新卒でマーケティング職を目指すあなたへーー。
一口にマーケティング職と言っても多種多様です。その中で自分に合っている道はどれになるのでしょうか?
今回は、マーケティングの世界にはどんな可能性が広がっているのか、あなたがどのように関わればいいのかについて、ヒントになればと思う内容を書きました。あなたのこれからのキャリアにつながればうれしいです。
マーケティング職への疑問
新卒でマーケティング職を目指す際に、少くない人が直面するモヤモヤがあります。
そもそもマーケティングの仕事の内容はどんな感じなのか、自分にはマーケターとしての適正があるのか、マーケティング職ではどんなビジネスキャリアが築けるのかといった疑問です。
マーケティングとは、企業と顧客との架け橋を築く役割を果たします。
今回は、マーケティング職を目指す方に向けて、先ほどの疑問に1つ1つ応えていく内容でお届けします。
関わるマーケティングの領域
職能としてマーケターになるためには、マーケティングという活動への解像度を上げていくといいです。
マーケティングと言っても対象とする範囲は広いので、どの領域が自分に合うか、好きなのかを見極めるといいでしょう。
マーケティング職の業務内容は、大きく分けると次の5つです。
- 市場調査と分析
- 戦略立案や商品企画
- 広告コミュニケーション
- 販売促進 (ショッパーマーケティング)
- 効果検証
では順番に見ていきましょう。
市場調査と分析
この領域では、消費者のニーズや市場の動向、競合の戦略やビジネスモデル、競合商品を調査し、社内についても分析する業務が中心です。
データを収集し、それをもとにビジネスに貢献できる洞察 (インサイト) を抽出する能力が求められます。
市場調査や分析に向いている人は、好奇心が強く、論理的・分析的思考を持ち、データの裏側も読み取り、統合したストーリーを読み解くことができる人です。さまざまな情報から新しい発見をすることにワクワクできるタイプの人がいいでしょう。
分析から得られる示唆をビジネスに貢献させたいという意欲を強く持つことが求められます。
戦略立案や商品企画
市場分析にもとづき、ブランド全体のマーケティング戦略を立案したり、新商品の開発や既存商品の改良への企画を立てます。
戦略的思考と創造性が必要とされる領域であり、お客さんのニーズを的確に捉え、顧客理解から商品やサービスに落とし込む能力が要求されます。
ブランドや商品の存続を左右する戦略立案への責任感、商品開発に情熱を持ち、長期的な視点でブランドを成長させたいと考える人に適しています。
広告コミュニケーション
マーケティングコミュニケーションでは、想定するお客さんに対して商品の魅力を伝え、態度変容や行動変容を起こすことを目指します。
態度変容とは、商品のことを知ってもらう認知、知っているだけではなく興味の喚起、買いたいと思ってもらう購入意向の醸成、愛着の形成です。行動変容は来店や購入です。
広告などのコミュニケーションではクリエイティブな発想力と、伝えたいメッセージをつくる言語化能力、コミュニケーションスキルが必要です。広告キャンペーンの企画、広告素材などのコンテンツ制作、メディア選定に興味があるクリエイティブ志向の人が向いています。
販売促進 (ショッパーマーケティング)
ショッパーマーケティングと言われる販売促進は、消費者が購入を決めるポイントであるお店や EC サイトなどの販売場所に焦点を当てた活動です。
自社のメーカーだけはなく小売担当者と連携し、販促の計画や実施を手掛けます。
必要になる力は、直接的な販売増加を目指すための戦術的思考と、消費者の中でもショッパーと呼ばれる購入者、小売担当者のバイヤーの行動と心理を理解する洞察力です。売場という現場での反応や成果をダイレクトに感じたい、アクションと結果をつなげる仕事をしたい人に適しています。
効果検証
5つ目の効果検証は、実施したマーケティング活動の成果をデータで検証し、評価にもとづいて次の施策の改善点を見つけ出す業務です。
この領域では、数字での定量的な分析能力とともに、施策の効果を正確に評価するための客観的な視 点が求められます。つい自分たちの活動をより良く見せたい誘惑にかられることもありますが、特に目標の未達やうまくいかなかったことに正面から向き合い、厳しい指摘も辞さない態度が大事です。
効果検証の結果を社内外に共有し、次により良い成果を目指すプロセスに関心がある、改善への意欲の高い人が向いています。
マーケティングへの関わり方
マーケティングへの自分の希望や適性を具体的に絞り込むためには、自分がどのような環境で働きたいか、どのような商材やビジネスモデルに興味があるかも考えてみるといいでしょう。
どういった立ち位置でマーケティングに関わるかですが、主な論点は次の4つです。
✓ マーケティングへの関わり方- 事業会社 (マーケ活動の主体) か支援会社か
- 大手企業かベンチャー企業か
- ビジネスモデルや取り扱う商材
- 日系企業か外資系企業か
1つずつ見ていきましょう。
事業会社か支援会社か
自社がマーケティング活動の主体である 「事業会社」 で働きたいか、それとも事業会社のマーケティングをサポートする 「支援会社」 で働きたいかです。
事業会社では自社の商品やサービスに深く関わり、長期的なブランド構築やお客さんとの関係性を築いていく仕事です。
一方の支援会社ですが、支援会社とはたとえば、広告会社 (広告代理店) 、調査会社、コンサルティング会社などです。支援会社は多様なクライアントのマーケティングに携わります。色々な業界や商材に触れる機会があり、幅広い経験を積むことができます。
大手企業かベンチャー企業か
安定性やブランド力のある大手企業か、規模は小さくてもスピード感のあるベンチャー企業で働きたいかです。
大手企業では、一般的には安定した経営・事業基盤のもとで領域を特化した専門性を高めることができます。先ほど見た5つの領域の市場調査・分析、戦略立案・企画、広告コミュニケーション、販促、効果検証です。大企業は資源も豊富ですが、動きが比較的慎重になることがあります。
それに対して、中小企業の特に創業してまだ間もないベンチャー企業では、早くから裁量の大きい仕事、マーケティング活動を広く担当することを任される機会が得やすいです。
ただし、研修などの教育プログラムを受けるよりも、いきなり試合の本番に放り込まれ、実務を通して経験を積み成果を出すことが要求されるでしょう。挑戦の機会は魅力ですが、プレッシャーやリスクも伴います。
ビジネスモデルや取り扱う商材
自分が興味を持つビジネスモデルや取り扱いたい商材を明確にするといいでしょう。
具体的には、
- お客さんが一般消費者の BtoC か、企業向けのビジネスを展開する BtoB か
- 有形の商品を扱うのか、サービスやデジタルコンテンツなど無形の商材か
- 主要販路は小売の実店舗か、オンライン販売がメインか
- 売って終わりか、継続購入が前提のサブスクリプションモデルか
- 小売や EC モールを使わず DtoC (Direct to Consumer お客さんに直接販売する形式) か
企業のビジネスモデルは多岐にわたります。
自分が情熱を持って取り組める商材やビジネスモデルに関わった仕事ができると仕事への意欲も高まります。
日系企業か外資系企業か
勤務する会社が日系企業か外資系企業かという論点もあります。
日系企業では、ジェネラリストとして様々な経験を積むことを期待される場合が多く、協調性や組織への適応力が磨かれます。
外資系の企業では、1つの専門性に特化したスペシャリストとしての役割を期待されます。実力主義や成果にもとづく評価がなされる傾向があります。
日系と外資系では、企業文化や働き方にも違いがあるため、自分の価値観やキャリアプランに合った選択をすることも重要です。
以上な視点から、自分にとって最適な環境や業界、企業のタイプを明確にし、マーケターとしてのキャリアパスの最初をどこから入るかを描いていくといいです。
自分に合ったマーケティング職への道を見つけられることを願っています。
まとめ
今回はマーケティング職についてでした。
最後にポイントをまとめておきます。
- 市場調査と分析
- 戦略立案や商品企画
- 広告コミュニケーション
- 販売促進 (ショッパーマーケティング)
- 効果検証
✓ マーケティングへの関わり方
- 事業会社 (マーケ活動の主体) か支援会社か
- 大手企業かベンチャー企業か
- ビジネスモデルや取り扱う商材
- 日系企業か外資系企業か
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