でまわるようになり、それが結果として何かしらの貢献できていること。

理想的には、社内や提供される顧客への貢献にとどまらず、業界や社会全体に貢献できていることです。

ビジネスパーソンとして、仕事をつくって、動かし、貢献しているか。今の仕事がどの段階にあり、最終的な「どんな形で誰に貢献するか」をつくる段階から意識しておく。

日々の仕事において、こうした一歩引いて俯瞰した視点を忘れないようにしたいと思っています。


2015/11/08

自分も相手も大切にする「アサーティブなコミュニケーション」のために心がけたいこと




ある雑誌のコラムに、コミュニケーション術の紹介が載っていました。

アサーティブジャパン代表の森田汐生氏による「自分を好きになるコミュニケーション術」です。アサーティブとは、コミュニケーションにおいて自分だけではなく相手も大切に考えることです。

アサーティブを実践するために心がけたい3つのポイントが印象的だったので、ご紹介します。

1. 私たちには自己表現する権利がある

アサーティブなコミュニケーションは、自分が感じること / 考えること / 要望をすることは、基本的な権利として誰もが持っているところから出発します。

「自分は経験が少ないから」「自分はまだ新人だから」などと、言いたいことを引っ込めてしまうことは誰にでもあります。

自分も相手も大切にするアサーティブなコミュニケーションでは、自分の感情や要望を言葉にして表現することは、自分が持っている権利だと考えます。

その上で、実際に伝えるかどうか、自己表現をするかどうかは自分で決められる権利なのです。

2. 自己表現の権利は相手にもある

例えば、思い切って自分の要望を相手に頼んでみても、相手は必ずしも Yes と言ってくれるわけではありません。相手には「断る権利がある」ことを忘れてはいけません。

「私が言ったのだから、向こうはやって当然」とはならないのです。

自分と相手は価値観や考え方、バックグラウンドが異なります。自分はこうだから相手もこうであると考えると、一方的な関係になってしまいます。

そうではなく、「自分はこう思うけど、あなたはどう思う?」と素直に意見を出し合う。意見が食い違うのであれば、一方が押し付けたり我慢することはしない。

お互いがベストな解決策を一緒に探っていこうというスタンスが大事です。

3. 話し合う場面では相手も自分も対等であろうとする

年齢や立場の上下によって、自分が相手よりも上に立ったり下に立つことがあります。

アサーティブでは、自分の立場が社会的や組織上で、上や下であっても、人間としては対等であると考えます。

必要以上に自分を卑下する必要はないのです。例えば、「つまらない意見かもしれませんが」で話し始めるのではなく、「重要な話なので聞いてください」と自信を持って伝える。

自分の立場が上(上司や年齢が上の場合)であっても、相手には相手の考え方や気持ちがあることを尊重する。相手の言い分に真摯に耳を傾け、話し合いに望む姿勢が大事なのです。

自分が持つ自己表現の権利と相手の自己表現の権利の双方を尊重し、その上で対等であることを忘れない。上から目線でもなく、卑下することもなく、自信を持って伝えること。

意見が食い違うことは当然としてあり、「じゃあ、どうすればいいだろうか」と未来に向かって一緒に話し合う。この姿勢がアサーティブでは大切です。


2015/11/05

金融資産の3年トレンドから考える2016年の投資方針




毎月の始めに、自分の持っている金融資産の状況を確認しています。

全ての数字をシートに記入し、今の時点で自分の資産がどうなっているかをざっくりと把握できます。月初めに毎月行なうので、過去の前月末の状態がトレンド化されます。毎月のシートの更新は、時間にして10分くらいの簡単な集計です。

自分が保有する金融資産を、5つのカテゴリーに分けて管理しています。2015年10月時点でのそれぞれの内訳は、次の通りです。

  • キャッシュ:財布や家にある現金、銀行口座の預金、証券会社の MRF
  • 日本株式:主に日本株式に投資するアクティブ投資信託、個別株
  • 外国株式:先進国と新興国のインデックス投資信託
  • 外国債券:海外債券の投資信託、FX
  • 年金:国民年金と厚生年金、個人型確定拠出年金 (401k)

ちょうど、2015年10月の最新の数字を反映しました。毎月の更新は3年以上続けていて、ここ3年の金融資産額の推移は以下のようになりました。2013年、2014年、2015年の10月末時点での金融資産額です。



15年10月と14年10月を比べると、青色のキャッシュの資産額はほとんど変わっていませんでした。1年間の全資産の増加分は、キャッシュ以外の日本株式等のリスク資産です。

これは狙ってのことでした。キャッシュとしての金融資産は当面は増えなくともよいと考えたので、その分を他の資産に割り当てようと決めていました。

具体的には、毎月の収入から生活費等の支出を引き、余るであろう金額を毎月の投資信託への自動積立に振り分けていました。

今年を振り返ると、数字から実現できたことがわかります。

自分の中で、資産額とともに注意して見ているのが資産構成比です。金融資産のトータルを 100 としたとき、5つのカテゴリーはそれぞれ何 % を占めるかです。

同じく3年トレンドは以下のようになっています。



2015年のハイライトは、キャッシュ比率が 50% 未満になったことです (42.2%)。

14年と比べて増加したのは、日本株式と外国株式の構成比で、特に日本株式は 18.8% → 26.1% と 7.3 パーセントポイント (pp) のプラスでした。13年 → 14年の日本株式の構成比変化は 7.4pp だったので、ほぼ同じだけ15年も伸びたことになります。

資産配分(アセットアロケーション)の目標は、以下のように設定しています。

  • キャッシュ  22%
  • 日本株式      35%
  • 外国株式      20%
  • 外国債券      10%
  • 年金              13%

これを、先ほどの資産構成比3年トレンドのグラフに追加し並べてみます。



15年と目標を比べると、キャッシュ比率が 42% → 22% に減り、日本株式 / 外国株式 / 外国債券の構成比がそれぞれ増えることになります。

グラフにすることであらためて見えてきたのは、仮に13年 → 15年と同じ変化を続けたとしても、来年16年10月頃時点では、まだ目標に達しないであろうという見込みです。今のペースでは、目標を達成するには2年ほどかかりそうです。

15年はキャッシュ資産額を一定のまま(減らさず)、リスク資産に投資してきました。

アセットアロケーション目標を実現するためには、少なくとも16年はキャッシュを現状維持ではなく、減らす必要がでてきます。つまり、収入 - 支出 の分よりも大きい額をリスク資産にまわすことになります。

16年は今年よりも、アグレッシブに投資する方針です。投資対象は大きくは変えず、投資額を増やします。

主な投資対象は以下のエントリーでご紹介しています。

資産運用として使っている投資信託と、株式や債券に投資し資産運用をする理由 (2015年現在)

ただ、現時点で考えているのは、資産配分の目標達成を1年後にすることは必須ではなく、1-2年程度の少し長い目で、資産配分を調整しながら実現できればと思っています。


2015/11/03

本当の顧客は「顧客の奥にいる顧客」




少し前のことですが、2才の娘の予防注射のため、かかりつけの小児科に行ってきました。

注射前の診察では機嫌よく先生に診てもらいました。これから注射をするのがなんとなくわかると、前に痛かったのを思い出すのか怖がり始めました。

注射された瞬間こそ反応しないのですが、針が刺さった直後に大泣きをします(注射の瞬間から泣くまでに数秒のタイムラグがあります)。注射が終わった後は5分程度泣きつづけますが、抱っこをし痛かったことの娘の気持ちを受け止めるようにすると、その後は機嫌も直っていきます。

娘にとっては、普段は出さないような大きな声で泣くので、相当痛いのでしょう。大人でも予防注射では針が刺さった時は痛みを感じるので、小さい子どもにとってはなおさらです。

ところで、医者と娘を、医療行為サービス提供者と顧客と見ると、両者の関係は通常のサービス提供者と顧客の関係ではないことに気づきます。

顧客である娘は、提供されるサービスを怖がり、サービス中(注射中)は泣いて痛がります。顧客が嫌がり望まないことを、サービス提供者は無理やり実施する。子どもが注射を嫌がるのは普通ですが、あらためて考えると、興味深い提供者と顧客の関係です。

一方で、娘の親である私は、子どもの予防注射をしてもらうことに価値を感じています。将来、娘が病気に罹る可能性を下げてくれると期待できるからです。

そう考えると、注射をしてくれる小児科の本当の顧客は、娘(子ども)ではなく親だと言えます。

一般化すれば、医療サービス提供者の顧客は、患者だけではなく、その背後にいる患者の家族です。B to C (患者) ではなく、B to C (患者) to C (家族) が成り立ちます。価値を届ける相手は「顧客の奥にいる顧客」でもあるのです。

この考え方は色々と応用が効きそうです。自分が提供するものは何で、それは目の前の相手にとってどんないいこと(価値)があるのか。のみならず、その相手の先にいる相手にも価値を届けられているか。それはどんな価値なのか。

娘の予防注射は、自分にとっても考えさせられる日常の一コマでした。


2015/10/31

子ども用の貯金には、投資信託での自動積立+スポット積立




2015年10月下旬、2人目の子どもが生まれました。

子どもの誕生に祝い金をもらいました。祝い金から、出産に伴う入院費や内祝い等の支払い分を差し引くと、いくらかのまとまったお金が残ります。

このお金をどうするかと言うと、投資信託への積立にまわしています。この投資信託は子ども専用分として運用していて、自分が使っている投資信託とは分けています。

■子ども用の「貯金」を投資信託で

親が子どもへのお金を貯金する場合、一般的には、銀行の普通または定期預金口座に預けることだと思います。私の場合は、預金口座ではなく、子どもの貯金用として信頼できると判断した投資信託にお金を入れています。感覚としては、投信信託に貯金をしているわけです。

もちろん預金口座に比べ、増える/減るという不確実さ(リスク)があります。自分の中の判断として、このリスクは取れるとして投資信託を使っています。

具体的には、以下のような積立をしています。
  • 毎月一定額を自動積立。例:子ども1人につき毎月1万円
  • 4ヶ月ごとの児童手当が支払われたら、全額をスポット投資
  • 誕生日や入学等のお祝い金、お年玉をもらえたら、使って残った分をスポット投資

■子ども用に使っている投資信託

子ども用の貯金(資産形成)として使っている投資信託と証券会社は、

ひふみプラスについて少し補足です。

姉妹ファンドである「ひふみ投信」は自分の資産運用として投資をしています。

ひふみプラスをあえて使っている理由は、自分と子どもの分を区別したいのと、ひふみプラスのほうが購入を柔軟にできるからです。ひふみ投信へのスポット投資する場合は、銀行口座からひふみ投信の指定する銀行口座(三菱東京UFJ)への振り込みをすることでできますが、この振り込み手続きがやや面倒に感じたためです。

なお、ひふみ投信には子どものためのくるみ口座があります。これも考えたのですが、口座開設が別途必要だったので、すでにあった楽天証券からできるひふみプラスにしました。

当分の間は、子ども専用の貯金としてひふみプラスに入金を続けるつもりです。引き出し(投資信託の解約)をするケースとしては、
  • 教育費としてまとまったお金が必要になった時。例:高校や大学入学金、受験費用、留学費用
  • その他まとまった支出が発生した時。例:病気や怪我による手術/入院費用、損害賠償

■ジュニア NISA は使い方に合わない

子どもへの貯金として、他に候補としてあるとすれば2016年4月からはじまるジュニア NISA です。

2015年10月現在では、これまで書いたような目的でジュニアNISAは使わない方針です。現時点ではまだ開始されていないのと、決定的な理由は18才まで払出不可だからです。つまり、子どもの年齢が18才になるまでは現金化できないのです(2016年開始時点)。

途中での払出しもできるようですが(災害時等を除く)、その場合、生じた利益に対して遡及して課税されるとのこと。NISA の非課税メリットが享受できないです。

18才まで払い戻しができないというジュニア NISA の趣旨は理解できます。ただ、上記の引き出しイメージで挙げたように、自分の使い方に合わないです。


2015/10/28

分析で比較する時、その「分け方」に意図がありますか?




分析の本質は、比較することであると考えています。

何かと何かを分けて比較することで、はじめて多い/少ないなどの違いがわかります。例えば、同じものを前月や前年と時系列で比べることであったり、男女や年代ごとに分けての比較をします。

比較するために「分ける」ことが分析のキモであり、「何のために、どのように分けるか」の工夫が重要な意味を持ちます。分け方にこそ、分析者の力量が問われます。

分けることに注意が必要なのは、単なる知的興味からの思いつきでの分解にならないようにしたいことです。

より適切に分けるためには、もう一歩踏み込んで考えるべきです。つまり、特にビジネスでの分析においては、何がわかれば実行可能でかつ意味のある結論を導き出せるかを、常に意識することだと思っています。

分けることの背後には、分けることで要因ごとに理解でき、そこから仮説や意思決定ができるという、ビジネス上意味のある結論を導き出そうとする明確な意図があるべきです。

分析の目的は、興味があるから分析するのではありません。ビジネスとしての判断を助け、効果的な打ち手を生むことを期待するから分析するはずです。

どんなに高度な分析をしても、その結果が有効な打ち手につながらなかったとしたら、ビジネスへのインパクトは小さくなってしまいます。

ビジネスにおいて役に立つ分析や使える分析結果とは、実際の効果が生まれるところまで掘り進めた分析のことです。「使える」ところまで追求しないと、せっかくの分析結果も絵に描いた餅になりかねません。

例えばユーザー分析において、性別年代で分ける、ヘビーユーザーとライトユーザーに分ける、スマホなら利用 OS で分ける。これらの分ける視点は、ある程度の分析経験があれば思いつくものです。

このような各種の「分ける」ことについて大切なのが、分けて比較分析した結果や得られるであろう示唆はアクションにつながるのか。単なる知的好奇心ではなく、目的や意図を持った分け方になっているかは、常に心がけたいことです。


2015/10/24

soundPEATS Q9A Bluetooth イヤホンが、ランニングにはぴったりでした




3ヶ月ちょっと前に(2015年7月)、ランニングを始めました。

始めた経緯や開始直後の身体の変化などはこちらです。(ランニングを始めたことで変わった身体のトラッキングデータ)

毎日、20分くらい走っています。距離で 5km ほどになります。

ランニング中は、Podcast でラジオ番組を聞いています。Android を使っているので、Podcast アプリは Podcast Addict を使っています(利用しているのは有料版)。いくつか試し、このアプリが一番使いやすかったです。

2015/10/22

コツコツ型の資産運用のはじめ方




少し前にある方から資産運用の相談を受けました。

相談時の状況は、金融資産のほぼ 100% が現金、普通または定期預金として銀行口座にありました。株式等のリスク資産は持っていませんでした。その方はアラサー女性です。

今回のエントリーでは、その時にアドバイスした「資産運用のはじめ方」をご紹介します。

1. 現状の金融資産を調べて把握する

まずは自分が今、どれだけのお金を持っているかを理解することが第一歩です。

手持ちの現金、各銀行口座にいくら入っているか。すでに株式や投資信託を持っている場合は、値上がり/下がり益も含めてどれだけあるかを調べます。

どこまでを金融資産に含めるかですが、この時のケースでは各種保険は含めませんでした。年金は含めました。自分の年金が現時点でどれくらい分の資産になるかはねんきんネットで確認できます。

各資産を洗い出した後、カテゴリーに分類します。キャッシュ、国内株式、国内債券、外国株式、外国債券、年金、その他(REIT 等)の7つに振り分け、それぞれにいくらあり、全体の何 % を占めるかを見える化します。

2. 目標を決める

資産運用にあたって、何のために / いつまでに / いくらを目指すのかを明確にします。例えば、リタイヤ後の生活資金のために、30年後に3,000万円を目指す、などです。

3. 資産配分を決める

30年後に3000万円を目指すなどのゴールに向けて、目標とする資産配分を決めます。上記の 1 で確認した資産配分と同じカテゴリー区分において、キャッシュに xx%、国内株式に xx%、と割り振ります。

厳密には、期待リターンとしての年率を設定し(例: 3%)、それを30年間で複利運用し、目標とする資産額に届くかどうかを計算することになります。

ただ、今回のケースでは複雑なことはやらないと決めました。まずは、はじめの一歩ということで、キャッシュと年金を 80%、残りの 20% を株式や債券などのリスク資産とする方針にしました。彼女にとってはリスク資産 0% → 20% を資産運用をしながら目指すことになります。

4. 投資対象を決める

色々と話をした結果、投資信託に毎月一定額の自動積立をすることになりました。購入対象は以下の通りです。

5. 投資額 (毎月の積立額) を決める

投資対象が決まれば、どれだけの資産額を投資するかを決めます。

今回の場合、毎月の投資額は、手取り収入から生活費等の支出を引き、残った分としました。これまでは普通口座または定期預金として貯金にまわっていたものです。

つまり、現金としての資産額は当面は増やすことなく、その分を投資信託で積み立てをしていくことになります。

6. 証券口座を開設

今回のケースでは、ひふみ投信は独立の投資信託なので、ひふみ投信に口座を開設します。詳しくはこちらにあります (ひふみ投信|口座開設のお申込み)。

外国株式の投資信託運用のための証券会社としては、SBI証券楽天証券を勧めました。証券会社にお金を入れる銀行口座はすでに持っている口座を使えました。

7. 運用開始 → 定期的に資産配分を確認

口座開設後に、それぞれで自動積立設定をします。

その後は、毎月や3ヶ月ごとくらいで、資産配分を確認していきます。今回のケースでは、投資信託がリスク資産に当たり、全体金融資産の 20% を目指します。

まずは資産運用をやってみようというスタンスではあるものの、目標とするこの資産配分(アセットアロケーション)を意識しながら運用をします。

一方で、日々の値上がり/下がりに一喜一憂することなく(資産の確認頻度が多くなりすぎず)、コツコツと長い目でやっていくことが大切であることを伝えました。


2015/10/18

デメリットを補って余りある公共図書館の提供価値




本を読むのが好きです。普段は通勤電車がもっぱらの読書時間です。

2015年現在、ここ3年くらいは本は買うよりも、図書館で借りて読むほうが多くなっています。

週末の土日のどちらかはほぼ毎週、図書館に行っています。図書館は、自分の生活の中では欠かせない存在になりました。

東京都内に住んでいるので、利用している図書館は区立図書館です。区内には10以上の図書館があります。利用しているのはそのうちの1つです。

区内の図書館は連携していています。予約がネットからでき、ある図書館に予約した本がなくても(貸出中 or その図書館には置かれていない)、他の図書館にあれば取り寄せてもらえます。行く図書館は最寄りの1つだけですが、実質は区内の全ての図書館を利用できるようになっています。

1人の読者の立場で考えたとき、図書館から本を借りて読むのと本を買って読むのとでは、それぞれにメリットとデメリットがあります。

メリット
  • 本を買わなくても読める
  • (紙の)本を買って所有しないので、自宅に本がたまらない

デメリット
  • 読みたい本が必ずしもあるわけではない
  • 人気の本は貸出中ですぐに読めない。予約をするが、本によっては読めるのが数ヶ月先になる
  • 読む本を借りに図書館まで行く必要がある。読んだ本は返しに行かなければならない
  • 貸出期間があり、期限までに読み終わる必要がある
  • 公共の本なので、本にメモを書いたりページに折り目をつけることができない
  • (極希に)本にメモや落書き、破れなど、本が傷んでいる

デメリットは6つでした。6つを一言で表現すれば「本を買って所有しないから発生する不便さ」です。逆に言えば、本を買えば全て解消される不満な点です。

図書館の中核的な機能の1つが、本や CD/DVD などの無料での貸し出しです。この中核機能に対して、自分が感じるメリットを価値として深掘りすると、
  • 読みたい本が無料でレンタルできる → 買って読みたいとまではいかない本が気軽に読める → 様々な種類の本を読むことができる (読書体験の充実)
  • 本が自宅にたまらない → 本が部屋を占領することなく余裕スペースができる
図書館のデメリットが本を所有しないから発生することに対して、メリットは所有しないことで得られるものです。メリット/デメリットは、本を買って所有しないことの表と裏にあたります。

メリットとデメリットを並べると、単純な数ではデメリットが多いです。それでも図書館の利用をするのは、図書館がもたらす自分への提供価値が、デメリットを上回るからです。
 
もう1つ、図書館の中核機能とそれに対する価値があります。

図書館は大量の本を購入し保有しています。図書館の利用者は老若男女で、ありがたいのは赤ちゃんや幼児向けの本も充実している点です。図書館内には子ども専用のスペースが設けられています。

こうした図書館の機能に対して、自分にとって価値があるのは、2才の娘を連れて行くとたくさんの本に興味を持ち、図書館で親子で楽しくすごす時間を持てることです。

幼児向けの本に囲まれた環境で憩いの場になるのも、小さい子どもを持つ親にとっては図書館の価値の1つなのです。


2015/10/16

もうすぐ生まれる子どもの名前の決め方




二人目の子どもが、あと1ヶ月以内くらいで生まれる予定です(2015年10月現在)。

性別判定もほぼ間違いなさそうとのことで、女の子のようです。あと1ヶ月なので、そろそろ名前を決めたいタイミングです。

今は、候補の名前をいくつか絞り出せた状況です。名前候補を絞っていく中で、自分の中でいくつかの判断基準があることに気づきました。

今回のエントリーでは、子どもの名前を決める判断基準をあらためて整理してみました。

1. 音の響き

耳で聞いた時の響きを重視しています。名前だけの音の響きと、フルネームで聞いた時の両方です。名前が耳にどう残るか。これは感覚的なもので、心地よい名前の音であってほしいと思っています。

なぜ音の響きを大切にするかと言うと、日常生活においては、自分の名前を文字で見るよりも、耳で聞く回数が多いからです。名前が脳に入る頻度として音からの情報が最も多いわけです。

親や友だち、先生から自分の名前を呼ばれる時に、あるいは、自己紹介として自分の名前を口にする時に、音の響きとして良いものであってほしいという親の気持ちです。

2. 名前や漢字の持つ意味

名前に込める意味を大切にしたいと思っています。また、使う漢字がどんな意味を持つかも考えます。

同じ音の名前であっても、漢字でどう表現するかで、名前の印象は変わります。漢字には一字一字に意味があります。子どもの名前に使う漢字に、自分の子に持って欲しい意味が含まれていることが理想です。

3. 文字での見た目

文字が視覚的に気に入るかも、名前を決める判断基準です。音の響き同様、これも感覚的な基準です。

視覚的に名前の字をパッと見て、見た目のバランスが良いものであってほしいと思っています。

4. 字画

フルネームで名前を書くと、総格や人格などが画数によって決まります。それぞれの画数によって性格などが、占いのように出てきます。

字画にこだわりすぎることがないよう、あくまで参考程度に見るくらいですが、候補として残っている名前は一応調べています。

5. 他人との名前の被り

友人 / 知人の名前は、その人のイメージがすでに強くできています。子どもの名前が他の人と同じになることにネガティブな気持ちはないのですが、子どもにつける名前で、避ける傾向にあるのが、友人や知人と同じ名前になることです。

名前が被るかどうかの判断基準でもう1つ、ネットで検索した時にどういう検索結果が出るかがあります。

例えば芸能人などの著名人の名前の場合、検索結果の上位はほぼ関連ページへのリンクが出ます。公式ページ、SNS、Wiki、本人写真など。

そうではなく、特定の有名人の名前ではない場合は、検索結果の上位は姓名判断や名前占いのページリンクが並びます。

強いこだわりがあるわけではありませんが、なるべくは被りがない名前にしてあげたいと思っています。


2015/10/13

資産運用として使っている投資信託と、株式や債券に投資し資産運用をする理由 (2015年現在)




毎月一定の金額を、資産運用にまわしています。投資信託を利用し、自動積立を設定しています。

今回のエントリーでは、毎月の自動積立先である投資信託のご紹介と、なぜ資産運用をしているかの理由を書いています(2015年10月時点)。


■自動積立をしている投資信託

2015年10月現在の積立対象ファンドは以下の通りです。リンク先はモーニングスターです。()内の数値は、自動積立での配分比率です。

日本株式 (アクティブ投信)

海外株式 (インデックス投信)

海外債券 (インデックス投信)

投資配分は、日本株式 : 海外株式 : 海外債券 = 55 : 30 : 15 です。


■株式や債券に投資をする理由

1. 自分の資産を分散させるため

投資信託などを通じた株式や債券に投資する前は、自分の金融資産のほぼ全てが現金または銀行の普通預金でした。

意図的にこうしていたわけではなく、何も考えずに単にそうなっていました。企業のバランスシート (BS) で言うと、BS の左側において、そのほとんどを流動資産として手元にキャッシュとしてあった状態です(モノはここでは BS に考慮せず)。

これに問題意識を持ったのがきっかけで、資産運用を積極的に考えるようになりました。

2015年現在、キャッシュ以外に、日本株式、海外株式、海外債券、年金で自分の金融資産は構成されています。

日本株式、海外株式、海外債券のいずれも、スタンスは長期保有です。短期的な売買をするつもりはなく、毎月の自動積立から買い、そのまま保有を続けています。

株や債券は、その時々の景気と連動し値上がり/下がりが発生します。投資信託を保有し始めた当初は、上がり下がりに一喜一憂をしていました。しかし、今はほとんど気にすることがなくなりました。

そうなってくると、自分の中の感覚として、日本株式 / 海外株式 / 海外債券のいずれも「貯金」のようなものになっています。貯金形態として、普通口座預金、日本株式、海外株式、海外債券という、異なった形で分散されている。このようなシンプルな考え方をしています。

もちろん、株式や債券には変動リスクがあります。この点は口座預金と違います。厳密には、株式や債券はプラスにもマイナスにも振れる貯金と見なしています。

2. 自分の金融資産を世の中に役立てるため

自分の日々の生活で、大きな資金(100万円単位以上)が必要になるケースは稀です。生活費と、何かあった時の万が一に備えての生活資金さえあれば(例: 給与の6ヶ月分)、残りの資産はすぐに使う予定はありません。

この不要不急の資産をどうするかを考えた時、せっかくであれば世の中の役に少しでも役立って欲しいと考えています。

その具体的な方法が資産運用です。投資先が開示されていて、投資方針に共感できる投資信託を通じて、世の中にお金を流すやり方です。

自分が納得できる投資信託を経由し、投資信託が投資をしている企業に自分のお金が渡る。自分のお金が、その企業のビジネス活動に活かされ、ひいては世の中の経済活動に貢献できる。

これが理由の2つ目です。

3. 資産が増えることが期待できるから

資産をキャッシュで持つことに比べ、株式や債券で保有することで、値上がり益が期待できます。

その一方で、下がる可能性も同じだけあります。つまり、(キャッシュに比べ)リスクが高い金融資産です。

リスクのある金融商品に投資するにあたり、事前のリスクを評価する。その上で、許容できる範囲内であれば積極的にリスク資産を持つべきというのが、自分の考え方です。


2015/10/10

専門外の自分が人工知能「ディープラーニング」に注目する理由 (2015年現在)




2015年現在、人工知能 (AI) で最も注目されているのはディープラーニング (Deep learning / 深層学習) です。

ディープラーニングを使った Google の「ネコ認識」研究

ディープラーニングとは何かを理解するには、グーグルが2012年に発表した「ネコ認識」の研究がわかりやすいです。

グーグルの公式発表 (2012年6月)
Official Google Blog: Using large-scale brain simulations for machine learning and A.I.

発表論文 (PDF)
Building High-level Features Using Large Scale Unsupervised Learning - unsupervised_icml2012.pdf

研究で実施されたことを簡単に書くと、次の通りです。
  • YouTube 内の動画から約1,000万枚の画像を任意に抽出
  • 画像をディープラーニングにかける
  • コンピュータは、画像の中から人間やネコの顔の「特徴」を自らつくった(下の画像)。その特徴から、人間やネコを判断できるようになった

引用:Official Google Blog: Using large-scale brain simulations for machine learning and A.I.


何がすごいかと言うと、コンピュータが人間から「ネコの顔の特徴はこう」と教えられることなく、自らがネコの顔を学習し、ネコの顔の概念を獲得したことです。

ディープラーニング以前のマシンラーニング(機械学習)で同じことをやる場合、入力情報として「これがネコの顔である」と人間がコンピュータに示す必要がありました。

具体的には、ネコの画像だけを大量に見せ、そこからネコの特徴を理解するプロセスです。人間から教わることでコンピュータは学習し、ネコの特徴を獲得してわけです。

ディープラーニングはこのプロセスと似て非なるものです。

学習へのインプット情報として与えられたのは1000万枚の画像で、その中にはネコの入っていない画像もあり、様々な情報が混在する大量の画像です。そこから、コンピュータは自らの学習を通じて、(人間に指示されることなく)猫の顔の特徴を理解し、その特徴から猫の特徴を一般化したイメージを獲得し、それを画像としてつくることができたのです。その画像が上に示したものです。

■ディープラーニングの可能性

ディープラーニングがこれまでの人工知能と一線を画しているのは、自らが「特徴」を学習することにあります。

これによって、どんなインパクトがあるのでしょうか。

例えば、人とのコミュニケーションロボットがディープラーニングを持っている場合です。ロボットは自分の行動と、その結果起こることの関係を学ぶことができるようになります。

人間に対して何をすれば人はやすらぎを感じるのか、何をすれば不快な気持ちを抱くのか。こうしたことを、いちいち人間が教えることなく、ロボット自らが、自分で経験を重ねることで学習していきます。

我々人間で言うところの「やってみてコツがわかるようになる」という感覚が、ロボットも同じようにできるようになるのです。

もう1歩考えてみると、コツがわかるようになるというのは、ものごとの「因果関係」をロボット自らが獲得することを意味します。

例えば、マーケティングにディープラーニングを使うとどうなるでしょうか。

マーケティングは、簡単に言えば目的(例: 売る)があって、その目的のために、アクションをすることです。マーケティング行動→結果という因果関係があります。

この因果関係をいかにつくりだし、実行し、結果を出すかこそマーケティングの醍醐味です。

ここに、ディープラーニングが適用できれば、売るという目的を達成するための要因をコンピュータ自らが学習により発見することが期待できます。これまでは人間がやっていたマーケティング活動をコンピュータがする。将来的には、マーケティングの完全自動化も実現されることも考えられます。

企画書をつくり人を説得することについても、ディープラーニングによって、どうすれば説得力のある企画書に仕上げるかまでもコンピュータがやってくれるかもしれません。人が指示するのは、目的(何のために誰を説得するか)を入力することだけです。あとは勝手に企画書ができあがります。

もっと進めば、コンピュータが知識を獲得していくでしょう。例えば、コンピュータに本を読ませ、どういうストーリーで書けば、人間が魅了される小説になるのかのコツを学ぶことができるはずです。

それを応用すれば、ヒット小説がコンピュータによって書かれる時が来るかもしれません。同じことを言うのでも、どういう文章で表現すれば読み手の琴線に触れられるのか。そうしたコツをコンピュータは学習を通じて獲得するのです。

ディープラーニングという、コンピュータがものごとの「特徴」を自ら発見し、高次の特徴をつくり出すことができる。人工知能のこの可能性は、とても大きなものだと思います。様々な産業に応用でき、ひいては日常生活にも影響を与えるでしょう。

★  ★  ★

ディープラーニングを理解するためにおすすめの本は、「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」です。

この本は、ディープラーニングについて、人工知能のこれまでの歴史、ディープラーニングの技術的な説明および課題、ディープラーニングの社会的な影響が、とてもわかりやすく書かれています。

グーグルやフェイスブックが開発にしのぎを削る人工知能。

日本トップクラスの研究者の一人である著者が、最新技術「ディープラーニング」とこれまでの知的格闘を解きほぐし、知能とは何か、人間とは何かを問い直す。(内容紹介より)





2015/10/07

書評『ビジネスに役立つ「商売の日本史」講義』(藤野英人)




過去の歴史を学ぶ意義はどこにあるのでしょうか。

過去の人間の営みを知り、現代に役立つ教訓や知恵を得ることです。

今回ご紹介したい本は『ビジネスに役立つ「商売の日本史」講義』です。本書の特徴は、日本史を、商売やお金の動き、つまり経済という切り口で書かれている点にあります。

日本の学校教育での歴史は、主に政治観点で教えられます。政治の視点から歴史を解釈することも大切です。

しかし、政治という切り口だけでは、政治的な出来事が起こった背景が十分に理解できない場合もあることが、本書を読んでわかります。

政治と経済は密接に結びついており、政治的な動きのバックグラウンドには、経済の変化が起こっています。あるいは、時の権力者(例: 幕府)による経済施策が人々の生活に強い影響を与え、それが政治の変化(例: 幕府の力が弱まりやがて倒幕へ)につながります。

■日本の歴史は「ヤマヒコ」と「ウミヒコ」が繰り返された

本書のベースとなっているのは、著者である藤野英人氏の大胆な仮説です。

「日本のお金は『外向き』と『内向き』の間を時代ごとにスイングする」という仮説です。

本書では、内向きを「ヤマヒコ」、外向きを「ウミヒコ」と表現します。ヤマヒコとウミヒコは、古事記や日本書紀に登場する兄弟の神さまです。2人は対照的な性格をしています。

ヤマヒコ政権の特徴は、国内志向です。経済は内需が栄えます。

典型的なのは鎖国を敷いた江戸幕府です。他には鎌倉時代や戦後の自民党政治にもヤマヒコの要素を見ることができます。昭和においては、道路などのインフラ整備が国家政策として推進されました。田中角栄の日本列島改造論がまさにそうです。

ウミヒコ政権の特徴は、海外志向です。貿易に力を注ぐ傾向があります。

例えば、日宋貿易で権力を得た平清盛、日明貿易の室町時代、織田信長や豊臣秀吉などの戦国時代です。本書によれば、開国後の明治以降から戦前までもウミヒコの特徴があったと言います。

日本が、ヤマヒコまたはウミヒコとなることに強い影響を及ぼした1つに、その時代の中国大陸の政権がありました。大陸に権力の強い政権や漢民族政権であればウミヒコ政権(外向き)に、一方で弱い政権や非漢民族政権であればヤマヒコ政権(内向き)になったようです。

政権がどの地域に基盤を置いたかにも影響を与えました。外向きや中国大陸との関係が強いウミヒコでは西側地域に、内向きのヤマヒコでは東京などの東側地域が中心となります。

日本史を大きな流れで見ると、時代ごとでヤマヒコの性格が強い日本、ウミヒコの性格が強い日本が現れます。おもしろいと思ったのは、それぞれの特徴が交互にスイングするかのように、現代に至るまで歴史を重ねてきたことです。

ヤマヒコとウミヒコの時代・特徴を本書から引用すると、以下のようになります。




■歴史から学ぶ現代への教訓

本書のもう1つの特徴は、各時代の出来事について、経済視点からの教訓を筆者が示してくれることです。「歴史に学ぶ経済法則」として20個の教訓が書かれています。

歴史を学ぶことの意義は、過去の人間の営みを知り、現代に役立つ教訓や知恵を得られることです。本書では、現代への特にビジネスへの示唆が多くあります。本書のタイトルには「ビジネスに役立つ」とあります。

印象深かったものを1つご紹介します。著者が示す経済法則として「お金の流れの方向を見極めよ」です。

武士として初めて律令の最高位である太政大臣となった平清盛の話です。

平清盛は現代にも通じることを先駆的に行ないました。瀬戸内海を支配し、物流とそこでのマネーサプライを握ったのです。

清盛は貿易のための港を整備しました。当時の中国大陸を支配していた宋との日宋貿易から、多額の富を生み出しました。

瀬戸内海というお金とモノと人が集まるプラットフォームを構築したのが平清盛だったのです。平家は、貿易から様々なものを輸入しました。宋銭、陶磁器、薬品、香料、書籍などです。

現代への示唆として、よりお金の多く集まる分野で経済は発展することです。どこに、どういう意図でお金が向かっているのか。企業レベルでも、個人レベルでもこの視点は大切です。

中世に琵琶法師が語り継いだ「平家物語」で、源平の戦いでは平清盛は悪役として語られました。しかし、「経済」という視点で見ると、平清盛は違った一面を見せてくれます。

平清盛は、瀬戸内海での貿易活動を活性化させることで、「お金の流れをつくり、それを支配する」ことを先駆的に行った稀有な人物だったのです。




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