#マーケティング #SNS #プロジェクトマネジメント
SNS の運用とプロジェクトマネジメント。一見、異なる分野に思えますが、実は共通するポイントがあるんです。
「やさしきタイ」 というフレームは聞き馴染みがないかもしれませんが、このシンプルな語呂合わせには、SNS 運用とプロジェクトマネジメントの両方を成功に導く秘訣が隠されているのです。
ぜひその秘密を一緒に紐解いていきましょう。
SNS 運用の鉄則 「やさしきタイ」
情報発信プラットフォームの note プロデューサーで、ご自身もブロガーである徳力基彦さんが、SNS を継続的に運用するポイントとして、「やさしきタイ」 というフレームを提唱しています (参考記事) 。
企業やブランドからのコンテンツ情報発信において、大切な要素を 「やさしきタイ」 というキーワードから5つにまとめたものです。
- 「や」 は役に立つ
社内や関係社員なら当たり前のことでも、社外の人にとっては新鮮で役立つ情報になる。たとえば、商品やサービスの意外な使い方や業界内の小ネタ、社員だけが知っている裏話なども有用な情報になる - 「さ」 は参加型であること
X でよく見かける施策では、ユーザーが参加したくなるようなクイズやアンケートなどの投稿がある。公式アカウントとファンのコミュニケーションも自然と発生しやすく、対話に他のファンも参加するといった好循環が生まれることも - 「し」 は親近感
キャラクターを使った SNS 運用もこれに該当する。いわゆる公式アカウントの "中の人" が毎日あいさつしてくれる、質問したら気軽に答えてくれるなど、フレンドリーな対応が親近感をつくる。舞台裏の紹介や、普段は顔出ししていないスタッフや社員のインタビューなども親近感につながる - 「き」 は共感できること
ユーザーがポジティブな感情を抱くような、たとえばおいしそうな食べ物やかわいいペットの写真、感動的なストーリーなど、共感を誘う要素を加えるといい - 「タイ」 はタイムリーな情報
たとえば、記念日や季節ネタ。あるいは時間帯に合わせて 「おはようございます」 「よい週末を」 といったあいさつを入れる。SNS 上で話題になっているポジティブなニュースやトレンド、テレビや雑誌などで話題になっている人や食べ物、ドラマなどでフォロワーの関心を引きつける
SNS 運用のポイント 「やさしきタイ」 は、コンテンツ発信にとどまらず、他にもビジネスで汎用的に応用できそうです。
プロジェクトマネジメントへの応用
たとえば、プロジェクトマネジメントでのリーダーが、プロジェクトのメンバーをマネジメントするときのポイントとして活用できます。
フレームワークの5つの要素である 「や (役に立つ) 」 「さ (参加型) 」 「し (親近感) 」 「き (共感できる) 」 「タイ (タイムリーな情報) 」 を取り入れることで、プロジェクトチームのモチベーションを高め、円滑なコミュニケーションを促進することができます。
順番に当てはめて見ていきましょう。
や (役に立つ)
役に立つことをすることは、メンバーのスキルアップやプロジェクトの効率化に結びつきます。プロジェクトリーダーは、メンバーにとって有益な情報やリソースを提供することが重要です。
たとえば、プロジェクトチームに新しいツールや仕組み、ルールを導入する際に、その使い方をわかりやすく説明する時間をとるといいでしょう。プロジェクト管理ツールの新機能であれば、実際のプロジェクトに即したシナリオを用いて自ら使い方を示すデモを行うことで、メンバーは具体的な使用イメージを理解しやすくなります。
また、過去のプロジェクトで得た成功事例や失敗から学んだ教訓を共有することも、メンバーの役に立ちます。
さ (参加型)
参加型であることは、メンバーの主体性とチームの一体感を高めます。リーダーは、メンバーが積極的に意見を出し合える環境を整えることが求められます。
具体的には、プロジェクトの計画段階でブレインストーミングなどの会議をやり、全員がアイデアを出せる場を設けることが有効です。
たとえば、新製品の開発プロジェクトで、製品の機能やデザインについて全メンバーが自由に意見を出し合うことで、多様な視点が取り入れられ、より良い結果が得られます。また、定期的なフィードバックの場を設け、メンバーが自分の意見を述べる機会をつくることで、チーム全体の熱量が高まります。
し (親近感)
親近感を持つことで、メンバー間の信頼関係が強化されます。リーダーは、メンバーとの距離を縮め、フレンドリーでオープンなコミュニケーションを心がけるべきです。
例として毎朝のスタンドアップミーティング (集まって短時間で立ったまま行う朝礼) で、業務の話だけでなく、個人的な近況報告を簡単に交わすことが挙げられます。「週末は家族とどこに行ったか」 「最近読んだ本は何か」 など、仕事以外の話題を取り入れることで、メンバー同士の親近感が生まれます。
また、リーダーがメンバーの誕生日や記念日を覚えておいて、ちょっとしたお祝いの言葉をかけることでメンバーは大切にされていると感じ、チームの絆が深まるでしょう。
き (共感できる)
共感できることはメンバーの感情を理解し、支えるために重要です。リーダーはメンバーの気持ちに寄り添い、ポジティブな感情を引き出すコミュニケーションを心がけるといいでしょう。
プロジェクトの進行中にメンバーが困難に直面したとき、リーダーはその状況に共感し、励ましの言葉をかけることが大切です。
たとえば、納期が迫っている中でメンバーがストレスを感じている場合、「今は大変な時期だけど、皆で乗り越えよう。◯◯ さんのがんばりはみんな知ってるよ」 といった言葉をかけることで、メンバーのモチベーションを高めることができます。
また、プロジェクトが成功した際には、全員でその喜びを共有し、感謝の意をお互いに伝え合うことも重要です。
タイ (タイムリーな情報)
タイムリーな情報を提供することで、プロジェクトの進行がスムーズになります。リーダーは必要な情報を適切なタイミングで提供し、メンバーが最新の状況を把握できるようにすることが大事です。
具体例を挙げると、プロジェクトの進捗状況や重要な変更点をリアルタイムで共有するために、定期的な進捗報告会やオンラインのプロジェクト管理ツールを活用することが考えられます。週次の進捗報告会で、各メンバーが現在の状況を簡潔に報告し、次のステップについて確認し合うことで、チーム全体が同じ方向を向いて動けるようになります。
また、プロジェクトの重要な節目や成果が出た際には、すぐにその場で全員に知らせ、成功を共有することがメンバーの士気を高めます。
このように 「やさしきタイ」 のフレームワークは、プロジェクトマネジメントにおいても効果的です。
プロジェクトリーダーがこれらの要素を意識して取り入れメンバーをマネジメントすることで、プロジェクトはよりスムーズに進み、メンバーのモチベーションとエンゲージメントが向上します。
まとめ
今回は SNS 運用のフレーム 「やさしきタイ」 を取り上げ、ビジネスへの示唆してプロジェクトマネジメントへの応用を考えてみました。
最後にポイントをまとめておきます。
- SNS のフォロワーに新鮮で役立つ情報を提供。たとえば、商品の意外な使い方、社内や業界の小ネタを共有
- プロジェクトマネジメントへの応用としては、メンバーのスキルアップやプロジェクトの効率化に貢献する情報を提供する
さ (参加型)
- ユーザーが参加したくなるクイズやアンケートを実施。アカウントとファンのコミュニケーションを促進
- プロジェクトで会議を開催し、参加者が発言しやすい場とすることで全員の意見を募る
し (親近感)
- キャラクターを使った運用や中の人による日常的な対応。舞台裏やスタッフのインタビューを紹介など
- 会議では、仕事以外の話題で雑談の時間を入れる
き (共感できる)
- SNS でポジティブな感情を誘う写真やストーリーを共有する
- プロジェクトメンバーの気持ちに寄り添い、困難な状況では励ましの言葉をかける。プロジェクトの成功を全員で共有し、感謝を表す
タイ (タイムリーな情報)
- 記念日や季節に合わせた SNS 投稿。例: 時事ネタやトレンドを取り入れる
- プロジェクトの進捗状況をリアルタイムで共有する。重要な節目や成果をすぐに全員に伝える
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